櫻井将『まず、ちゃんと聴く。』を読みました。これは最高!

 


昨日の読書感想文に引き続き、こちらも紹介します。この写真の右の本。櫻井将さんの『まず、ちゃんと聴く。』こちらもめちゃくちゃ良かった。2冊読んでる時間がない人は、こっちを読んだ方がいいかも。

こちらも昨日の紹介した本の監訳を務められた篠田さん関連。篠田さんが参画するエール株式会社というベンチャー企業の代表:櫻井将さんが、書かれた本。

こちらは昨日の『LISTEN』の実践編というか、なんというか。特に人の上に立つ人。社長、経営者、部長さん、課長さんが読むといい。それ以外にも家族や人間関係のことで悩んでいる方も。

とにかくかなり具体的にいろんなことが書いてある。文章もとても読みやすいので、おすすめだ。私もこの本をずっと手元において、何度も残りの人生の間、読んでみようと思う。

とにかく「without ジャッジメント」で聴く。また相手が話す言葉をなぞる時は、その通りになぞって繰り返して言う(聴き手の解釈はもちろん、新しい言葉ですら入れてはダメ。特に会話の初期段階ではイメージはまだ共有できていない)。ちゃんと聴けているかどうかは「やり方」ではなく、「あり方」だという。

なるほどなぁ!

そしてこの本で一番重要なこと=それは「相手の言動の背景には、<肯定的意図>があると信じている状態で聴く」、これが「ちゃんと聴く」ということだというポイントだという点だ。

この<肯定的意図>が、とにかく一番一番重要。これがめちゃくちゃ響いた。

そうだ、私が人の話を聴けてない理由は、これがわかってないからだ、と私も読んでいて気がついた! どんな人の話でも、その背景には、この<肯定的意図>がある。それがちゃんと認識できていれば、さすがの私も人も話を聴くことができるだろう。

このことが、この本の中で一番重要です、と著者は明確に説明し、この言葉が何度も何度もこの本には出てくる。

とにかくひたすら「人の言動の背景には、必ず<肯定的意図>があると信じる」。これだ! これ! これさえ覚えておけば、私も人の話を聞けるようになるかもしれない。

それは犯罪や間違いを犯してしまった人、振る舞いに疑問を感じる人に対しても、だ。さらに言えば、自分の中にいる複数の自分(特にそれが矛盾する時。例えば「痩せたい自分」と「食べたい自分」)の落とし込み方にも通じていく。

とにかくwithoutジャッジメントで人の話を聴く。そして聴くスキルが高い上級者になると、話を聴きながら相手のよりもその世界を味わってしまうのだそうだ。うーん。なるほど!

つまり話を聴きながら、自分の方が楽しんでしまう。そうすると「この人といるとついつい楽しくなっていろいろ話してしまう」という人に、なれる。それによって、その人のところに情報や人脈が集まるようになってくるのだ。「聴く」ということは、それだけすごいことなのだ。

本には具体的な「聴くMAP」も説明されている。つまり聴いていることの具体度・抽象度の軸を加えて考察していくわけだ。これも話の受け止め方のゾーニングなども加え、非常にわかりやすかった。

あと私がよくやるテ。例えばメールが遅いミュージシャンやおじさんたちに対しては、早くメールが来たときに大げさに褒める、というテクニック。これと同じようなことが、別の事例でこの本にも書かれていた。

相手が(偶然だとしても)うまく出来た時に大げさに褒めると、不思議なことに本当にテキメンに効果がある。つまり、それは賞賛や感謝によって、コミュニケーションを上位ゾーンに持っていく、ということなのだ。そういった事例が、本書ではもっと優しくわかりやすい言葉で説明されていた。

他にもコミュニケーションの基本原則のあれこれがいろいろ書かれている。「人は脳内にイメージしたものを実現しようとする」「人はまた肯定語と否定語を区別できない」ということ。

これ、あるんだよなぁ。「駆け込み乗車はおやめください」と言われて、駆け込んでしまう、その心理。「駆け込み乗車」というのを、言葉として受け止め、それをなぜか肯定的に受け止めてしまう。それが人間の脳みそなんだ、と。

とにかくそういうヒントが山のようにこの本の中には書かれているのだった。感動。

帯裏の篠田さんのコメントもよい。「これからの企業の価値の源泉は独自性や創造性。だから多様背が重視される。「まず、ちゃんと聴く。」つまり自分とは異なる他者の肯定的意図を受け取るのが出発点」と解く。

うーん、いいなぁ!

部下の話を聴かなくちゃと思っている人、部下がいない人でも、この本は「開眼の一冊」になること請け合い! ぜひ読んでみてください。マジでおすすめです。



こちらは素晴らしい日程を作ってくれたハーモニー・フィールズさん主導のツアーなんですが、フィンランドからスヴェングが久々に来日します。東京公演のみ、ウチで作りました。南青山曼荼羅で、アットホームなライブハウス公演です。


ハーモニカだけで、すべてを演奏してしまうフィンランドからやってきたカルテット。宮崎アニメのテーマ曲や、ハリー・ポッターなどの映画音楽、「恋のバカンス」や「赤とんぼ」もやるよ。シベリウスとショパンも! 詳細はこちら。