おもしろかった! ただごめんちゃい、時差ぼけの身体にはちょっと眠みが… 半分くらいは寝ちゃったけど、イーノって、めっちゃおもしろい人だね。なんというか、すごい面白いこと言ってた。
こう言っちゃなんだけど、彼のような音楽家は、語れないと(理屈で自分の表現活動を補完しないと)リスナーと繋がることが難しいんじゃないかと余計なことを考えてしまう。
はっ… 私ったら、巨匠になんて失礼を!?
でも、そうだよね。イーノの名前は知ってても、イーノ大好き、イーノが一番好きみたいな人にはついぞ出会わない。そんなもんか。でも本当なんだもの。正直、私は彼の音楽はよくわからない。…あっ、言っちゃった。でもほんとにわからないんだもの。しょうがない。
でも本作は面白かったし、ほんの90分という長さで音楽ドキュメンタリーとしての正解の長さも良い。
とはいえ気持ちよく寝てしまった。いい感じで。気持ちよく。だって、椅子の座り心地も良いんだもの。
行く前にしっかり夕飯を食べてしまったので、サービスだというドリンクやポップコーンには手をつけなかった。公式サイトを見れば分かる通り、プレミアっぽい限定の上映で、しかもポップコーンなどついて4,500円という強気価格。
そういう設定が、この映画において正解なんだろうかと疑問に思ったのも事実。そして心地よい椅子で寝てしまい、時々目が覚めるとイーノが面白いことを話している、といった次第。
「Music for airports」とか、確かにあれなんて理屈がないと、よくわかんじゃないんじゃないのか? ただあの時代にあぁいうことをやることが、すごく重要というか。
U2の貴重なレコーディング映像など出てきて、へぇーと思ったり。確かにバンドのレコーディングとか見たことない人には、あのレコーディング・プロセスは面白いものなのかもしれない。
が、でもあの映像、You Tubeにも流れてるよね。そしてサウンドに特徴があるバンドのレコーディングとは何かわかっている人には、とりたてて予想外のレコーディング風景でもないだろう。
…はっ、すみません、巨匠のドキュメンタリーに!? 何言ってんだろ、わたし。
でも音楽業界で働いていると音楽のことよく知ってると思われそうだけど、全然なのだよ、私は。イーノとか言って、ちゃんと聞いたことがあるのは、エアポーツくらい。それもだいぶ後になってから。内容は全く覚えていない。(って言うか、そういう作品でしょ、あれ ← まだ言ってる。すみません)
私はプログレ・バンドのマネージャーやってたけど、プログレのことはケンソーとミスター・シリウスのことしか知らず。それと同じだ。でもマニアックなリスナーだって、ケンソーのマネージャーになれるわけではないんだから。それを私は名誉に思っているんだし、それはそれでいいの。だから音楽はわかりません、それでいいと思っている。
話がそれた。だから高尚な音楽はわからないというのが正直なところ。でもやっぱりすごいなぁ、と思ったのは、彼の語りがめちゃくちゃ面白いからに他ならない。
それにしても、なんか思うのは、こういう上映の方法で見せることを、イーノ自身が喜んだんだろうか? 配給会社は、あぁいう場所で映画を見るようなスノッブな客層が欲しかったんだろうか?
というより来ていたお客さんは割と真摯な音楽ファンだと見たのだけど、私を含むスクラッフィな姿の彼らは、あぁいう場所で、コンフォタブルに映画を楽しんだんだろうか? 高級なウイスキー飲みながら、夜景を見つめたりする人たちなんだろうか。
だったら音楽愛溢れるバラカン音楽映画祭で見る方がよっぽどいいよな、と思ったり。(ちなみにバラカン映画祭はクラファンやってます。ぜひご支援ください)
でもって、あぁいうところで見るんなら、マシュー・バーニーとかのアート系だろうよ、とちょっと思ったりもした。でも日本の富裕層、マシュー・バーニーのことこそ理解してないからなぁ(笑)
そしてどんなに値段設定が高くても確実に来てくれるのは、やっぱり音楽ファンなのかも…と思ったり。あれ、私たちってそういうのに利用されてる?(あっ、言っちゃった)
余計なことをたくさん書いた。すみません。でもちゃんとお金払って見たので、自分の感想をまっすぐ述べることを悪く思わないでください。
もう上映は今日くらいで終わりかな? 見に行った人、ぜひあなたの感想もお聞かせください。
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THE MUSIC PLANT、次の主催公演はこちらです。
Caoimhín Ó Raghallaigh クイヴィーン・オ・ライラwith 黒木千波留
2年前にレコーディングした無印良品BGM29 スコットランド編がやっと公開になりました。良かったら、聞いてください。プロデュースはLAUのエイダン・オルークにやってもらいました。現在無印良品の店頭で聞くことができます。