アンディ・アーヴァイン ポール・ブレイディ 2

からの続きです。


アンディの「アーサー〜」が聞ける
プランクシティの通称「ブラック・アルバム」
M(DJ)「でも結局二人はプランクシティで一緒に演奏することになったのよね?」

P(ポール)「ジョンストンズはアメリカで難しい時期を迎えていた」

M「当時はよくあったわよね。アメリカで成功しようとして…結局は自分たちの方が潰れてしまう、って…」

P「ちょうどオイルショックの時期で、レコード会社はレコードを作るよりも今いるアーティストの契約解除にやっきになってた。すごく悪い時期だった。そこへ…ある日リアム・オフリンから手紙が来たんだ。クリスティがあと数ヶ月でバンドを辞める。プランクシティに入らないか、って」「帰るお金もなかったからロングアイランドのギタースクールで教えたりしてお金を作ってアイルランドに戻ったのだ」

A(アンディ)「当時プランクシティも沈みかけてたから、ポールから良い返事をもらってバンド全体も浮かれたよ。最初のミーティングはバンクラナだったっけ? 僕らが演奏しているところにやってきてくれて、アーサー・マクブライドを歌ってくれたんだ。それで僕らは全員すっとんでしまった」

M「それが最初にあの曲をポールがやっているのを聞いた時?」

P「僕はジョンストンズではバックアップが多かったからね。ソロではなかったし…。しかしずうずうしいよなぁ。コンサート終わりにやってきて、当時「アーサー〜」はアンディも歌っていたわけだから。どういう神経だったんだろう!(笑)」

A「大丈夫,気は使ってくれてたよ」

P「でもちょうどあの曲をアンディがレコーディングした後で… でも僕のヴァージョンはまったく違うソロギターのアレンジだった。当時すでに僕のパーティレパートリーだったから、歌わないわけにはいかなかったのさ」

A「ちゃんと歌う前に謝ってくれてたよ」

P「あ、そうだった? ならいいけど…」

A「そうだよ、ちゃっと言ってたよ」

M「アンディ、あなたは自分のヴァージョンとポールのヴァージョンとどっちが好き?」

A「2つのヴァージョンを比べたことはないよ。僕もまだあの曲を歌っているし、今でも歌っている」


ここでアンディの「アーサー〜」を紹介しましょう。ポールのヴァージョンを知っている人は多いだろうけど、こっちはあまり知られていないかも? プランクシティのアルバムに入っているんだよね。いいでしょ、これ。ヒッピーっぽい感じがするよね。I had a first cousin called Arthur McBride,  he and I took a stroll down by the sea side….らでぃらでぃらいららら〜 アンディの明るいヴォーカルにあっている。「僕には直系の従兄弟アーサー・マクブライドという奴がいて、僕と彼は海辺へ散歩に出掛けた」



ポールの方はもっと自分の気持ちを押さえて、物語自体を伝えようとしている感じ。Oh me and me cousin one Arthur McBride,  we we went a walking down by the seaside…子だくさん、親戚たくさんのアイルランドでは同じ名前の従兄弟も多かったんだと思います。またmy cousinではなくme cousinっていうふうに言うのがワーキングクラスっぽくって良い。
「僕と僕の従兄弟のアーサー・マクブライドは、海辺へ散歩へ出掛けた」

お話の内容をショートフィルムにしたものもあります。英国軍の軍曹がフランスと戦うためにアイルランドに兵士をリクルートにやってきた。



ポール・ブレイディはご存知のとおり来日します
10月10日(土)、11日(日) 東京、13日(火)が京都。詳細はここ

新譜「The Vicar Street Sessions Vol.1」はこちらで先行発売。一般には9/20発売予定。



PS
…しかしポールのネタは、ホントにいっくらでもあるなぁ。ポールがポールのヴァージョンの「アーサー〜」をどうやって発見したかは、またいずれ紹介していきます。