昨日はFacebookの映画のあともミーティングをこなし、夜9:00から今度閉館してしまう渋谷シネ・セゾンへ行きました。特別上映でラモーンズの「END OF THE CENTURY」畔柳ユキさんのTALK SHOW付き。
ユキさんの本「I love RAMONES」は読んでいたので、ラモーンズファンではなかった私ですが非常に興味をそそられ、出かけてきました。
いや、もうやっぱりというかバンド内のいろいろなゴタゴタが赤裸々に描かれ、ジョーイ・ラモーン(ヴォーカル)はなんとなく美化され(ジョーイの追悼だものね)、ジョニー(ギター)は完全なヒール役になってた。でも良かった、ユキさんの本を読んでいたから、なんとなく別のアングルからこのバンドを観るといろんなことが浮かび上がってくる。言いたいことは一杯あるけど、うまく言葉が見つからない。ユキさんにだってうまく説明できないだろう。とにかくそのままを受け止めてくれ、というTalk Showでユキさんはお話されていた。
でも私はなんとなくジョニーに感情移入しながら観てしまった。真剣にインタビュアーに答えるジョニーの目が本当に素晴らしい。実際言葉として現れていることよりも、あの真剣なまなざしがこのバンドを引っ張ってきたジョニーの素晴らしさを表していると思った。ザッカバーグの映画でもそうだけど、リーダーはいつもとても孤独だ。みんなを引っ張って行くために悪役をしなくてはいけない場面が何度もある。それでも何かの使命を与えられた人間はそれを絶対に実現しないといけないのだ。
ジョニーは途中言葉につまると、側にいた奥さんに「実際、端で観ていてどうだった?」と確認していた。そういう自分の意見や言い分なんかよりもラモーンズのことを正確に伝えたいというその気持ち。その気持ちなんだよね。加えてジョニーの、死んだ人に過剰に感情移入したりしないところとか,本当に素晴らしいと思った。きれいごとだけで生きてない、ちゃんと現実観ている人の言葉だよね。私はそういうのが好きだ。
うまく言えないけど、たとえばスクイーズで同じような映画を作るとしたら、完全にグレンは悪役として描かれるだろう。その方がスクイーズ全体の構図を見るのは分かりやすいから。ずいぶん前にグレンが何かのインタビューに答えて「I was a Hitler」と言っている映像を観たことがあるが、あの時は心が痛かった。それを言うグレンの表情は本当に悲しそうだったし……。グレンはスクイーズを誰よりも愛していたし、クリスのことも誰よりも思っていたと思う。(あ,過去のバンドになっちゃったw スクイーズは今、元気に復活しています)ブー・ヒュワディーンも今だにバイブルの解散のことが克服できていないらしく、その話になると涙目になっちゃうので、今までに100回くらい話す機会はあったのだけど、今だにその話を直接ブーからは聞いていない。
スクイーズの本を読んだときも「何もここまで公にしなくても」と思ったのだけど……いやジョニーがユキさんに言ったように「さらに多くの人に聞いてもらうために」……それはもう使命なのだ。音楽を持って生まれてきてしまった人間の。本当にミュージシャン自身よりも音楽は遥かに遥かに大きい。そうしてミュージシャン自身、周りの人たち、いろんな人の運命をも変えてしまう。ミュージシャン本人の心を傷つけてでも、音楽はつながって行く。
ラモーンズのことは知らない。ユキさんが知っている事の1%すら分かっていない私が、こんな事書いてすみません。でも本当に音楽ってすごいな、ミュージシャンって素晴らしいなと思った夜でした。感動をありがとう(って、安直なオチ?) 上映終了後、出口のところでユキさんとあった。感想をちゃんと言いたかったけど、言うと泣けてきそうだったので、また必ずご飯しましょうとだけ言いながら、さっさと次なる場所へ。
上映終わって深夜11:00すぎ。ここから電車にのり移動して、終電まで最後の打ち合わせ@恵比寿。4月からの新規事業の件です。アートディレクターよりロゴがあがってきたんだよ〜ということで、素晴らすぃ〜! こちらの仕事のパートナーは日系ブラジル人。ラモーンズの映画観たんだよ、と言ったら、南米ではピストルズよりもうんと評価が高いんだって。16の時に、ライヴを観た、って大興奮してました。うーーん、不思議なつながり。
おつかれさま、ユキさん。またパワーを下さい! もう一度、ユキさんの本を読み直してみようと思います。