映画『3つの鍵』を試写で拝見しました。ありがとうございます。
ケルト映画や、良質のアニメーション映画でおなじみのChild Filmさん配給。今回の作品はアイルランドものではなく、アニメーションでもなく、なんとイスラエル人の人気作家さんの原作を、イタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督が手がけたもの。
なかなかシリアスで複雑なストーリーで、引き込まれました。同じ建物に住んでいるんだけど、3つの家族それぞれの話を追う形で、また特に映画の途中5年分時間が飛んだり(それが2回ある)するので、ちょっと話についていくのが大変…というのがあるかもしれない。
でも、それぞれの登場人物に十分感情移入ができる。そんな作品。
特に最初に5年飛んだ時は、「えっ!?」と思ったものの、次のストーリーが始まればすぐにそちらに気持ちが入った。そして2回目の5年跳び(笑)のところは、まったく違和感なく物語に集中できました。
それにしても、俳優さんたち全員が素晴らしく、特に飲酒運転で人を殺してしまった息子のお母さん役の女優さんがよかった。マルゲリータ・ブイという女優さん。イタリアのメリル・ストリープって言われている実力派なんだって。なるほど!
また子供がいたずらされたのではないかと疑うお父さん役のリッカルド・スカマルチョも妙に濃かった。そして、赤ちゃんを抱えた悩めるお母さんのモニカ役のアルバ・ロルヴァケルも。
ちなみに監督自身もマルゲリータ・ブイの旦那役で出演している。あんまり目立ってなかったけどね(笑)
あ、そうそう、あまり画面には登場しなかったけど、事故を起こす息子役のアレッサンドロ・スペルドゥティさんもかなり二重丸。この方、ずいぶん前に私も見て感動した『緑はよみがえる』にも出ていたらしい。あれは良い映画だったよなぁ!!
物語はローマの高級アパートに住む3組の家族の、それぞれのストーリー。ちょっとしたことで、大きくすれ違ってしまう家族の話。
それぞれの家族にそれぞれの事情があり、映画上は、それがすべて明かされているわけではないのだけど、彼らの人間関係が上手くいかなかったりするたびに、もどかしく見守るしかない。
でも最後は、なんとなくさわやかなエンディングが待っている。お母さんが着る、花柄の素敵なワンピースが、これから先の希望を表しているのかな。このドライなようで、あったかい感じがイタリアなんだろうか。
あと一緒に試写に来た人の話によるとこの映画イタリア語が、すごく気持ちよいらしい。私は「プロント(もしもし)」と「チャオ」しかわかりませんでした(爆)。イタリア語習っている方は必見かもです。
9月からヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開になるそうです。
【#日向敏文】
— otonano(ソニー・ミュージック公式) (@otonanoenta) July 13, 2022
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