よく最近会う人に「体調大丈夫?」と聞かれることが多いので、ブログに一度まとめておこうと思う。
まぁ、はっきり言ってあんまりよくはありません。自分的には40%くらいかな。本当に無理はできない…
手術は無事に終わって、もう外科手術の後はすっかり癒された。もう全然違和感がない。すごいなぁ、外科手術の技術。
しかしきついのはそのあとの抗癌治療。がんの治療って大変なんですよ。要は染み抜きは綺麗に終わったけど、漂白剤も全体的にかけておきましょうか、って、そういうプロセスがある。それを終えて「標準治療」完了となるのだ。
でも、多くのがん患者はこの「抗癌治療」でぐったりしてしまうというのが、私の印象。
それでもこの抗癌治療「松竹梅」コースは一番軽い「梅」でいいと主治医のDr.Oに言われ嬉々としてのぞんだわけだが… うーん、やっぱりきつい。
錠剤自体は5年前、最初の手術直前も飲んだことのある薬なのだけど、当時の体調は100%。副反応はほとんどなかった。ただ指先が黒くなっただけだった。
(あとなぜか髪がゴワゴワで量が増えた。でも主治医によるとそういう反応は報告されていないのだそうだ。でも当時入院してたときの同室のおばあちゃんも同じことを言っていたので、こういう反応もあるのだと思う)
抗癌治療というと髪の毛がぬけるほどの強い薬をいれられたり、何ヶ月かに一度入院したりする人が多い中で、私はラッキーなほうだとは思う。
でも2度目の外科手術を経た私の体調は通常の60%。そこに抗がん剤が入ったら、まぁ、副反応がひどいこと。
最初の2週間はそれでも大丈夫だった。それが3週目になって下痢はひどいわ、指や顔が黒くなるのはともかく涙目とひどい時は鼻水もすごい。一番ひどい時は口の周りがなぜかピリピリ。これは死ぬと思った。
下痢も本当にひどくって、私は5年前の手術からずっと下痢をしていてお腹ゆるゆるなのだが、その下痢のレベルがまるで違う。抗がん剤が始まって2週間後から、ほんとに水のような下痢になってしまい、しかもお腹がいたくて1日5回以上、毎回20分くらいトイレに閉じこもるようになってしまった。
そしてさらに悪いことに、お腹が痛くなってぐったりするとそのまま布団へゴー。これが通常の社会人だったら起きて頑張って社会活動するのだろうけど、フリーランスの私にはそれができない。サボろうと思ったら、どこまでもサボれてしまう。
普通のOLだったら対応できることが、ずるずるとできないまま具合悪い場合はひたすら寝ちゃう。これがまた死ぬほどよく寝れるんだよね。そうすると体力が落ちて弱ってしまう。これが最悪の悪循環。
またよくないのが食欲が落ちること。とにかくほとんど食べられない。食べてはじめてもほとんど残してしまう。もともと40kgちょいしかなかった体重が37kgくらいになってしもた… これはやばい。
体重が減ると重いものはもてないし、なんか風がふいただけで空に飛んで行ってしまいそうな弱々しさがある。とほほ…
というわけで勝手に抗がん剤をストップを決断。それが6月7日。抗がん剤を飲むのをやめたら、下痢もじょじょに楽になった。食べ物も入るようになった。
その後11日から21日まで海外出張。よく対応できますねと言われるけれど、いや実際はスタジオに座っていればいいだけなので、出張といえどそれほどきつくはない。返って最終日の2日間オフをとって観光したりしていたのだが、その2日間が一番きつかったくらいだ。
あと普段はなんてことない15時間くらいの飛行機も、なんかぐったり…だったけど、基本的にはそれほど具合は悪くなかった。なにせ抗がん剤止めてるしな…。
帰国して主治医とのアポを1週間繰り上げ「先生、ごめんちゃい」「勝手にやめちゃいました」と言ったら、主治医は意外と怒らず「大丈夫、大丈夫。じゃ量を減らしましょう」と速攻決断。
