荒川土手。色味がウクライナ的で、好きな写真。 |
先日、自営業仲間(?)のドイツパンの森本女史がこのドキュメンタリーすごくよかったよと、SNSで紹介していたので、見てみた。すごくよかった。
が、森本さんも言っていたとおり冒頭とエンディングの甘えるようなナレーションにはちょっと疑問が? まぁ、でもテレビってこんなもんか。あ、テレビじゃなかった。ABEMAだった。
いわゆる学校とはまったく適応できなかった17歳の天才画家の物語。12歳で東京大学の「異彩発掘プロジェクト」に参加することになり、才能が開花する。
響いた箇所。
なんのために絵を描くのか。この濱口くんの発言。
「今、すごく悩んでいる時期で…(好きな絵が仕事になって)仕事とかを持ち始めると、自分の今いる位置を死守しようとしてしまう」
「人から受け入れられる、自分の絵を評価されるということは嬉しいことですね、でも…」
「たとえ受け入れられなくても自分の描きたい絵を描いていきたい」
そしてさらに響いたのはこのプロジェクトを支えている東大の中邑先生の言葉。
中邑先生の研究室に所属している世界的アーティスト。最近大学の先生になったそうで
「彼は僕にこう言った。”大学の先生になったら10時半に教室に行かないといけない”」
「”僕はそれがもう辛くって…”と」
「じゃ、今まで朝起きてなにしてたの? ”今までは朝起きて今日なにしようかって考えてた”、と」
「”やることが決まったら家を出てた、と。幸せな生活だった”、と」「俺たちもそういう生活してみようよ」(いいなぁ、この先生!)
生徒「でも厳しいんじゃないですか?」(←しごく真っ当な答え・笑)
先生「厳しいよ。これはみんなに言えることだ。自分のやることには自分で責任を取れ」
ナレーション「誰よりも普通になりたかったのに… 」
濱口さん「普通に学校生活がおくれればいいなぁとは思っていた」
「たとえまた人に認められなくなったとしても、自分のお行為をなにものも正当化してくれない。責任持つのは自分だけというのは、とても孤独なこと」
中邑先生の言葉「自分の好きなことをやるのは孤独なことなんじゃないでしょうか」
「他の人は興味はないですからね。誰も”桃から生まれた羊”の話など聞きたくない。でもだからこそ面白いものがでくる」
「孤独を楽しめばいいんじゃないでしょうか」
うーん、いいなぁ。そうなんだよね、私も表現活動をする芸術家やプロジェクトを引っ張るプロデューサーの孤独は死ぬほど見てきた。特にバンドリーダーとか、めっちゃ孤独だ。それこそ真っ黒な孤独。いつも孤独。
でも、私たちは好きなことをしているのだから! これでいいんだ。そして、だからこそ何かの時に自分のプロジェクトに伴走してくれる人がいる時は、それに感謝しよう。
…と、未来の自分が落ち込んだ時のために、メモっておく。
今日も元気にがんばりましょう!
森本智子さんのパンの本、重版されました。マニアックな世界にして、これは快挙。まだお持ちでない方は、ぜひ。一家に一冊よーーん。
拙著『ドイツパン大全』が重版されました。まさかという気持ちです。本のタイトルは出版社さんが付けてくれたのですが、そんな大それた名前付けていいのだろうかとビビっていました。お陰様で2018年のグルマン世界料理本大賞では、パン部門で優勝でき、日本国内のパン職人さんからもお褒めの言葉を→ pic.twitter.com/ewlGNNaH75
— 森本智子@サワー種本の翻訳プロジェクト進行中 (@elfenco) August 12, 2022
今日も仕事を頑張ります。今日は実はなんともすごい現場に行くのだ。この話ができるのは12月になると思うけど… ふふふ、楽しみにしていてください。