林田直樹さんのトークイベント行ってきた〜

 『そこにはいつも、音楽と言葉があった』刊行記念ということで、林田さんがトークイベントを行いました。ほぼ満員の会場は、寒い銀座の夜でしたが、とってもあったかな空気で包まれていました。林田さん、熱心なファンが多いなぁ…

テーマは<人生を変えた10曲>。その10曲が書かれたレジメもいただいたんだけど、これは実際に参加されたメンバーのみの内緒にしておきましょう(笑)

でもいわゆるベートヴェインとかは入っていない、林田さんの言葉を借りれば、この書店でやるという今日の気分にあわせた選曲ということになったそうです。

いやー 教文館のナルニア館。行ったことある方ならご存知だと思いますが、本当に素敵な本屋さんなんですよ。子供向けなんだけど、いや、やばいです。大人にとっても素晴らしすぎるので、また帰りがけに買ってしまった。2冊も。もう今月、本は買わないと誓ったのに!

以前行ったのは、確か岸野さんの展示だったかな…その時のレポートはこちら

今夜は林田さんのトークと選曲された音楽で、司会をやられたお店の方も言ってらしたけど、素敵な本たちに囲まれて、まるで本と一緒に音楽を聞いているような素敵な時間でした。

ちょっとだけかかった曲をバラしちゃいますと、私が特に好きだったのは、こちらの方。なんとアイスランドの人なんだって。ヴィキンクル・オラフソン。本当に静かな、いわゆるシャイニーじゃないピアノのあったかい音。

そしたら、なんとアップライトで、ピアノの内側にマイクセットして、録音したんだって。だから録音にはピアノのハンマーや構造上の音も入ってくる。そこがいい。

で、すごい、このドビュッシー。帰宅してSpotifyで調べたら、1,800万再生超えてる。そして家に帰ってあれこれ彼のこと調べたら、アルバムにはあのポーランドのハニャ・ラニ嬢も参加しているではないですか! これは要チェック。CDはユニヴァーサルから出ているそうです。

いや〜、いいよなぁ、こういうの〜
        

他にも林田さんの本にも登場した武満徹さん。ドラマの曲からの登場です。これが、なんかすごくいい曲なんだよね。

林田さんの新刊でも本当に印象的な武満さんですが、林田さんいわく「武満さんは、大衆性を蔑視しなかった」と。そして映画が大好きで「200本ご覧になっているんですよね」と話を向けたら「いや、300本だ」と速攻否定されたそう(笑)

そして、武満さんは、本当に人の話を良く聞く人だった、人のことを見てくれている人だったいうお話も。いいですねぇ…


他にはスウェーデンのイョラン・セルシェルの11弦ギターのバロック曲もかなり私好み。フランスのバロックの曲なのに、なんだか現在のポップスみたいに聞こえるでしょ?と林田さん。

ほんとだ、とってもキャッチー。聞きやすい。


フォルテピアノの話もおもしろかった含めて、先日聞いたポッドキャストでも、似たような話している人いたなぁ…というのをちょっと思い出した。

なんか第一次世界大戦以降のすべての価値観が、今、もしかしたらごそっと吹っ飛び、あれはなかったこととして、また元の形へ戻ろうとしているのかもしれない、と。

となると、音楽はもしかしたら民族音楽(手前味噌・笑)の方向に戻っていくのかも?? 

あとこちらの方の来日も注目!ということです。4月11日、五反田。アレクセイ・リュビモフさん来日。詳細はプロモーターさんのページへ。


というわけで、林田さんの本、おすすめです。

先日書いた本の感想ブログではビック・ネームのことばかり書いちゃいましたが、学校の先生との心あたたまるエピソードとか、「初めての取材」とか、そういう素朴なエピソードもたくさん載っていて、そこがとにかくグッとくる本ですから!

あぁ、そうだ、今日の音楽の説明でも「音が消えていくのを聞く」ってのもあったなぁ。音楽はメロディがあるだけじゃない。いいよなぁ、そういうの。

とにかくこの本もそうだけど、林田さんの音楽を説明する言葉がすごくよくって、外はすごく寒いけど、あったまった珠玉の105分(くらい)でした。みんなでこうして音楽を聴くのって、いいよね。なんだろう。コンサートもそうだけど、一体感がある。

林田さん、そしてこのトークイベントを企画してくださったナルニア国さん、音楽之友社さん、本当にありがとうございました。


PS
そしてこちらは公式レポート!! 10曲もきちんと紹介されていますよ。ぜひ!