岡本太郎「自分の中に毒を持て」を読みました

なるほどねー。この本をバイブルと呼ぶ人多いよね。確かに気合いが入るわ。

私ならもうとっくに学生時代に読み終わってんだろ、と思われそうだが、いやいや、やっと今読んだんだって。今、読みました、今(笑)

岡本太郎ってあんまり興味なかった。今もあるんだか、ないんだか。渋谷のマークシティの絵はパワフルだと思うけど。

それにしても岡本太郎、なんかこうもっと荒々しい人なのかな、という印象があった。私にとっては「芸術は爆発だ!」っていう印象的なコマーシャルくらいしか認知がない。そもそもあれってなんの企業だっけ? セゾングループ? この本も岡本太郎の口述っぽく書いてあるが、やたらと読みやすい。だれが書いているんだろう。本人? これも糸井重里じゃないか? それとも本人が文章も上手かったのか? 知っている人がいたら教えてください。

私はどんな素晴らしい芸術家でも、家族以外の人に迷惑をかける人は好きじゃない。岡本太郎って、もっと型破りな非常識な人というイメージがあったが、この本を読む限りでは、ものすごい常識人のように思える。

実は岡本太郎よりも興味があるのは彼のお母さんの方。岡本かの子の生涯だ。なぜかこの漫画(下のリンク参照)をずいぶん前に読んだのだが、かの子さん、強烈な個性で、ホントすごいなと思ってたのでした。自分が大好きでナルシスト。自分勝手で周りは振り回されまくり… ちなみにこの漫画、岡本かの子以外も、めっちゃ面白い。夏目漱石とか、太宰とか…もうグチャグチャの人生だ。やっぱり素晴らしい才能がある人というのは,その分、大切な何かを喪っているのか。つくづく自分は凡人で良かった、と思う、そんなすごい人たちばかり。文豪と呼ばれているが、みんなちょっと常識がなさすぎじゃないか?

太郎さんの生涯が実際どんなものだったのかは詳しくしらないが、とにかくこれはパワフルな本だ。20代のころとかに読んでいたらめちゃめちゃ影響されただろう。でも50近いおばちゃんにとっては、あまり「うわー、すごーい!」みたいな事も特になかったのも事実。

唯一、はい、そうですか、と頭をうなだれたのは、恋愛の部分の話かな。太郎さんも一番近い人を養女にしたとはいえ独身をつらぬいたんだよね。その気持ち分かるような気がする。もちろん家庭がある人でもクリエイティブな人は多いけど…でもやっぱり私は独身の人の方が仕事の結果が研ぎすまされていると思う。

…って偏見かなぁ? 偏見だろうが、なんだろうが、自分がそう思うんだから仕方ないよ。自分がそう思うので、自分も独身でいる。でもそうね…「相手の中から引き出す自分が“愛”だ」なんて言われてしまうと、まぁ、結婚とまで行かなくても、恋愛ねぇ…と遠い目をしてしまう。

自分が幼くてもいいから、幼いなりに相手にぶつかってみろ、と言う。うーん、なるほどねぇ。うふふ、まだまだ私もまだまだ、だな。でも恋愛するにしてもウチのミュージシャンが、みんな個性的で魅力的な人ばかりだから、普通の人にあんまり魅力感じないんだよね〜。この仕事の弊害か。

ま、いいや、がんばろ(何を?)