映画『入国審査 Upon Entry』これはめっちゃくちゃ面白い


いやーーー 面白かった。圧巻の70分。すごく面白い。こういうの大好き。サイコサスペンス的な、なんというか、いやーーな映画(笑)

褒めてます。褒めてますよー。いやーーーーーーーな映画!

ほんとこういうの最高。低予算。そうなんだよね、低予算なのがいいのよ。俳優さんは有名な人じゃないらしいんだけど、めちゃくちゃ名演技。

はっきり言って、良い映画に俳優の知名度関係ない。良い脚本の方が重要。いい映画というのは良い脚本のことだ。そしてテンポ。

いや、ほんと最高。

この映画のトレイラーを見て、外国によく行く友達はみんな震えあがった。誰もが記憶にある、そして下手すりゃ経験もある、あの入国審査の嫌な感じ。

まぁ、そうよね。入管って、法務省管轄だから警察に尋問されているのと一緒だものね。

私は、しょっちゅう海外に行くけど、滞在が短いせいか、入国で嫌な思いをしたことはほとんどない。でも目の前の人が別室に連れて行かれたのを何度も見たことがあるし、友達のトラブルもたくさん聞いている。

(だいたいはトラブルというか、結果武勇伝になっているのだが)

確かに前回のアメリカ@シアトルは最低だった。詳しくはこちらへ。でも長い海外渡航歴の割には、こんなことは経験したこともなかったし、大抵の場合は何も聞かれずスムーズに通ることが多いのだ。

私ったら、ほんとうに得してる。だってこんな小さなおばちゃん、悪いことしそうにないじゃない?

そんな私から言わせれば、このカップルの男の方。まったくもってワキが甘すぎる。

最初からこの男、パスポード持ってきたっけとか言ってタクシー止めたり、移民するって大事な渡航の時にしては、準備が甘すぎるだろ。まったくもって繰り返すが、ワキが甘すぎることこのうえない。

しかし見ているこっちとしては、もうドキドキ。映画の筋は告知されていたので、これからくる怖い困難を想像しつつ、いちいち、おいっっ、それ大丈夫なの?とツッコミをいれたくなってしまう。

そもそもトランジット中にアメリカに住む兄弟に会おうとしたりとか、そういうふざけた考えはやめた方がいい。移民するという重要局面で、あれこれ余計なことはしなくていい。兄弟に会いたいなら、ゆっくり落ち着いてから会いにいけばいいじゃないか。

それにポイント、ポイントで、いろんな手配が危ういこともこの上ない。

私がおやっと思ったのは、ペンを借りて(ペンすら持ってないのも、ワキが甘すぎる)、どこの誰の者だか分からない、そんな人に借りたペンを持って入国審査に臨むのも、そもそも甘い。

そのペンにやばい薬や爆弾でも仕掛けられていたら、どうするんだろうか? そこに最初は伏線回収があるのかなとも思った。(←  最初から臨戦体制でこの映画を見ていた私・笑)

なんというか、入国審査。あれこれやっているうちに、いろいろバレるのだ。いろんなことが。

だから「この映画、話題になってるけど、怖くて見れないよ」と言ってる友人の皆さん。大丈夫。普段からちゃんとしている人であれば、全然大丈夫だから。

…とそんな感想をいだく私は「警察に何か聞かれても大丈夫、監視カメラがあっても大丈夫、なにせ私にはやましいことは何もないのだから」とふてぶてしく生きている一市民にすぎない。

(でも、日本警察・検察のもとじゃ、それも危ういけどね)

この映画も、また「入国審査」には深刻に真面目にのぞみましょう、ということを再度確認しているにすぎない。

やっぱり引っかかる人は引っかかるべくして引っかかっている。(とか書くと、強者の論理とか批判されるだろうけど)

そして最後はあっさり、ストンと終わる。この終わり方!!! この感じ。いやーーー やられたーーー! そうね、すべてはエンタテイメントだったのよね。

とはいえ、これからアメリカに行く人は、本当にリスクかもしれないから、あまりエンタテイメントとか言ってふざけてはいけない。

入国審査には真剣にのぞみましょう。ペンくらいは持っていましょう。他人からの預かりものを持って入国してはいけない。なんでも重要書類はプリントアウトしていきましょう、等々。外国に入国の際の注意事項は、何度でも確認した方がいい。



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