見たよー『ボビー・チャールズ 極楽の歌』素晴らしい音楽ドキュメンタリー


バラカン音楽映画祭で見逃していたボビー・チャールズの映画、やっと見れました! ありがとう、GARDEN CINEMA

正直、私は「See you later Alligator」すらも知らず(笑)…って言うか、この表現、普通に英語圏で使われているのはもちろん知っていたんだけど、この人がオリジナルなわけ? この人の前に「アリゲーター」はなかった?    

よくわからないのだけど、それは今度ピーターさんに会った時にでも聞いてみるとして、いやー、それでも「After a while Crocodile」のエピソードには震えたわ!!(詳しくは映画を見て)

他にも名曲が名フレーズが生まれるきっかけになった数々のエピソードにはびっくりせざるをえない。そして「LAST WALTZ」の意外なエピソードも。

ルイジアナだよねぇー いやー ケイジャンの世界。フランス移民のたどった世界。これが南部か!とアメリカの奥行きの深さを感じざるをえない。

もちろんいつもケルト・ルーツがどうしたこーしたとか知ったように話している自分なんだけどど、フランス人のたどったルートもすごいわな。

ルイジアナ生まれで、ケイジャンをルーツに持ち、譜面も読めない楽器も弾けない、それなのに天性の才能で名曲を次々生み出したボビー・チャールズ。

作った楽曲は180曲を超え、250組以上のアーティストにカバーされている。それでも本人は極めてシャイな世捨て人。キャリアの早くからパフォーマンスをというのを辞めてしまったという。あの『ラストワルツ』に出演するも、唯一映像には残っていない、謎の人物。

映画の中では、ドクター・ジョン、アラン・父さん…違った・トゥーサント(字幕では最後に「ト」をつけていた。ピーターさんのこだわり?)、サニー・ランドレスといったミュージシャンや、ボビーの幼馴染み、親族、スタッフとして関わった人たちも多数証言を寄せている。

最後は2010年で、心臓で71歳に亡くなっているのだけど、腎臓がんでもあったし、いかにも糖尿病体型だったのが、そういうことかーと妙に納得。この時代のアーティストによくあることだけど、若い頃から大麻大好き。あんまり健康そうには見えない。

それにしてもデビューした時、デモテープを聞いたチェスレコードは、ボビー・チャールズの声を聞いて黒人だと思ったそうで、社長の弟(だったかな)が空港に迎えにいって名乗ったボビーに「お前じゃない」と言ったとか、そういう細かい逸話がいちいちすごい。

スコセッシのオファーに納得せず、LAST WALTZには参加しながら、彼の映像が残っていないという… これも、まぁ言ってみれば、すごいエピソードだよね。

そもそも黒人の中で活動していたので、一人白人で目立っていじめられたり、不当な扱いを散々軽々していたから、そういう業界のいろんなことが大嫌いだったんだろうなぁ。なんかそれもアメリカの南部だよなぁ!!!

偏屈なところがある彼だけど、可愛いエピソードもたくさんあり、なんか悲劇のドキュメンタリーになっていないのも好感が持てる。実際たくさんの音楽仲間に慕われ、こんなふうに映画にもなった。

 

邦題が、泣けたね。「In A Good Place Now」いいじゃないですかー ちょっとブー・ヒュワディーンの「New Place Now」(footsteps fall)(こちらはエディのヴァージョン)を思い出した。ブーはボビー・チャールズのファンなのかな。

映画ではエンディングにこの曲がながれ、歌詞も少し聞き取れたせいか、なんか妙に心に残った。

…とか、書いてたら、なんとグレン・ティルブルックがカバーしてた!!


野生のりんごの花が咲き乱れるなか
太陽の光が降り注ぐ 虹がかかる空
僕の心の中にちょっとした絵を描く

釣りにいくのにいい日だな
丘に沈む夕陽をつかまえて
昨日や明日の夢をみる
君がまだ僕といてくれますように

蝶を見かけて、君の名前をつけた
君の名前はとても良いサウンドだから
愛に囲まれ、見えるのは君だけ

釣りにいくのにいい日だな
丘に沈む夕陽をつかまえて
昨日や明日の夢をみる
君がまだ僕といてくれますように


歌詞をざっくり訳してみた。しかし歳を取っても生きるのは大変すぎる。それでもMust be a good place nowとか思える瞬間が、私にも増えてきた。うん、まぁ、まぁの人生だったな。この人生でここにきて、よかったな、と。

いい映画でした。ぜひ。26日までEBISU GARDEN CINEMAで上映中。今日も平日の14時台だというのに、結構混んでいた。

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