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2015年3月20日金曜日

映画「博士と彼女のセオリー」を見ました。いやーー良かった!!


いやー、良かった、良かった。これは良かった。スティーブン・ホーキング博士の実話が元になっている「博士と彼女のセオリー」

ケンブリッジは私の中で一番思い入れのある街だ。初めていった外国はケンブリッジだった。ロンドンも嫌いだったしパリも嫌いだった。ケンブリッジが一番好きだった。あの頃は真剣にイギリスに移住したいとも考えていた。今なら、どこに住むかは関係ない。何をやるかが重要だって思えるけど…あの頃は若かったから、ケンブリッジに住みさえすれば、すべてが上手く行くんじゃないか、と思ってた。

実は最初の海外旅行は私が10代のうちに外国見ておいた方が良かろうと父がブッキングした今なら痺れるような東ヨーロッパのディープ・スタディ・ツアーだった。(父は学校の歴史の先生である)友達に、夏休みは海外に行くことが決まったと自慢していたら、そのあまりにディープなツアーは参加者の数がツアー最小催行人数にみたず、あえなくキャンセルに。「もう友達に自慢しちゃった、どうしてくれるんだ」と親に文句を言ったら、親は「じゃあ、このツアーに1人で行きなさい」ととある学生ツアーに申し込んでくれた。

それは「ケンブリッジで語学研修3週間とパリ」みたいな内容で、それに参加したことが私の性格のすべてを変えてしまった。19歳の夏。英語を一言もしゃべれなかった私が猛勉強をするようになる(英語だけ)。

私の人生を変えてくれた場所だからケンブリッジには大変な思い入れがあるのだ。だからケンブリッジ在住のブー・ヒュワディーンと仕事をするようになった時、私はとっても嬉しかった。その後ブーは離婚してケンブリッジの街を離れたけど。

当時流行ったホーキング博士のこの本はもちろん飛びついて手にいれた。なんたってケンブリッジだもの! 「ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time)」 で、もちろん買っただけで読まずに終わった。でもケンブリッジ大学の車いすの博士、というだけで私を魅了するには充分だった。

そのホーキング博士と奥さんのジェーンの物語。ケンブリッジの映画。ケンブリッジだったら、どんな路地が出て来ても私は覚えている。で、結果、ケンブリッジ・ロケは思ったより少なかった。速攻でわかるのはロマンチックな花火のシーンで出てくるセント・ジョンズ・カレッジの橋。でもキングス・カレッジの裏庭なんかは、なんだかCGみたいに見えたよ。奥さんがコーラスを習いに行くあの教会もケンブリッジではないように思える。あのホーキングが抱かれてたビクトリア女王の像はケンブリッジに本当にあるものなんだろうか。私は見ていない。

と、まぁ、そんなことはどうでもいい。この映画/物語が圧倒的に良かったから。まず主演の二人の演技がホントに圧巻。ホーキング役のエディ・レッドメイン。もうすごい。彼はホントに博士にしか見えないよ。彼もどうやらバイオグラフィーを読むとハーロー校→ケンブリッジの超インテリだ。そうなんだよね、イギリスでは俳優もコメディアンもみんなものすごい学校出てる。

そして、もちろんジェーン役のフェリシティ・ジョーンズも最高に素晴らしい。この映画はジェーン・ホーキングが書いた自伝がベースになっているという。実際のジェーンは、自分でも博士号をもつやはり凄いインテリだ。そして、この映画は… 本当に自分の生き方に自信のある、しっかりした、ちゃんとした人の話だね。博士も彼女も、もちろん聖人君主ではない。弱い部分もある。でもそれを認めたうえで、お互いを敬い生きている。自分に誠実に、そして相手に誠実に生きている。そこがほんとに美しいと思う。

そして、なんといってもユーモアのセンス。これが本当に素晴らしいし、めちゃくちゃ冴えている。確かに病気はとても辛いけど…特に声を失ったところは…本当に言葉もなかった。でもホントに彼らは素晴らしい。そうやって、観る人に勇気を与える映画だ、これは。あと良かったのが、ホーキングをなにかと励ます教授役の彼。ちょっと薄いリーアム・ニーソンみたいだったよ。そして友人のブライ役の人。みんなユーモアたっぷりで、ホントにイギリスのインテリって、いいよなぁ!!と感動しきり。

ある意味、素晴らしすぎて詰まらないという人もいるかもしれない。あれこれ言う人は言うだろう。実際、映画の中でも外野の連中はいらん詮索をしたり、結構うっとおしい。なぜもっとストレートに応援して上げられないのか、と思う。(でもジェーンのお母さんは良かったよね。アドバイスも良かったし。でもエミリー・ワトソンって分からなかったよ!!)

でも彼らは自分の生きてきた道にまったく後悔はない。これは自分の生き方に誇りを持っている人の素晴らしい物語だ。そして男女の素晴らしい友情の話だ。お互いに尊敬しあい、真のパートナーとして二人は存在する。彼女はこの映画が出来て、さぞ誇らしく思っていることだろう。この映画は彼女の誇りだ。それに尽きる。

きちんと生きている自信がある人は、どんなに辛くてもその人生を誇っていい。ホントにそういうのが素晴らしいよね。人間的というか。早く私たちはサルであることをやめて、人間にならないといけない。

ホーキング博士と彼女が生きているこの時代に、自分も生きているという事になんだか感動してしまう。原作も読んでみようかなぁ…



こっちのトレイラーの方もいい。






PS
ちょっとググったら、ケンブリッジにあのヴィクトリアの銅像はやはり実在しないようだ。でもあれは友情とユーモア溢れるすごく良いシーンだったと思う。