道尾秀介『いけない』を読みました


ラスト1ページですべてがひっくり返る。
話題の超絶ミステリがついに文庫化!

各章の最後のページに挟まれた「写真」には、
物語がががらりと変貌するトリックが仕掛けられていて……。
2度読み確実! あまりの面白さが大反響をもたらした、
道尾秀介渾身の超絶ミステリ。

第一章 「弓投げの崖を見てはいけない」
→自殺の名所が招く痛ましい復讐の連鎖。
第二章 「その話を聞かせてはいけない」
→少年が見たのは殺人現場? それとも……。
第三章 「絵の謎に気づいてはいけない」
→新興宗教の若き女性幹部。本当に自殺か?
終 章 「街の平和を信じてはいけない」
→そして、すべての真実が明らかに……。

騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される


朝日のポッドキャストで好きな記者が推していた本なので、買ってみた。

こういう行動は微妙で、その人が好きでもその人が推す本が好きになれるとは限らない。

その最たるものが、大好きな作家の角幡唯介さん。角幡さんに騙され、何度ピンと来ない本を読んだことか。今まで第3者が書いて角幡さんと一緒に絶賛できた本は一冊、いいや、2冊、いや3冊だけである。…いや、4冊か?(笑)

分母が大きいから(たくさん失敗しているから)まぁ、こんなもんである。

というわけで、この本を推薦してらしたのは、大好きな記者さんだが、だから私は買って読んでみたのであるが、この本は正直ピンとこなかった。でも世間ではとても売れている本らしい。

最後の写真ですべてがひっくり返るとあるが、当然私はページを早送りしてその写真を見る。見ながら読んでみても、正直、よくわからなかった。

またかなりキーポイントになる事項が、普通の文章の間に埋もれているのもよくない。頭が悪くて読解力のない読者代表の私には、何度も何度も重要箇所は、著者の方に強調していただく必要がある。(妙に上から目線・笑)

この本は、物語の細部についてもきちんと記憶し、登場人物の名前もきちんと覚え、それこそメモをとりながらミステリーを読む人には楽しい本かもしれない。

三つの事件が複雑に交錯していて、それが絡みあいながら進行していくのだが、それも正直わかりにくい。

で、これを理解するためには、キャッチコピーにもあるとおり「二度読み必須」となるのだが…

この本読むためにもう一度時間を使うのももったいなく、ここでギブアップ。挫折してしまった。

確かに好きな本で「二度読み」はありうる。遠藤周作の『沈黙』、ブロンテの『嵐が丘』、好きな映画で『羊たちの沈黙』や『若草物語(グレタが監督したやつ)』とか、いったい何度見たことだろう。

でもそれは謎解きをしたいからではない。素敵すぎる細部を味わいたいからだ。

それにしても、こんなこともあるんだなぁ。世間の価値観と自分がいかに一致しないか、ありありと感じた作品。あんまり悪口と取られたくないので、響かなかった本は紹介しない主義なんだけど、これは自分のメモ的に。

そもそも私はフィクションは読まないんだよ。そこからして間違ったかもしれない。

渋谷の本棚に持っていきます。誰か買って〜(笑)


PS
とか、書いてたら、今、同じ人が紹介していた別の本を読んでいるのだけど、これがめちゃくちゃ面白い!! 読み終わったら感想を書きます。ちょい待ってて〜っっっ