いやー 観ましたよ。かっこよかった、ミスター・ジミーこと、ジミー桜井さんのドキュメンタリー。かなり良かった。映画『ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』
しかしジミー桜井さん。お顔を拝見して、あれこれ考えたのだけど、私、会ったことあるかもしれない。なんか見覚えが…あるとしたらケンソーのラインだと思うのだが、清水義央さんと面識がある方だったか?? 打ち上げとかで、誰かと一緒にお見えになってたかも?? それこそ厚見玲衣さんとか、そのライン??
しかし、レッド・ツェッペリンねぇ。曲は「天国への階段」もいいけど、私はこれが一番好き。映画『ALMOST FAMOUS』で印象的に使われていたっけ。いいよねぇ。
あとジョン・ポール・ジョーンズは、トラッド系、アコースティック系の音楽シーンでもよく名前が出てくる。音楽業界いろいろ狭いから、なんかいろいろあるロックレジェンドの中でも親しみを感じているバンドの一つ。
っていうか、ロバート・プラントなんか最近アリソン・クラウスとずっと一緒にやっているし、なんだっけ、あの素敵なプロデューサーの… ジャスティン・アダムスは来日した時、確か私が担当してアテンドしたんだよな。プランクトンさんのワールドビートのフェスティバルだった。
ちなみにジャスティンさんの説明するロバート・プラントは「めちゃくちゃエネルギッシュな人」とのこと(笑)
だからツェッペリンは私も嫌いじゃない。というか、結構自分の近くにいるバンドだと思っている。
それはともかくこのジミーさん。「大好きなジミー・ペイジになりたい」とばかり、細部にこだわり、ギターやギア、衣装や演奏の細部もジミー・ペイジを瓜二つにカバーすることに命をかけている。
そんな活動をジミー・ペイジ本人が見に来たり、さらにジミーさんはアメリカに行ってカバーバンドに入るなどなど、いろんな展開がある。
アメリカには日本よりもカバーバンドというか、トリビュートバンドの市場がはっきりと存在している。
(日本になぜトリビュートバンドが定着しないかは、私は言いたいことは100万くらいあるが、それは日本における海外楽曲の問題と大きく関わっていると思う。これについては、またいつか)
で、アメリカに渡って、結構いい感じにツアーしたりするようになるのだが、商業的な成功に持っていきたいバンドの他のメンバーとの間で軋轢が生じてくるわけだ。
ジミーさんがやりたいのは、ツェッペリンの完全コピー。何年のこのステージの再現…とかそういう世界。
一方、トリビュートバンドがやらなくてはいけないのは、お客さんが喜ぶのはヒット曲のカバー集だからだ。
(レコードと同じに演奏しないといけないのかもしれない)
(あのギルバート・オサリバンですら「ヒット曲はレコード通りにやる方が喜ばれるんだよね」とステージで話していた!)
あ、そうそう、ジミーさんが最初にアメリカで参加する、カバーバンドのシンガー(ロバート・プラント役)がアイリッシュなのもなんか良かった。彼はドロヘダ出身だそうで、こんな記事も発見(笑)。
でも、バンドと上手くいかなくなって、今度は自分でメンバーを集めて自分のバンドを作るが、そうともなれば、リーダーがファイナンス的にも責任を追わねばならないわけで、これまた大変なわけだ。
そもそも出てくるライブハウスだって、東京のクロコダイルや、カリフォルニアのWhisky A Go Goとか。あんな小さいなところでライブやって、たとえ満員になったとしても生活なんてできる「わけがない」。
それにしても面白い。出てくる「バンドあるある」ネタも最高によい。ジミーさんのアメリカのオーディエンスと日本のオーディエンスの違いについての意見も面白かったし、例えばメンバーの奥さんが突然マネージャーになったり、なんかいちいち「バンド、あるある」(笑)なんだよなぁ。
それにしても、この映画。こんなに大量にツェッペリン楽曲使用していて、シンクロ料だけで予算終わるだろうと思っていたら、なんと彼らの音楽愛に感激したツェッペリンのご本家側が、すごくリーズナブルな値段で契約を許可してくれたそうなのだ。
良かった。いや、でも確かにこれだけ強い音楽愛は、地球を回すわな…。
でも音楽愛だけで地球が回らなかった時代もあるわけで、今、レコ社とか、音楽の原盤の力が弱まった今だからこそ可能だったということもある。
あとこのジミーさんがいるシーンというのが、どうしても「ブートレッグ」とかそっちの世界であって、ある意味、プロとして音楽の仕事をしているのなら、公には関わってはいけない世界だということ。
今や「音楽愛」がもっとも重要な時代になった今(← 本当か?)、結局残るのはレコード会社ではなく、こういう「絶対に辞めない人」なのか、という思いも湧いてくる。
あと印象に残った言葉としては、最後のエンディングのところでドラマーの彼が「18歳の時みたいな気持ちで演奏できた」と感激していたところ。あれ、いいよなぁ。
で、思い出したのが、いつだったかロビン・ヒッチコックのバンド公演でビル・リーフリンが公演後のロビンに「いやー 今日は楽しかった。なんのために音楽をやっているのか思い出せた、そういう公演だった」と話していて、なんか私はそれを傍で聞いていて、えらく感動したことがあったっけ。
そう、バンドやっている子たち(あえて「子」と呼ばせてもらおう)そういう純粋な気持ちで、音楽に向かい合っているんだよね。そこが本当に好きだ。大好きだ。