「公務員のための外国人対応」を読みました。爆笑、でも真面目な本です。


まずは、この本の紹介の前に、元外務大臣の会見の映像を、どうぞ。本当に最低最悪。4:00くらいからどうぞ。


もう絶対に絶対に絶対に絶対にこれは忘れない。みなさんも忘れないでください。栃木県五区の皆さん、よく考えて投票してください。

さて、最近こんな本を読みました。「公務員のための外国人対応」。執筆された先生は岩田一成先生、柳田直美先生。この本を、まずは政治家である茂木氏に読んでもらいたいなと思い動画を貼りました。

ま、話を本に戻しましょう。

実は数日前にいつもお世話になっている冒険研究所書店さんに注文しておいた本たちがドーンと到着して、他に読まなくちゃいけない本がたくさんあるのに、自分の積読山に、これらの新着本を積む時、ちらっと立ち読みしてたら、そのまま読み始めちゃったんだよね。

自宅内立ち読み(笑)。だって、面白いんだもの! 一度読んだら止まらない(笑)



いや、面白がらせるために書かれた本だということはわかっている。

でも公務員になるような人には、こういう「教科書」チックな書き方をした方が伝わりやすいだろう。とにかく失礼ながら、結構爆笑してしまった。

いやー ものすごくわかりやすい。わかりやすすぎて、ちょっと吹き出しちゃうくらいだったんだけど(笑)、ここまで言わないとわからないのかな…と思いつつ、いや、わからないこともあるに違いない、これは絶対に世の中に必要な本だなと思った。

こんなに社会的意義のある本のリリースはない!

ほんと最近は日本語を話す外国人の皆さんが増えてきたよね。明らかにネイティブではなく、日本語を外国語として習っている人たち。本当に素晴らしい、ありがたいことだよ。

でも気になるのが、そういう外国人の方が日本語を話している時に、失礼なことに英語で被せるようにしゃべっちゃう日本人。いるんだよね、驚くほど、たくさん。そういうの、ほんと失礼だと思う。

私も若いころは気づかず、それやっちゃってたこともあったかもしれないけど。でも今は絶対にやらない。

今は、先方が英語に切り替えるか、「英語でしゃべろうよ」と言われるまでは、どんなにもたついたとしても日本語で続けるようにしている。だって、私だって、そうやって英語を習ってきたからだ。



この本によると地域差はあるとはいえ、日本に住む外国人の中で、英語が喋れる人は、なんと20%〜40%(各自治体調べ)なんだという。

しかし窓口公務員の皆さんは、「あとで聞いてないとクレーム言われたら困る」という自己防衛のために「相手にしっかり伝えよう」という気持ちがおろそかになり、あれこれ情報が交錯する状況の中で「話がわかりにくい」という結果になってしまっているのだという。悲しい。

誰も悪くはないのに…(by 中島みゆき)

「文をたくさん区切る(○をたくさん使う)」とか、子供に対するような話し方よりも「です」「ます」をつけた丁寧な話し方の方が伝わる、とか。そんなちょっとした「やさしい日本語」のコツが、この本にはたくさん書いてある。

しかし英語圏のアイルランドや英国やアメリカはともかく、ポーランドとか日本語話せる人、本当に驚くほど多いよ。外交官は間違いなく話せる。日本の在外大使館の人も、現地語、ちゃんとしゃべってるんだろうか。

それにしても、窓口に出現するルー大柴=自分が訳せる部分だけを英語にしてもまったく助けにならない…とか…ついつい爆笑してしまった。っていうか、このくだり、先生、面白がって書いてません?(爆) いや、先生、これ実は笑いをこらえながら書いてません?

茂木大臣のWhat do you mean by scientificって、まさにそれ。かっこ悪…

残念ながら、外務大臣ですらこんな状態なのだから、悲しいかな、こういう本が今の日本にはとっても必要なのである。

細かいコツというか、目鱗なこともたくさん書かれているこの本。とにかくこの本が言いたいことは極めて単純だ。「相手の気持ちになって、想像力を働かせ、コミュニケーションを取る努力をしなさい」ということなんだよね。それに尽きる。(この辺は、先日読んだ高野さんの語学本にも通じる)

つまりは窓口公務員という職業につきながらも「相手の気持ちになれない」もしくは「なることが不得意」というのがデフォルトな世の中なのだ、ということを我々も認識しないといけない。

まったくもっていろいろ絶望的。でも、これは対外国人だけではなく、対困っている人、対高齢者に対しても、窓口公務員たちは、そういう態度なのかもしれない。相手の気持ちになることよりも、自己防衛の方が先に来てしまう…という。

確かに今やクレーマーやカスハラなど、怖い人、いちゃもんをつける人も非常に多い。でも、それによって大多数の優しい普通の人たちを、困らせてるのが、どこの現場でも共通の問題だと思う。

窓口担当の方の苦労は想像できる。どんな人が訪ねてくるかわからない。税金で雇われているから立場はさらに悪い。そんな大きな違いもあるが、それはインターネット上で商売をしている私も同じ立場なのだ。

でも大事なことは、やるべきことを大きく見据えて、足元の細かいことにとらわれてはいけない…ということなんだよね。…と、私も自分自身に言っているんだけど(笑)

本当に最近は日本語を勉強している外国人の方が多い。そういう人たちのためにも、自分たちのためにも、私たちはこの本に書かれている努力を惜しんではいけない。

まぁ、でもほんと簡単に言っちゃえば、日本語話す外国人の皆さんに、私たちが慣れていないというだけのことなのだ。本当にそれだけ。

そしてその「慣れてない」ことに対して、日本人の、特におじさんたちは、本当に横柄な態度をとりがちなのだ。

そういうおじさんたちの態度を反面教師にして、私は生きたいと思っている。ちなみにこの本によれば、男性の相槌は、女性のそれより圧倒的に回数が少ないのだという。相槌を打って相手に聞いていますよ、ということもっと伝えなさい、ともこの本は言っている。

ところで、本のバックページにあった著者の一人である岩田一成先生のプロフィールで「ライフワークとして変な公用語や公共サインをコレクションしている」ってのがあって、とっても気になる!! 

先生、ホームページとかブログとかやってらっしゃらないのかしら(笑)

と思ってググったら、書籍になってたよ!!! そっちの本もここにアマゾンのリンクを貼っておく。あぁ、読まなくちゃいけない本がまた…。

ま、いいや、私はアマゾンではなく冒険研究所書店に注文しま〜す。みなさんもよかったら手に入れて読んでみてください。