顧客満足度?

こんな記事が出ました。

なるほどねー。でもまずカチンと来たのは「サービス業」という言葉。コンサートはサービス業なのか?

まぁアイドルの場合はそうでしょうよ。そしてデメリットといえば「現状はさして見当たらない」でしょうよ。まぁ、お宅の公演はそうでしょうね、という印象。

まぁ、ウチらの業界では「照明や演出のさまたげになりますので」というのがよくあるエクスキューズ。あと「アーティストは気にしないけど、隣で見ているお客の方が気にする」という理由。特にデジタルものはディスプレイがまぶしかったりするしね。

あと海外では解禁ってのもウソだよね。海外でも厳しい所はホントに厳しい。私なんてアーティストに楽屋で「公演中これで撮っておいて」とデジカメを渡され、会場の警備の人に怒られながら撮るとか、しょっちゅう。警備の人たち…よく訓練されてて厳しい。ゲストパスしてても怒られる時は怒られる。

一方グレン・ティルブルックのソロなんかに行くと、なんかものすごい量のカメラ向けられてて、正直本人があれだけ頑張る人だけに、可哀想に思ってしまう。パンダじゃないんだからさ…(パンダだって神経おかしくなるしね…)

この件で思い出したのはロリーナ・マッケニットのステージ、ロリーナは5、6年前のヨーロッパツアーで紙を配った。ロリーナは「ライトの演出とかで真っ暗な時に、他のお客さんからのクレームになることがある」としながらも「ここは人と人との出会いの大事な場なんだということを思い出してほしい」と言っていた。ホントにごもとっとも。例えばあなたは人が話をしているに向かって、いきなりカメラを向けたりするだろうか? 

先日面白かったのは(とか言って笑っちゃ悪いんだけど)ポールのNew Bridge公演で、ipadを演奏中のポールに向けたお客がいたらしく、御大のお怒り具合はものすごかった。「これから俺のコンサートではiphoneとipadは禁止!」しかもそのお客、ポールのことを演奏中にググっていたというスタッフの目撃証言もあり……というやりとりを脇で聞いていて、私はお腹の中で爆笑してしまった(爆)。ちなみにポールのことをよく怒るとか、怒り沸点とか書くけど大抵の場合かなり可笑しいんですよ。周りのスタッフはうんうんとポールにあわせながらも、実はお腹の中では爆笑していることが多い。っていうか、そうやってストレス逃がさないとやってられん、というのもあるが…ユーモアのパワーはすごいね…それはさておき…

とはいっても、究極的にはお客さんとアーティストが決めること。私が何を言えるだろうか。私の方はアーティスト側が本気で「カメラ向けてくれた方が盛り上がる!」って言うんだったら全然問題ない。肖像権とか、ステージにあがっているからには関係ないだろう。ただウチには聞かれれば「まぁ、別に撮っても構わないんだけど…」程度な人がほとんど。カメラwelcomeなアーティストは一人もいないので申し訳ないけどやっぱり解禁は難しいかな、と思ったのでした。っていうか、さっきの話に戻るけど、今の段階では集中して聞いてる他のお客さんたちに迷惑をかけず撮影できるのは、プロのカメラマンだけだ。プロのカメラマンいれてたってクレームがあがる時もある。だからやっぱり無理かな、と思う。(ちなみにお客さんのことを驚くほどアーティストは見てますよ、ステージから。終わったあと、あーだこーだよく言ってます/笑)

そもそも公演ってなんなんだろう。でも私とTHE MUSIC PLANTにとってはサービス業でないことは事実だ。そういうのが欲しい人は、アイドルとか、ジャーニーのコンサート行ってください(爆)