映画『Back to Black エイミーのすべて』を拝見しました


映画『Back to Black エイミーのすべて』を試写で拝見しました。ありがとうございます。

エイミー・ワインハウス、嫌いな声じゃないけれど、なんというか、彼女が出てきたころ、私はガンガンに仕事をしていたので、正直、自分のアーティスト以外に興味が持てない環境だった。

よくこういう仕事をしていると、音楽のことをすごくよく知っているんじゃないかと思われるけど、私は音楽ファンではない。普通の人が知っている音楽だって、よく知らないまま仕事している。

ただ単に自分の担当アーティストのことを誰よりも愛していて、誰よりもよく知っている、それだけだ。他の音楽のことは正直よくわからないのだ。

一応は市場に出回っているものは聞き、チェックをし、ある程度市場動向知らないと仕事においてもよくないとは思うんだけどね。興味ない音楽聞くって、苦痛だもん。難しいよ。

それはさておき、そんな調子なので、エイミーの存在は知っていたし、でも曲は一曲くらいしか知らず(笑)。そして彼女が亡くなった時も、すでにその奔放な生活ぶりはメディアを通じて知っていたので、あまりびっくりはしなかった。

しかし、亡くなって数年後にできたドキュメンタリーはとてもよくできているなと思ったし、彼女の凄まじい人生に改めてビックリしたものである。

そして今回のこの映画だ。

まぁ、なんと言うか、本当に可哀想すぎる。人間ってどんなに成功しても、お金が入ってきたとしても、自分が欲しいものが得られなければ不幸なのよね。そこなんだよなぁ。

お金や名誉はある程度のことを解決してくれる。でも、やっぱり欲しいものが得られなければ、ダメなのだ。(そして一番人間にとって大事なのは自由なんだと思う)

彼女は抜群に歌が上手かったが、痛いほど普通の家庭を望んでいた。フェミニストなんてもってのほか。愛する男の奴隷になりたい、世話をしたい、子供が産みたい、ただただそういう女性だった。


それにしても、人の国のこと言いたかないけど(笑)、ダイアナさんを失い、こういうパパラッチたちの犠牲になる著名人が絶えないというのに、英国のメディア、特にタブロイドについて、英国社会は何か対応しようとは思わないのか…とちょっと思ってしまった。あの追っかけぶりは可哀想すぎる。

そんな悲惨な状況で、最高だったのが、おばあちゃんの存在。おばあちゃん役のミセス・ハリス…もといレスリー・マンヴィル! やっぱり英国は素晴らしい俳優さんたちがたくさんいる国だ。

彼女は本当に素敵で、最高。息がつけないほどの、嵐のような映画に、ほっこりと暖かさを与えてくれている。(ミセス・ハリスがまた見たくなっちゃったよ! もう機内放送で何度も見たけど・笑 →   で、結局家に帰ってきて、もう一度見てしまった)

そして、あの父親!! ドキュメンタリーの方では最低だった父親が、こっちの映画ではなんだか「いい人」になっているのは、どうしたもんかい。ここには大きく疑問が残る。

でも、こちら財団公認の映画だからねぇ…。遺族公認=父親の息がかかっている、ということなのだと想像するのだが。

映画を見ながら、「うっ、あの鬼畜のような父親だ」「こいつ、こいつ。こいつが悪いやつだったんだよね」とドキュメンタリーをみただけの知ったかする私もどうかと思う。

そんな知ったか気分で父親の顔をながめ、「いったいこいつ、どこで豹変するんだ」とずっと思いながら映画を見ていたのだけれど、結局父親はいい人のまま、なんとなく終わった。

ステージのシーンの再現もよくできてるし、もっとも私は本人の映像を見てないからよくわからないけれど、とにかく主演の女優さんはエイミー以外には見えない。

というか、エイミー本人のメイクやファッションが特徴的だったから、あのメイク&格好をすれば誰でもエイミーになれるんだろうな、というのはあるな。そしてあの悪い男(ブレイク)の最低ぶりもあっぱれで、見応えのある作品に仕上がっています。うん、俳優陣は全員ばっちりでしょう。英国では大ヒットしたらしい。

あと新しく理解したことがひとつ。彼女はロンドンはロンドンでもカムデン・タウンのロンドンなんだね。グレンやスクイーズやDire Straitsが、South-Eastロンドンだったように。エイミー・ワインハウスは、カムデン・タウンだと。…東京で言ったら北区・足立区って感じ?(笑)

東京では11月22日からシネマ・シャンテ他で上映。まだ公式サイトもオープンしてない。しかし彼女が亡くなって、13年?かぁ…  月日のたつのは早いよなぁ。

ちなみにこちらがドキュメンタリーの方。今は配信で見られる。これはすごく良くできた作品だと思う →    U-Next   Prime


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