本日、スウェーデン大使館で行われたトークショー「世界を魅了し続けるスウェーデンの音楽産業」へお邪魔してきました。
左から小室哲哉さん、ABBAミュージアムの館長、スウェーデン大使夫妻、話題のDIRTY LOOPS、Spotifyの野本晶日本代表。SKYPEにてSpotyそしてアバのBjorn UlvaeusがSKYPEで参加しました。
そしてなんと今年は、アバがユーロヴィジョンで優勝してから40周年なんだって。ブライトンで「Waterloo」を歌ったのが1974年。
ここでSpotifyの野本代表。なんとアバの曲を聴いているのは半分が34歳以下のユーザーなんだって。今だに若い人を魅了しているんですね。
そしてこちらが大使館による新しい観光情報サイト。
日本語のガイドさんもいるよ〜とのことでした。
Dirty Loopsのメンバーにインタビュー。日本は3回目だそうです。でもShowcaseではなくちゃんとした公演の来日は今回初めて。でも残念ながらもうすでにソールドアウトなんだって。日本に来て寿司を食べるのは楽しい。「ありがとうございます」と可愛く日本語で言ってました。ベースの子がリーダーっぽいね。ヴォーカルの子とドラムの子は天然っぽくって可愛かったです。彼らのニューアルバムは来週イギリスで、来月アメリカで発売。なんと日本が先行なんだって。理由は日本は前にも何度も来たし、レコード会社がよくやってくれているし、僕らにとっては自然なこと、と説明していました。アルバムはヴァラエティにとんだ内容で、AORって言っていいのかな、という野本さんの問いかけに、AORはスウェーデンにもあってシカゴとか、TOTOとかがそれにあたるんだけど、自分たちはそれほどとはおもっていない、とのこと。JAZZ、ポップ、フュージョンなどのミックス。
しかしBillboradで行われる公演はすでに1ケ月前にソールドアウトだそうですよ。すごいねー。
ここで小室哲也さん。Dirty Loops聞きましたが、凄くよく出来た作品で、今のスウェーデンという感じがする。自分ではハイブリッドミュージックと呼びたい。ミクスチャーっぽい。いろいろなジャンルがミックスされてている気がする。まさに21世紀の音楽。
小室さんは普段はどんな音楽を聞くんですか、と聞かれて「プロデュースしている時間が長くて、あまり他の音楽を聞く時間がない」「音楽をなかなか楽しめないんですよ」としながら、今のスウェーデンは最先端の音楽ビジネスの国だと思う。スウェーデンが中心だという感じがする。それはアバから引き継いでいるのではないか、と思うとのこと。
車以外には「ハイブリッド」って言葉はあまり使わないと思うけど、いろんなマテリアルをミックスするのは大事なこと。アヴィーチーとかもそうですけど、まったく関係ない音楽をくっつける…というか。イギリス人がまたABBAをネタにミュージカルを作りそれが全世界で受けているというのも面白い。ABBAは知らなくても、「マンマミーヤ」で彼らの音楽を知る、という事がある。
ここでスウェーデンとスカイプ中継。ABBAのビョルンさん。「初夏のスウェーデンのセッティングにしたんだよ」と写真のような景色。
ビョルンさんへ館長からインタビュー。ブライトンのユーロヴィジョンで優勝した時、衣装など凝っていたのは面白かった、との話にビョルンさんは「ユーロヴィジョンは長く記録され覚えられるものだから印象的なショウにしたかった。スターシップギターとか」
実はアバは優勝する1年前、ファイナルで最終予選で落選している。それはどう作用したか、という質問に
「前年落ちたことでその翌年はちゃんと準備が出来た」「でも自分たちの目的は常に良い曲を書く、ということに尽きる」
「ソングライティングはプロフェッショナルに行わなければならない。よいコーラスが書けたから、それで良いと思う人が多すぎるが、バース、イントロ、ブリッジ…すべてが良くないとダメ。すべてが書けないと曲書きが終わったとは思えない」
