映画「終戦のエンペラー」を観ました

今日暑かった! でも暑い中、コンサートチケット発送のためにメール便も出しにいかないといけないし、銀行で振込&通帳記入もしなくちゃだし、郵便局にいって海外小型包装物出さなくちゃだし、あれもこれも…と雑用があって、町にでる必要があった。普段ならこれらすべてを営業に出たついでに一度にこなす、最小規模事務所のオーナーの私であるが、今日はミーティングや営業のアポが1つもなかったので、西新井までバスで出ることにした。ウチから西新井はバスで20分程度。西新井は千葉みたいな場所で、すごく好きである。

というのも観たい映画が西新井でやっていたからだ。「終戦のエンペラー」。マッカーサーの日本上陸から天皇の戦争責任を追求し、歴史的に重要なマッカーサー/昭和天皇会談までを描くハリウッド映画。

実はものすごく期待してみたが、ダメだったね。久しぶりにダメな映画を見たわ…。正直薄かった…。大袈裟なのは演出と、セリフ回しと、音楽だけで、実のところ「何も言ってない映画」だと思った。

マッカーサー役のトミー・リー・ジョーンズは悪くないけど、残念ながら私にとっては宇宙人ジョーンズにしか見えないし、フェラーズ役の俳優さんはまずまず…でもヒロイン役アヤ役の女優さんが超イマイチ。あぁいう日本人女優の方がハリウッドでは受けるのかしら。なんかぜーんぜんダメだと思った。加えて日本人のおじさん俳優たちもこれらのセリフを本当に納得してしゃべっているのかよ、と勘ぐりたくなる。

いや、参加すると決めたら、プロの俳優としては役に入りきり、監督の指導のもと演技に専念すればいいのか…だから、これはこれでいいのか…。うーむ。どっちにしても日本人のしゃべるセリフがイチイチ気になる。これを海外の人が見るのか、と思うと…なんか違うんだよなぁ! 唯一よかったのはセリフがほとんどない東条英機役の火野正平。中村雅俊も意外と良かったと思った。

日本人は外国人からみたら理解するのが難しい人種だ、って、日本人は思いたいんだと思う。もしかしたらアメリカ人もそう思いたいと思っているふしがある。本音&建前、ワビサビ… でも実は私はそういう認識は大学時代にもう捨てた。日本人はすごく分りやすい。日本人は集団の中にいることを良しとし、自分から考えて自分の責任のもとに行動を起こすことを学ばない未熟な国民だ。権力があればそれになびき、権力を得ればそれを使って暴威をふるい、最近は民主主義のもと文句を言うことだけは覚えた、が、まったくもって自分で考え責任を取ることは今だひとつも学んじゃいない。だから原発や死刑もある…というのは、またゆっくり書くにしても、まったくちっちぇえ本当にイヤな国民性なのだ。もちろん良いところもたくさんあるし、私も日本が好きではあるのだけど。

そもそもこの映画の言い出しっぺであるプロデューサーが奈良橋陽子さんということで、そこにもバイアスがかかる。私もこの映画を見るまではゴダイゴの歌詞書いてた人でしょ、くらいの印象しかなかったけど、ググってみたら、映画の中で印象的な和歌を読み上げる(ある意味、超格好いい立場として描かれている)関谷なにがしの孫。外交官のお嬢さんで帰国子女(雅子さまと一緒)というだけで、もう意地悪な私はなーんとなく、それだけで、もう印象が良くないのであった… ってすみませんね。きっと普段はキャスティング担当なのに、今回はプロデュースを手がけられたことでご苦労もあったとは思います。何にしても言い出しっぺというのは、大変なのではあるから。

いずれにしても日本側にとってもアメリカ側にとっても、妙に美化されたストーリーで、それがなんだか鼻についた。

ちなみに映画を見るだけじゃ、全然ダメダメなので、これらのリンクも要チェック。

このブログがどのくらい正しいかは不明だけど、いわゆる「フェラーズメモ」はマッカーサーと昭和天皇の会見より後であるという大きな認識の違いを指摘している → 祭りの後の祭り

いつも興味深く読んでいる冷泉さんのコラムより。
ハリウッドと日本の不幸な関係
「"ハリウッドの芸能人が実は知的である"ことを隠すための特殊な通訳が介在した形で紹介される」等、共感MAXな部分も多数。



PS
町山さんもこんなこと言ってるよ!