最近、パープルのアナログ盤で発売になりました。プレイヤー持ってないんだけど、買っちゃったよ。御大はともかく、アンディ、若い頃、素敵よねぇ… うっとり。
このアルバムに収められているポールの18番「Arthur McBride」についての話題。本当にすごいよね、このギター。そしてこの歌。
ポールの過去のインタビューより。
ポールと「Arthur McBride」との出会い。1973年、ジョンストンズの解散でポールはアメリカの友人宅に居候中。とにかく超貧乏で、アイルランドにいる奥さんに送るラブレターの切手代にも苦労したのだそうです。
「彼女に書く手紙が3ページまでだったら21セント、4ページだと42セントになっちゃうっていうのをはっきり覚えてる。つまりそのくらいお金が大変だったということだ」
「居候させてくれていた友人の家にはレコードがたくさんあり、また本もたくさんあった。彼の本棚で、Carrie Groverという人の書いた「A Heritage of the songs」という本を見つけた。140曲あまりの素晴らしい歌たちが収録されていた」
とはいえ「Arthur McBride」は、ポールにとっては1969年のマーティン・カーシーの録音で既に知った曲だったそうです。
一方アンディも同じ頃、この曲をプランクシティで歌っていたとはポールは知らず(その時はまだ録音が発表になっていなかった)、ポールはこの曲と本の中で再会し、これをやってみようとアレンジに取り掛かります。
(アンディのArhturについては、こちらを参照ください。こちらもいいんですよ、アンディらしくって)
ポールは、オープンチューニングを駆使し、Open Gで演奏することに実験的に取り組んでみたそうです。曲の少し構成を変えて、リズム的な効果を狙って歌詞もちょっと変更した。例えばLittle wee drummerのweeはポールが入れた言葉だそうで…
こういった歌詞の詳細を見るとボブ・ディランのヴァージョンはポールのヴァージョンだということが明確になります。「Folk Policeは言いたいことが2、3あるだろうがね」とポール(笑)。着物警察みたいなものが、フォークの世界にもいるらしい。
そしたら、このポールがアメリカの本で見つけたCarrie Groverさんのヴァージョンがこちらに記事とともに音源があがったんです。こちらは最近の記事。
うわーーこのArthur McBride感動!!!:ROOTS IN THE ARCHIVE: Two Irish American Women Who Carried Songs Across Time https://t.co/9WQEFfhTpi
— 野崎洋子 (@mplantyoko) March 19, 2022
伝統歌というものは、歌いつがれてナンボ。本当に歌のもつ不思議な出会いに驚くばかりです。
それにしても詳細な解説もついて、すごいよ、このアナログ盤。
きゃー💜 pic.twitter.com/PzGWYu6nNQ
— 野崎洋子 (@mplantyoko) March 12, 2022
さて、こちらはウクライナ…ではなくダブリンカラーの皆さんたち。メアリーだけいわゆる「街の歌手」で他の伝統音楽の皆さんと音楽の性格が違うけど、みなさん元気で誇らしげ。長年の活動が認められた、とてもいい写真!
ポールも入っていたのだけど、どうやらコロナの隔離で参加できず。残念。
話がそれた。さて、このパープル盤は、今、日本のアマゾンにも在庫がちょっとあるみたい。ぜひ!ウクライナ…ではなくてダブリンカラーの御大たち。University College Dublinの名誉博士号だそうです。L to R Mary Bergin, Mary O’Hara, Andy Irvine, Mary Black, Paddy Glackin, Finbar Furey and Triona Ní Dhomhnaill. ポール御大も参加の予定が隔離でNGに。ポール早くよくなってね。 pic.twitter.com/po6MhDW5wz
— 野崎洋子 (@mplantyoko) March 19, 2022