ちょっとこの世界、興味があるのよね…中世の写本の世界。…と思い、先日高田馬場の書店で行われた展示会に参加したのだけど、ものすごかった八木先生の展示。なんというか、羊皮紙愛に溢れる展示だった…
そして、すでにその展示会に行く前に別ルートで予約していた本が、この展示会のあと家に届いたので、読んでみると…ちょっとこれ、すごすぎるでしょ…という本だったのでした。
岩波書店で、税金入れると3,000円Overの本ですが、その価値ありますよ、絶対に。
懇意の書店に注文して通販で買ったので、中身を確認しないで購入したので、この値段+マニアックな内容で、もし読んでも理解できない難しい本だったら、どうしようと思っていたのだけど、そんな心配は皆無。
紙が結構厚くてカラー写真満載。写真もところどころに挿入されているから、1ページ1ページのデザインがこっていて、これはデザインの方も大変だだったろうと思う。こんな感じだから、値段が高いのも理解できる。
でもって、著者が徹底的にわかりやすい一冊を作ろうとしたのも感じられる。
なんといっても文章が優しい。優しいというか、易しいなのだが、優しくもある(笑)
例えばまず動物たちの毛皮から毛を取り除き皮だけにしていく作業なのだけど、そこで「軽石」が使われるのだけど、それひとつ説明するのにも「お風呂で足裏を美しく整えるために使うものは何でしょう? そう、軽石ですね」などと、極めて平易な文章で書いてある。
っていうか、小学校5年生くらいだったら、この本、読めちゃうんじゃないかしら。
とにかく読者に寄り添って、丁寧に丁寧に説明している本なのだ。
それにしても、そもそも動物の皮から紙を作るってのもすごすぎる。でもってその「皮」の紙がすごい。状態が良ければ紙よりも長く保存できるらしいのだ。しかも、なんと現代のインクジェットプリンターでも印刷できちゃうらしい。驚愕!
もちろん皮の感じは動物によって違うし、その皮の表面が毛がはえてりる側、肉がついてる側かによっても違うらしいのだけど、そこでも先生「紙でも”和紙にに水彩画を描いたら滲んで仕方がない”とか、”ツルツルのコート紙にパステルは乗らない”という傾向があるのと同じです」などと極めて説明が丁寧。わかりやすい!
というわけで、頭の悪い私でもしっかりついていけた。
しかも、帯を良く読んでなかったんだけど、最後のページにはなんと実際の「羊皮紙」のおまけまでついているのだった。驚愕。確かに読んでいると、羊皮紙ってどんなだろうと思うもんね。全然読んでる時に気づかなかったよ。
CD付きの書籍用のPP袋が最後についていて、そこに入った3cmくらい?の紙片。触ってみたら意外と硬い。名刺とか作ったらいいかもしれない。高いかな…。でもこういった紙は先生のところで通販もできるらしいのだ。
一体ものでも、手間を考えたら、バカみたいな値段ではない。切れ端なんてのも売ってる(笑)。
というわけで、すごく面白かった。続いて、西洋美術館の「写本展」にも行く野崎で会った。そのレポートはまたいつか。
そして音楽において、同じ世界観をお持ちの「となりにある古楽」でお馴染みの白沢達生さんが、7月6日のレニー・イベントに来てくれることになった!! なんか世界って、つながっている! こちらもおってこのブログでご紹介してまいります。
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THE MUSIC PLANTの次なる主催公演は:バーンスタインと日本の友情の物語『親愛なるレニー』をフィーチャーした、ウチにとっては初の「本」のイベント。
著者の吉原真里さんの講演、広上淳一先生との対談、若手ミュージシャンによるミニコンサートの他に、ホワイエには音楽の本が大集合。レニーゆかりのユダヤの焼き菓子やパン、ジャム、そして楽器体験コーナー(チェロやガムラン)もあり。¥2,500 http://www.mplant.com/lenny
スコットランドのトリオLAUが10月再来日。詳細はこちら。http://www.mplant.com/lau/
今年は春のケルト市はありません。秋のケルト市は豊洲にて10月に行う予定。7月1日発表。
THE MUSIC PLANTでは本屋も運営しております(神保町&渋谷)。よかったらのぞいてくださいね。時々店長業務もやってます。http://www.mplant.com/index.html#book
THE MUSIC PLANTではアイルランド音楽名盤ガイドをリリースしております。第1弾 Paul Brady、第2弾 Mary Black、そして第3弾は10月発売。すでに制作が始まっております。www.mplant.com/books/