そうなんだ、主治医には抗がん剤をまったくやめるという選択肢はないらしい。
というわけで同じ錠剤の小さいものをもらったものの…実はまだ飲み始めていない。先生に会った翌日からなぜか風邪をひいてしまい(熱はなかったが鼻水とくしゃみがひどかった。いや、もしかしたらこれも風邪ではなく抗がん剤の副作用だったのかも)、とてもじゃないけど「今、抗がん剤飲んだら死ぬ!」と思ったのだった。だから飲めなかった。
鼻水とくしゃみの薬はすぐ地元のI先生が出してくれたので、それを飲んで寝ていたら2日でよくなった。I先生の薬、すごい! I先生に「O先生が飲めっていうんですけど、私は飲みたくない」というと、いつもはのらりくらりのI先生も「僕はO先生の指示で薬出してる立場だから、僕から辞めていいとは言えないんだよ」とのこと。そりゃそうだ。
とはいえI先生の薬のおかげで翌日の吉原真里さんのエッセイストクラブの授賞式は元気に参加。晴れ晴れしい場で、私も楽しかったし嬉しかった!! いい仕事してると、元気でるよー。ほんとー!
その後も、ゆるゆると打ち合わせがある日もある。まぁ、仕事がなかったら、のんびりうちで編み物して一夏なんてすぐ終わっちゃうのだろうから、仕事があるのはいいことだ。だからアポは1日2件までにして、なるべくゆっくり仕事をする。
とはいえ雑用は多い。正直、どうにかならんものかと思う。机に座っているだけで仕事はガンガン入ってくる。いや、ありがたいのだが…
一方で人からもらう仕事ばかりしてると自分の価値が薄れてしまうから、自分のやりたいことは絶対に諦めない。今、必死なのはルナサのライブ盤制作だ。これは絶対に外せない。来年は来年でこれまた絶対に自分にしかできない案件があったりもする。
人に会うと体調について心配される。はぁ… ほんとご心配おかけしてすみません。
しかし、まぁ、とにかくぐったり。夏の暑さもあって体調は戻らない。明後日、また先生とのアポだが「薬は全然飲めていない」「せめて体重が43kgくらいになるまで待ってもらえないか」と交渉してみる予定。
それにしても体調が悪いと人生がつまらん。普段、身体が弱い人はこんな感じで毎日をすごしているのだろうか。私にはなんだか耐えられそうにないのだが、そういう自分の態度こそが、自分の、普段は自覚していない身体が弱い人や障害がある人に対する偏見とつながっているのに最近気づき、そうだよな、こういう体でも生きていかねばならんのだよな、と思う。
こういう気持ちがひどくなると、それはカモメのジョナサンや、自死された某音楽評論家みたいなオチになって、それは友達を裏切るひどい行為という結論になってしまう。
それにしても早く仕事を引退して、毎日のんびり映画を見ながら編み物したい。そして料理をしてたら1日が終わったみたいなのが一番最高なのである。
とは言え、毎日楽しくすごしてます。サウナは復活しているけれど、前みたいに「スッキリ度」が強くない。そしてランニングは、まだ初めていない。早くはじめたいけど、暑いというのもあり…
仕事はあと少し。あと少しでやりたいこと、すべてが終わる。2026年の春に引退の予定だったのだけど、なんだか2027年の春の案件が持ち上がりつつある。うーーーん。
でも自分が絶対に手放したくない仕事というのは、それほど多くはない。この年末にルナサのライブ盤を作れば、自分の夢はほぼかなったことになる。それでかなり十分なのである。
今日は打ち合わせのあと神保町の本屋に納品、その後渋谷の本屋で店長15時から18時。ヒカリエ8階におりますので、よかったらのぞいてください。そのあと赤羽のマッサージ店を予約した! 肩こりもなんだかひどい。