抗がん剤、なう。


最近土手にできた運動場。まだオープンしてないので、独占して走る。
ふわふわした床が気持ちいい!


今日はルナサの話題は1日パスして、ここのところ人と会話したり、メールしたりするとよく聞かれるので、最近の自分の体調について、ここにまとめて投稿しておきます。

すみませんねぇ、ほんと、ご心配かけて。興味ない方は飛ばしてもらっていいんですが、興味ある人は読んでください。

6年前に膵臓ガンが見つかった私は結構な手術を受けたもののの初期のステージだったため、なんとか無事手術を終え、割と元気にFLOOKのツアーなどをこなしていました。しかしその後、薬があわず栄養障害を起こしてしまい、かなり長い具合が悪くなってしまった。その期間が2年くらい…だったかな。

それでもできる後輩に助けられ、すべてのツアーやプロジェクトは一つもキャンセルすることなく敢行。そう、うちはコロナ以外ではツアキャンはないのが自慢なんです!

まぁ、だから私が病気だとしても、気にしないでください。ルナサのライブ盤は必ず作りますから。

(でもこんなこと言ってて、交通事故とかで死んだら、目も当てられないな…   気をつけよ)

話を自分の癌ストーリーに戻すと、やっと手術後に元気になり、手術から5年たったところで、3月ごろ再び肺に怪しいものがあると先生が発見。

でもその小さい奴はPETでも、MRIでもCTでも判断がつかないくらい小さいことから、検査も兼ねて取ってみようと、再び手術(今度は割と簡単なもの)を受けたのが4月のことだったのでした。

検査したらその小さな何かは膵臓からの転移ということがわかり、主治医的にはウルトラCの大喝采だったのでした。すごいな、外科医。っていうか、一旦外科医が主治医にになると、死ねない。悪いところがあるとすぐ発見されてしまう…orz

手術はきつかったけど、前のよりも楽ちんで、その後5月にフルックのツアーをやり、体力が回復したところで抗がん剤治療(といっても薬飲むだけの比較的軽いもの)をスタートしたのが5月下旬。

ガンの治療って知っている人は知っていると思うのだけど、手術で取るものとっても終わりにならないのです。いわゆる抗がん治療というやつをやらされるわけです。

つまりガンになった人はガンの予備軍みたいな細胞が体の中に存在している。だから、まぁ「しみ抜きしたけど漂白剤をかけておきましょうか」、「草取りしたけど除草剤もまいておきましょう」…とかそういうノリで薬の投薬を受けるのであった。

でも投薬で済むのだから、私の場合は軽い。つらい人や、手術ができない人は、点滴の抗がん治療受けてぐったりしてしまうことも多いんです。髪の毛が抜けるとか、そういうのは、そっちの抗がん剤です。

なので、それに比べると私はかなり軽い治療なんです。しかしその後の体調はこんな感じで、とてもハードでした… 

なので、勝手に薬をストップしてしまったんですよね。でもって、その後スコットランド出張などを普通にこなし、先生に怒られると思ったら、最近の医者はそういうのはないらしく(笑)、優しい主治医のDr. Oに交渉した末、抗がん剤の量を減らしてもらったのでした。

で、25mgから20mgにしてもらったものの、やはりまだ体重が戻っていないから、怖くて薬が飲めない。手のひらの薬をながめながら、飲めずに3週間経過(笑)

まぁ、当時はとにかく体重がたりないからヘロヘロだし…。で、先生に再び交渉。8月まで待ってください。8月までに体調をベストに戻して、体重も増やします、と。そしたら抗がん剤を始める。真剣に薬飲むから、と。

先生もNOとは言わないわな…。というわけで、7月中旬の札幌出張から戻ってすぐ土手のランニングを再開。とにかく食べろ、食べろ、走れ、走れ… 

体重が増えて運動すると抗がん剤に対する耐性がつくらしい。筋肉があるととある人からアドバイスされ、地元の先生に確認したところOKしてもらったので、プロティンも飲み始める。そしたら、やっぱり筋肉のつき方が通常のランニングより早いんだよね。すごいな、プロテイン。

そして、8月3日から主治医との約束通り20mgを2週間飲み続けたら、今度は「危ない水域に近い」という感じはするものの、なんとか飲み切った。そして1週間休んだところで、再び血液検査&先生に面談。

先生によると、なかなか良い結果なので、このまま続けましょう、と言われる。はぁーー、よかった。でも、この調子で、抗がん治療とやらは、最低でも半年は続くらしい。

前みたいにヘロヘロにはならないものの、またもや指先が黒くなるし、顔のシミがデカくなったり、お肌の状態は最悪。でもなんとか食欲は落ちないでいるんだが…  

昨日なんかは朝も昼もちょびっとしか食べれず。でも夜に作ったカレーはでもたくさん食べれた。ほっ。今ここで倒れるわけにはいかんのだよ。

でも自分でも自分の体がギリギリな感じがわかる。身体の中は大自然と同じで、自分ではどうにもならない。でも、とにかく今、2 round目の抗がん剤10日目をクリア。これを木曜日まで飲めば、また2週間休めることになるのだ。

