ペリマンニの美学? 無敵の伝統力

さーて、あと2つ寝たらアルトたちが来る!と思ったら……違った。今夜があるので3つだ。今夜寝て、土曜日寝て、日曜日に寝たら、月曜日の朝、3人を成田にお出迎えだ。あぁ〜いかん、とっても楽しみ。またもやシーンとして地味で地味なツアーになるに違いない。うるさい東京で超静かな私たち。楽しみだわぁ(笑)

さて今日は前回の来日時の話をちょこっと。ペリマンニのアルトさんは、なんというか遠慮しているのか何なのか自分の要望をはっきりと言ってくれない。ティッモもそうだ。ティッモは明らかに食事の制限があるはずなのに「何か食べれないものある?」ときくと「寿司を食べるからいい」という返事が来る……って、あのね。毎日寿司屋行くわけじゃないし、どのレストランにも寿司がわるわけじゃないの。はっきり言ってくれた方が助かるのだけど。何度かメールしたのだけど拉致があかないので、まぁ、いいや。とにかく初日のランチは寿司に行き、夜は居酒屋に行って、また食べられないものをチェックするしかない。とほほ〜っ。

昨年5月のツアーのとき、ノルディック・トゥリーは武蔵野文化会館の小ホールでNO PAのコンサートを行った。そしてそこで本当に世界で一番素敵な音楽を演奏してくれた。この小ホールでの公演って難しいんですよ。なにせNO PAだから音のバランスが難しい。バランスを取るため、いろいろ考えないといけない。そんなわけでヴェーセンやハウゴー&ホイロップなど、いわゆるコード弾きのギターがいるグループは、ギターにアンプを入れるというのが通常なのです。

で、ウチでよく使っているこのギターアンプ。実はヴェーセンがNO PAのライブをたくさんやることから、いちいちレンタルするのは面倒だから安いのを買っちゃおうよということになり、ローゲルに選んでもらったのが、そもそもの始まり。ギターアンプというよりは,実体はモニタースピーカーで、普通は2コセットで売っているのだけど、うまく1つだけ手にいれられたのだ。しかもローゲルの希望が古いモデルだったから新品では手にはいらず、オークションサイトでやっと見つけて15,000円で購入したら、案の定故障しているらしくヤマハのガレージに入って出てきた(修理代2万円くらい)。そして今は超元気というシロモノなのだ。

どうやらアコースティックギグのときの補助に使うアンプは大きければ良いということではないらしく、このくらいコンパクトでコントロールしやすいタイプが良いらしい。(ローゲル説)

ノルディック・トゥリーも、昨年5月おかげ様でこの武蔵野の小ホールで公演とあいなった。というか、ここでの公演が決まったから来日が実現したというのが流れであるが。で、アルトがノルディック・トゥリーの公演でオクターブ・マンドリンを弾くことは知ってたけど、実はマンドリンって音がギターよりもでかいんですよ。その前に同じホールでマンドリンを弾いていたデニスがまったくギターアンプを使わなかったものだから(もっともデニスはギターの時も使わない。つまびくタイプの奏法だからだろうけど)、アルトのマンドリンにアンプは必要ないと私は思っていた。だいたいアルトからは何も指示がないし。

ところがこの本番の日、前座がヨハンナとギターのローペだったことを覚えていますか? だからローペのためにウチのアンプを会場に持っていってたんだよね。

サウンドチェック……というかPAがないから単なるリハだけど、リハの時、アルト巨匠、アンプにおもむろに近寄り、オクターブ・マンドリンをプラグイン。えっ、使うの?

もちろん巨匠に比べたらローペなんてペーペーですからね、巨匠にさっと場所をあけて、貸してあげてましたよ、モニタースピーカー。ローペ可哀想に各つまみの自分用のセッティングをiPhoneで撮影したりしてる。私は二人の様子を横目で見ながら,何も口出しせず、心の中で「巨匠、なんてマイペースなのっ!」と爆笑していたのでした。ごめんね、ローペ。もちろん口に出しては言いませんでしたよ。巨匠もまったく悪気もなく、いつもどおりニコニコしているし。

まぁ、アンプが無きゃー無いで、何事もなかったようにコンサートをするのだろうから、大きな事じゃないんでしょうけど。最初から言ってくれれば,2台用意することだって可能だったかもしれないのになぁ。

それにしてもアルトのマイペースぶりは最高だ。だいたい去年、アルト巨匠は成田に到着するなり「今日はホールは開いているかなー、練習したいんだけどなー」とか言ってたんだよなぁ。あのね、巨匠、東京のホールは忙しいんです。カウスティネンとは違うんですよ。毎日誰かが使っているの。そして私は心の中で思った。巨匠、世界中を旅しているはずなのに、なんてマイペース!! 通常、世界を旅すると、多少インターナショナルな考え方が身に付き、自国と同じように物事が運ばないのは誰でも学ぶところだと思うのだけど……。昔「老人力」という本が流行ったのだけど、巨匠のそれを私は「無敵の伝統力」と呼ぶのであった。いえ、褒めているんですよ。25年世界をツアーしたくらいでは、ゆるがない、無敵のマイペース力。それが、ペリマンニの底力なのであるのだから。

そしてハンス。ハンスはスウェーデン人なのだけど、本当にこれまた超がつくくらい天然なのだ。まったく無欲というか、なんというか。実はノルディック・トゥリーを呼ぶ前に「ハンスのサウンドチェックは長いから気をつけろ」とローゲルがアドバイスしてくれたっけなぁ。そう、長かった。ノルディック・トゥリーのサウンドチェック。長くてダラダラして要領を得ないサウンドチェックだった。25年ツアーしててもサウンドチェックの要領を得ない超天然記念物、それを伝統音楽家と人は呼ぶ。JPPのアンティ(ベース/フリッグのメンバーもある/現代人ペリマンニ)にその話をしたら「馬鹿だなぁ,ノルディック・トゥリーにサウンドチェックやらせるなんて」くらいの言われようをした。言ってくれるよ、アンティ!(笑)そんなこと知る訳ないよ。誰も教えてくれなかったよー(涙)。

それにしても、またあの超マイペースな3人を連れたツアーが始まるのかと思うと可笑しいやら、何やら。心の中でおそらく1000回くらい爆笑させてくれることでしょう。そしてノルディック・トゥリーのそのあとにはさらにヘヴィなペリマンニたち4名が追加される。2週間に渡るアメリカツアーでヴェーセンのミッケに「ハロー」と一言しか話さなかった、マウノ・ヤルヴェラもやってくる。うーん、濃い。我が音楽人生。あまりに濃いな。皆さんもぜひぜひ生ペリマンニを見にコンサートにいらしてください。建長寺公演、10/31。16:30より。おとり置き方法は下記参照。

あと3回寝れば、成田だ。早く会いたいので、今日はもう寝ようかな……というわけにはいかないのが辛いところ。11/3にとあるアーティストのホームページをアップします。同時に彼らの春の来日公演詳細も発表。お楽しみに! ツアー前にやること山積! それもいとたのし!!