今やKindleでした手に入らない、今、大活躍の松谷さんの2017年の本。仕方ないので、Kindleで買った。
久しぶりにKindleを買ったので、携帯で読んだり(iPhoneの他に別途本を持ち歩かなくて済む)、自動音声で読ませながらランニングの最中聞いていた(便利)。SMAPをひたすら「えすえむえーぴー」とか読んじゃうのがイラつくけど、1.5倍速で聴いたら、あっという間に終わってしまった。
まぁ、でも私は紙の本の方がいいなぁ。この本、今、すごい高額らしいので、再販すればいいのにとも思うが、なるほど内容がちょっと古くなってしまっている部分もあるので、たぶんご本人がそれを良しとしていないのではないかと思う。書くなら、新たに今の状況も含めて執筆し直した方がいいということなのだろうか。
松谷さんは実は私はお話したこともある(自慢)。というのも、実は昨年とあるアーティストさんのプロモーションでコンタクトをとったことがあるのだ。で、通常そういう飛び込みの売り込みコンタクトなんてライターさんは、無視なんだろうけど(笑)、松谷さんは私にとても丁寧に返事をくれた。
プロモーションは成り立たなかったけど、もうめっちゃ好印象だったのでした。
その後、ある日松谷さんがTwitterのスペースをやられていて、おっと思い参加してみたら、驚いたことに松谷さんは私を覚えていてくださって、「あ、野崎さんがいる、野崎さん」とか話しかけてくださったのだった。すごい記憶力!!
そこではジャニーズのファンであるお姉さまたちが、松谷さんに、ファンクラブの様子とか、いろんな情報を伝えてたりもしていて、すごく面白かった。ジャニーズ・ファンの中で真っ当な人たちがいる。これは素晴らしい。実際「へぇー」と思う情報もたくさんあった。松谷さん、すごい。普段からこうやって、いろんな人から取材されているんだと感動したものでした。
お姉様たちもこぞって松谷さんに情報を伝えたりしているのだ。この状況を打破したくて。そうだよね、ファンの人たちが一番辛いと思う。
まぁ、そんなわけですっかり松谷さんのファンなわけなのだけど、なにも本を読んでいないのもなぁと思い、話題のこれをゲットしたわけです。
もちろんこの本はスキャンダルをあばくような書き方ではなく、SMAPの解散をしっかり大きな視点で社会学的に明らかにしている、そういう本だ。特に韓国やアメリカでのタレントさんたちの事例など、勉強になることがらが多かった。
例えばプロダクションをやめたタレントの活動を妨害するなどもってのほか。本来は公取マターだということもしっかりと記述されていたり、そもそもタレントがプロダクションに所属する時の年齢がものすごく低かったりすることの問題点なども明確にされている。
この件に関する問題を指摘する国会議員さんも少ないながらいる。(この議員さんたちの名前はしっかりおぼえておきたい。伊坂信彦議員、上西小百合議員(なんと上西さんはケイダッシュ系のプロダクション所属)。
それにしても、びっくりするのは、先見の明! 日本社会全体を見つめる視点。ほんとうなずきまくったのは「芸能界に限らず、日本社会はなぜお互いに足を引っ張ってばかりで、全体でもっと豊かになろうとしないのだろうか」
「既得権益にしがみつくのではなく、少し外に目を向けてオープンに振る舞う方が、その力をさらに拡大できる」等々、うなずきまくりだ。
「必要なのはサバイバルではなく助け合いだ」とも。
最後の方に書かれたインタビュアーとしてやってきた松谷さんにいろいろ告白するタレントたちの様子を見るにつけ、なんかグッと来た。本当に日本では、タレントのことを全く理解できていないプロダクションも多いんだな、と。一方でマネージャーとタレントとの信頼関係が強く感じられたという人もいる。
私もリアルな仕事の場で、この人たち、どうなの?と側から見ていて、疑問に思うタレントさんとマネジメントの関係を見ることも確かに多い。もっとも、それに深く食い込むと大変なことになるので、タレントがマネージャーの存在を認めている限りは、それに従うことにいつもしているのは当然なのだが。(マネージャーが嫌いでダメだと思ったら、単に関係を切ればいいのである。それはタレント側の問題でもある)
でもほんと驚くほど多くのミュージシャンがマネージャーをクビにしたり、事務所を離れた後で文句を言う。そっちの割合の方が多いように思うんだよね…。
それにしても松谷さんの分析力がすごい。
確かにメリー喜多島の最後の文春インタビューで、「私の真似をして私と同じように怖い」と飯島さんを評していることとか気になる部分も多い。一説によると、めちゃくちゃできる人だということは聞いているし、彼女と仕事をしたレコ社の人からも噂を聞いている。(ジャニーズと契約中、そのレコ社の担当にはお歳暮とお中元が欠かさず来たそうである)
あと「ファンの成熟」ということにもページをすごく割いている。今のファンは従来の数年たったら消えていくファンではない、と。ファン同士のネットワーク厚みが増した、と。
タレントと一緒に成熟していくファンだ、と。この辺はファンの人たちは読んでいたら、松谷さんについて行きたくなるのではないでしょうか。(そうか、例のSpaceで集まってらしたジャニーズファンの方たちも、みんなそんな松谷さんを慕って、熱心に現場の情報提供しているのかも)
それにしても面白い本だった。ぜひ、皆さんにも熱烈おすすめ。
こういう記事も2年前に書いてたんだから、やっぱりすごい。
2年前に書いた記事です。
— MATSUTANI Soichiro (@TRiCKPuSH) October 22, 2023
「競争を排除してまでドメスティックなマーケットに過剰適応し、典型的なガラパゴス化に陥って国際競争力を失った」
↓
なぜジャニーズは海外市場を掴めない? BTSとの比較で分かった“日韓アイドル”の圧倒的格差
男性アイドルシーンの転換点 #2 https://t.co/guBbjK6WxW
それにつけても私は伝統音楽という優しい世界にいられてよかった。芸能事務所みたいな場所で生きていたら、今、メリーやジュリー真っ青のめちゃくちゃ嫌な性格のパワハラ女になってた可能性は否定できないかも。本当に今の人生でよかった。
フジテレビが『スマスマ』の公開処刑を検証しないので、あらためて問題点を指摘しました。
— MATSUTANI Soichiro (@TRiCKPuSH) October 30, 2023
↓
検証されない『スマスマ』〝公開処刑〟──2016年1月18日にフジテレビで起きたこと(松谷創一郎)#Yahooニュース https://t.co/IoapF2Csdi