そして薬を休むと顔のシミや指の黒い感じがみるみる引いていくから、面白い。

これが最近の爪の写真。おもしろいでしょー? 茶色のところはおそらくこの抗がん剤の激しいのを受けていた時のあと。あの時、指は真っ黒で、肌はガサガサで皮が剥けたりしてた。このくらい色が変わっちゃうんです。

こんなふうに抗がん剤飲んだり休んだりすると、爪はずっとシマシマになるんだろうか。なんか笑える。っていうか、人間の身体すごい。


手の甲もひどい。おばあちゃんの手みたい。まぁ、おばあちゃんなんですが。普段はこんなにシミないし、もう少し綺麗な手をしている。


でも髪の毛抜けたりするようなきつい抗がん治療を受けている人もいるんだから、自分は文句を言うわけにはいかんな。

そして薬の耐性を得るためにも筋肉、筋肉(笑)。ガンは大自然なので、勝つというよりも共存しコントロールしていくことが大事。

ただ薬は科学で、アーティフィシャルなものなのだから、薬に大自然=自分の体が負けるわけにはいかない。

先生によると、それなりに紫外線も影響しているようなので、日焼けしないように気をつけてはいます。でも土手走っちゃてるしなー。夕刻日が沈んだ後や早朝とはいえ…。

あとはとにかく外出を控え、スーパーに行くのも日が沈んでからにしている、そのくらいの努力といったところでしょうか。

それにしても、面白いのは、自分の体の変化。一番顕著なのが、鼻の脇にあるちょっとしたシミで、これは普段はシミなんだけど、抗がん剤を飲むと盛り上がってきてホクロになる(爆)。すごいなぁ。

一方、医療の国で、薬は神だ。医者は薬が大好きだから、出してもらった薬がよかった時は、先生を大袈裟に褒めることにしている。そうすると先生は本当に嬉しそうだ。薬は神様、医療の世界では。

私は昔から薬が嫌いだったんだけど、最初の主治医のD先生(若い女医さんでした)から「野崎さん、薬でコントロールするっていう考え方もあるんですよ」と言われ、なんとなく「なるほど」と納得した。そこからは薬を飲むのは、あまり抵抗がない。D先生、本当にありがとう。(その後D先生はシングルマザーになったそうです。かっこいい!!!)

それにしても、病気になって最初の頃は薬が飲めなくて、薬を手のひらにのせても15分くらいそれをじっと見ている…とかよくあった。

でもヴェーセンが来日した時、私が顆粒の薬の袋をあけて、じっとそれを見て固まっていたら、隣にいたウーロフが自分のグラスを持ち上げて「スコール(乾杯)」してくれたんだよね。

あの優しいウーロフのエピソードを思い出すと薬が飲めるようになった。今はもう大丈夫。そんなふうに周りに助けられて、なんとか頑張っています。

お見苦しい写真ばかりを載せたので、最後に素敵な荒川土手の夕焼けを貼っておきます。でも肉眼で見るのと写真じゃ、だいぶ印象が違う。なんかもう壮大なんだよ。



ま、とにかく抗がん治療、頑張ります。ルナサのライブ盤ができるまでは、とりあえず死ねないもんねー というか、病気をネタにするつもりはなかったのだが、病気をネタにするとブログのアクセスが伸びるので書いてしもた。

よかったら、お見舞い代わり(卑怯な手・笑)に皆様、サポートお願いいたします。

いや、実際病気になった時「ブログのネタになる」と思ったのは事実なのだわー でも抗がん剤でヘロヘロな状態でルナサに会うのは嫌だよなぁ(笑)

ちなみにツアーはできる後輩をしっかり押さえているので大丈夫。できる後輩のAkikoが全部やってくれます。本当に頼りになるAkiko。彼女がまだ他の会社のサラリーマンしてたら、こうはいかなかった。私も運がいいんだわな。というか、うちのバンドの運がいいんだと思う。音楽の神様が私たちにはついている。

ルナサ、ずっとずっとついてきてよかった。私はもうすぐ仕事を辞めるけど、ルナサの音楽がずっと日本で聴かれますように。


*ところで抗がん剤ネタ書くと、GOOGLE先生が勝手にガンの広告いれてくるけど、皆さん、あまり信用しないように。身体に負担のかかるような検査は受けなくていいというのが私の持論です。そもそもガンは人のケースはあまり当てにならない。先生も「教科書に書いていることが適用されなくなってきてる」と話しています。