映画『ミッドナイト・イン・パリ』を見ました #toshifumihinata #日向敏文


ウディ・アレンの映画はそんなにたくさん見ていないのだけど、数本観たどの作品も大好き。『ブルー・ジャスミン』も大好きだった。また言うけど私が書いている感想が素晴らしくよいので、このリンク先まで言ってみて(笑)。過去の自分、偉い!…と自画自賛。

そして『カフェ・ソサエティ(私の感想文へリンク)』こちらももう細部は覚えていないけど、同時期に流行っていた『ラ・ラ・ランド』と比較しながら書いており、こちらもなかなかの感想文。

…こういうことをブログに書いていたせいか、ライターの山崎隆一さんがいつだったかこのDVDを貸してくれたんだよね。それが、この『ミッドナイト・イン・パリ』

それが、もう…5、6年前か? DVDを借りて見て、当時もおもしろい〜と思ったのだが、最近、この映画に再び出会うきっかけがあった。

それは、もちろん!! このブログでここんとこしつこく書いている日向敏文さんのプロモーションだ。

ケルト音楽ファン、北欧伝統音楽ファンの皆さん、すみませんね。でも発売日近いし、ほんとおもしろいんで、まだまだ書かせてください。日向さんの世界、ほんと面白いんだもの。

今回、日向さんの新譜の媒体向け紙資料(プレスリリース)制作のため、今回新作に収録されている曲のそれぞれ解説をお願いしたんだけど、中でも印象的だった解説が、今回の作品の13曲目。「Sylvia and Company」という曲。

再び載せちゃうと…

日向さんの曲目解説:プレスリリースより

パリにShakespeare & Companyという本屋があります。 
1920年代にシルヴィア・ビーチっていう人がいて、彼女は当時誰も出版出来なかった、しかし今では世界の名著と言われるジェイムス・ジョイスの大作『ユリシーズ』を世界で初めて出版しました。 
Shakespeare & Companyは彼女の本屋さん。本屋さんをやることで、彼女は多くのアーティストの活動の場を作っていたんですね。 
その場所はヘミングウェイ、アンドレジッド、ポールヴァレリー、ルデュックとかが、ガートルード・スタイン、マン・レイなどが集まり、まさにウッディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』の世界でした。 
彼女は同性愛の恋人がいました。いわゆるロスト・ジェネレーションの時代。 
ちょっとデカダンスな感じのイメージで、その当時の出来事を勝手に妄想して作った曲です。 
その後戦争で店は閉じてしまうのですが、1980年にジョージ・ウイットマンという人がいて本屋を再開させました。その人の娘で今のオーナーもシルヴィアという名前なんですよ。なので、タイトルにシルヴィアという名前を加えました。パリに行くと必ず行ってみたくなってしまう本屋さんです。


日向さんの話をうかがいながら、私は『ミッドナイト・イン・パリ』あ、はい、はい、あの感じですね〜と、うなずきながらも、心の中では、やばい『ミッドナイト・イン・パリ』ほとんど内容を覚えていない!? 

でも日向さんはあの映画が大好きで、何度も見たのだという。

確かタイムトラベルしちゃう主人公の話だったよな…それは覚えている。そして飛んでいった先に当時の著名人がウヨウヨ集っていたのも覚えている。で、どういう話しだったっけ?!(笑)

オタク気質の人(失礼)が楽しそうに自分の好きなものを語るあの感じ、わかるでしょう?

というわけで、あわててもう一度見ようと調べてみたら配信はやっておらず、とにかくDVDじゃないとこの映画は見られないということが発覚。

またもや山崎邸にお邪魔し(ありがとう、山崎さん)、「すみませーん、またDVD貸してください」というわけで、また借りてきたのであった。

だからこの映画を見るのは二度目なんである。今回この映画を見る前にシェイクスピア書店の本を読んだりしていた私は、この話がさらに深く理解できた。

なるほど1920年代、パリのアメリカ人たちか…


当初ウディ・アレンは、この映画を製作するにあたり、ニューヨーク的な主人公を考えていたらしいのだけど、結局いかにもカリフォルニアのちょっと頭の軽い(失礼)感じといったこの俳優さんが選ばれたそうだ。

話はこんな感じだった。共和党ごりごりの裕福な保守系パパを持つ婚約者の、まさにそのパパの出張に便乗してパリにやってきた主人公。パリは素敵だ、ここに住みたいと滞在を楽しむ主人公をよそに、義理の両親は、まったくもってパリを楽しめず、文句ばかり言っている。

婚約者は婚約者で、友人のボーイフレンドだという、うさんくさいマンスプレイイングな男性がたいそう気に入ったようだ。

なんとなく心のすれ違いを感じながらも夜を彷徨い歩く主人公。ふと真夜中を過ぎたパリの道でクラシック・カーがやってきて、それに誘われて行った先は憧れの1920年代のパリだった。

ヘミングウェイやフィッツジェラルド、アン・マレ、コール・ポーターなどなど、憧れの人たちが次々登場。

そこで出会ったピカソの彼女だという女性と主人公は恋におちる。そして、今度はその彼女が大好きだというベル・エポックの時代へタイムトリップ!? 今度はロートレックやドガが登場。感激した彼女はその時代に残ることを決める。

エンディングは、でも、とても爽やかで、私はとても好きだ。

そして本当にウディ・アレンの映画はいつも言っていることは、ひとつだけ。これにつきる。「人間は決して幸せになることはできない」(笑)

あの時代に生まれたかった、ってみんながみんな思ってる。自分が生きる時代の素晴らしさを満喫しながら「あぁ、この時代に生まれてよかった!」と生きている人なんてどこにもいやしない。

ほんとに人間ってバカ。恵まれているのに損な性格が災いして、ちっとも幸せになれない。でもそれがとっても愛おしい。そしてそれがめっちゃ笑える。

実はその後、この映画と日向さんについては、物凄いエピソードがあったりもするんだけど、それはこの前取材で日向さん、そのお話をされていたから、記事が出るまで内緒にしときます。掲載されたらまたこちらでご紹介していくかも…

日向さんは7月27日にニューアルバム『Angels in Dystopia Nocturnes and Preludes』が発売になります。こちらは先行配信の「Reflections piano version」
 

その他のプラットフォームでの配信はこちらからお入りください。聴いてね!!