青木理『日本会議の正体』を読みました。震撼!

以前読んだ『日本会議の研究』に続き、日本会議本の2冊め。怖いと思いながらも怖いもの見たさでまた読んでしまった。

いや〜、怖い。こっちのほうが冷静に書いているせいか、さらに怖い。日本会議そのものについては、前の『日本会議の研究』の感想にも書いたから、それは省略するとして…

右翼で保守派だったと告白している菅野さんが多少感情的に書いている本が『日本会議の研究』なのに対し、こっちはれっきとしたジャーナリストの人がジャーナリスト生命をかけてきちんと冷静に報告しているという大きな違いがある。なるべく偏見なく公平に報告しようという姿勢がしっかりと貫かれている。

だから読んでて楽しいのは、実は菅野さんの方だったな…。でも恐ろしさは青木さんの本の方がジワジワとくる。そんな感じ。各人の発言を丁寧に一問一答式にまとめていることなども含め、資料的価値としても、こちらの方が圧倒的に優れていると思う。

それにしても、菅野本もそうだったけど、これを読むとリベラルと言われている側に何が足りないのかもおのずと見えてくる。つらい。つらすぎる…

そんな中、彼らは着実にコマを進めているのだ。根気よく、粘り強く、多少の相違はあれど大きな目的を達成するために。

彼らは実は見た目ほど固く一致団結しているというわけではないし、彼らに特段に世の中を動かす優れた能力があるということもない。青木さんの言うとおり上からのパワー、そして下からのパワー、そして時代の流れ、多くの一般の人の考えていること、そして今の首相の存在。そのすべてが今、上手く噛み合って、恐ろしい一団を助長させているにすぎない。つまりは、わたしたちにもその責任の一端はある。

建国記念日の設定、元号のマスト化、消えた外国人参政権、フェイドアウトした女系天皇説、そして… とっても不気味な彼らの万歳三唱。某大手芸能事務所もまきこみ、郵便局でカレーを売り、彼らは着実にわたしたちの生活にジワジワと確実な方法で浸食してきている。そして彼らはおそらく悲願の「憲法改正」まで漕ぎつけるに違いないのだ。これを読むと他の自民党員がかわいく見えてくる。

神社に行くのも怖くなっちゃったな… あなたの行きつけの神社も署名運動とかしてないか、よく観察してから行くのが良いかと思う。日本の10%の神社は、そういうことらしい。