「バンドにエイド」アーティスト紹介:アヌーナ

今日は順番を入れ替えて「バンドにエイド」のCDの曲順ではなく、こちらのトラックを先にご紹介します。今日は8月15日、北アイルランド・オマーのテロから22年目なんですよね。

今回収録したアヌーナの「Pie Jesu」はそのオマーの犠牲者に捧げられた歌です。死者の数は29名。31名と書かれた記録もありますが、それは双子の胎児がお腹にいたお母さんも含まれていたからなのだそうです。また犠牲者にはスペインからの旅行者もいたりして、本当に悲惨な事件でした。しかしウィルスに対応したり、地球の環境破壊をやめていろんなことを改善したり、人類はやらなくてはいけないことがたくさんあるのだから、無差別テロなんてやっている時間は本当は誰にもないはずだったんです。でも悲劇は起こった。

それにしても美しいコーラスで、鎮魂歌と言う意味ではどんな国の人の心にも響くんじゃないでしょうか。日本は日本で今日は終戦記念日。いろんなことで、自分の意志とはまったく関係なく死ななければならなかったすべての人に、この曲をささげたいと思います。

アヌーナは日本には定期的に来日していて、私も一緒に地方公演などをお手伝いしたこともあるので、基本プランクトンさんのアーティストですが、ずうずうしくも、すごく気持ちが近いところにあります。日本には、アヌーナのコピーバンド「あのな」もあり、コンサートもしているようなので、ぜひチェックしていただけたらと思います。情報はTwitterが一番良い情報源かな。ぜひフォローを。

そんなわけでいわゆる「ウチのアーティスト」ではないので、あまりプライベートな写真をアップするのはやめておきますが、これだけは載せちゃおう。これはマイケルのご自宅にお邪魔した時に長女のアシュリンに書いてもらった紙皿(笑)



I am relly exited becase yoko is coming home…と書いてくれたのは、長女アシュリンちゃん。そうかー ネイティブでも子供ってこういう綴りの間違い方するのね(って、意地悪ですよね、ごめんね)。可愛いわぁ〜。

これお宅に随分前に一度だけお宅にお邪魔した時、お台所の壁に可愛い文字で「パパが家に帰ってきてうれしい」「ママが家に帰ってきてうれしい」書かれたちょっとしたイラストが飾ってあったので、「いいなぁ、これおばちゃんにも書いてよ」といったら、アシュリンが鉛筆を持ってきて、紙皿に書いてくれたのでした。今、この紙ざらは大事にウチの台所に飾ってある。

懐かしいなぁ。そのアシュリンも先日日本のテレビに出演するために来日したようで、私は具合が悪くて全然会えなかったのだけど、大きくなって立派なお嬢さんになっていて、すごく嬉しかった。確か出た番組の名前は「のど自慢・ザ・ワールド」。映像がいつかYou Tubeにあがっていたと記憶しているけど、見つけられなかった。公式アップロードではなかったのかしら。

こちらはお嬢さんのアシュリンとローレンによる「クンラ」という子供の数え歌みたいなやつ。すごく良いビデオ。


そしてアヌーナといえば、こちら。光田泰典さん。これはアヌーナの歌による作曲家の光田泰典さんの作品。かっっこいいいーーーーーーー!!!!


こっちはゼノギアスのコンサートの時のもの。ジョアンヌ・ホッグも参加して楽しかったなー。しかしこの曲をレコーディングした20年前に、こんなことが20年後に起ころうとは誰が想像したか。音楽の力だよね。すごいよ… みっちゃんの書いたメロデイが美しい…


それにしても、アヌーナって不思議なバンドだ。私は最初、彼らは単なるケルトのニューエイジ音楽だと思ってた。耳障りのよいアレンジ、リバーダンスへの参加… でも知れば知るほど彼らは宇宙みたいな世界観を表現する、すごいグループだということがわかってきた。

アヌーナの最初の来日は確か六本木ヒルズのアリーナのクリスマスコンサートじゃなかったけ。もう記憶がないのだが、私は結局彼らの六本木でのステージは見ていない。もう理由はまったく覚えてないのだが、用事がなければ、行ってただろうから何か別の仕事だったのだろう。で、確かカトリオーナ&クリスも一緒に来日してて、カトクリのステージのあとアイリッシュパブで飲んだ記憶があるのだけど、マイケルには会うことがなかった。でもその後二回目の来日だった… 当時私は文化放送のインターネットラジオでワールドミュージックの番組を持っていて、その取材だかでマイケルに会うことができた。で、思った。面白い人だなぁ、と。

曲ができていく過程や、バンドの運営など… すごく興味深かった。そう、アヌーナは「バンド」なんだよね。そしてとてもとても「アイリッシュ」。私はすっかりファンになってしまった。

そしてたくさんのメンバーに会ったのはどっかの地方のホールに、プランクトンさんのスタッフが足りなくて助っ人でワークショップのお手伝いに行った時だった。いや、マイケルにあったのも、そっちが先だったか。もう本当に記憶がない。あれも楽しかった。ワークショップでは、マイケルの言うことやお客さんの質問を訳しながら、彼らの素晴らしさに感動していた。すごい、このグループは面白い。そして指揮者がいないステージ。お客さんにお尻を向ける指揮者がいないことでダイレクトにお客さんとシンガーたちがつながる。これがアヌーナ・メソッドか。私はすっかり感心してしまった。

さて、今回の「バンドにエイド」のための選曲だが、選曲の理由はこれをコーディネイトしてくれたプランクトンのK松君が「Pie Jesuどうですか?」と最初に言ってきたからだ。かーーーっっ、ニクいな。知っとるな、K松っっ。私がこの曲、大好きなのを!! ってなわけで、夢がかなったよ。大好きなアヌーナの曲しかも「Pie Jesu」を収録できるなんて! ありがとう、マイケル、ありがとう、K松くん! この曲を預かるなんて、本当に責任重大。「バンドにエイド」プロジェクト、ますます頑張らねばと思ったのだった。

最初にも書いたけど、この曲は北アイルランドのオマーの爆撃で亡くなった犠牲者のために書かれた曲だ。今回のコロナで亡くなったご家族、知人がいる、という方もここを見ている人の中にいるかもしれない。静かに静かに先に逝ってしまった人たちのご冥福と、残された人たちの心の平和をお祈りいたします。

今日はここんところ毎週連載しているプランクトンさんのCDフェアのおすすめの1枚のシリーズでもアヌーナを紹介しているので、ぜひそちらもあわせて読んでくださいねー。