「最近の作曲の仕方は、国際的に共作する(音楽出版社が仕切って、ソングライターをマッチングしたり…)ことが多いようだが、自分たちはギターとシンプルなピアノで作ることが多い」
「曲を書くときの環境が大きく作用するか、というとそうでもない。こういう気持ちのよい場所で書くこともあれば、ベニーの地下室で書くこともある。すごく狭い場所だ。人のオフィスで書いたこともあった」「書こうと思えばどこでも書ける」
ポップミュージックを書くときに特にレシピなようなものはあるのか、と質問されて
「歌詞の場合は、曲を何度もかけて、曲が何を言いたいのかメロディに歌わせることが大事。たとえば曲が出来るとベーシックなレコーディングしてストリングを録音したり…それを家にもって帰って何度も何度も聴く。曲が自然と詩を歌いだすまで。そうすると詩が出てくる。自分はそうしている。メロディを良く聞け、と」
自分のミュージアムが出来たことについてどうか、との質問には「最初は居心地が悪かったけど、今はもう慣れたよ! ミュージシャンみんなが博物館を持つべきだ」
また日本のアーティストへは「日本のアーティストも世界的なヒットを出せると思う。次のヒットは本当にどこから出てくるのか予想も出来ない」「曲に物語、メロディがあって、それをどう入れこむか、ということに尽きる」「恐れることなく、コマーシャル的になることもなく、物語を考えるべき」
最後に「スウェーデンは今日も20度で気持ちがいいよ。観光客の皆さん、お待ちしています」とのことでした(笑)
スウェーデンは世界でも有数の音楽輸出国。Dirty Loopsのメンバーも「アバの影響は計り知れない。ソングライティングの影響においても最も重要なバンドだ」と。
小室さんも「最初にABBAを知った時、スウェーデンのバンドとは知らなかった。とてもハリウッド的だと思った。あまりにも完成されたポップで、モータウンの影響も感じたし、ジョルジオ・モローダーのようなダンスミュージックの基本、ユーロビートみたいなものもあった。あらゆる音楽を内包している」
野本さん「スウェーデンはSpotifyを生み出したように音楽を良く聞く国民性なのだ。政府もロックミュージックが大好き。作詞作曲家の数も世界随一。コーラス隊に子供のころから入ることが当たり前で、公立の音楽学校もすごく多い。ティーンエイジャーの29%が楽器を弾いているという統計もある」
Dirty Loops「僕らも同じ学校にいって合唱隊に入っていた。4年生から7年生まで。またちょっとしたお金を払って習える楽器のレッスンも多い」
小室さん「キャパシティが広く、コンピューターで作曲する子も多い。解散しちゃったけどスウェディッシュ・ハウス・マフィアとか。完全に音楽の教育が進んでいる」
野本さん「いろんな音楽に接することが出来るのがいい。僕らもそうなるように努力していきたい」
Dirty Loops(次はいつ来日するのですか?との質問に)「今のところ毎月来ているから6月にまた来たいなぁ!」…と可愛い(ポップスの世界ってそんななんだ!!?驚愕!)
小室さん「最後に一つだけ。僕が1988年TMNでロンドンでオーディションをやったとき、どうもいい人が見つからなくて、最後にスウェーデンの人が来てくれて、その人が良かったのでその人を採用したんですよ。彼女は今でも自国で頑張っている」
写真はアバ・ミュージアムにある日本のこけしを模したABBA人形。
そして、こちらが話題のDirty Loops「Hit Me」
そしてこっちが40年前のEurovision「ウォータールー」確かにかなり芝居がかってるかも…
確かに「音楽産業」ってある意味とっても分かりやすい。頭が良くて努力家のスウェーデン人からしたら世界的なヒットを作るのは簡単なことかもしれない。
ところで夕方のポール・マッカトニーの公演の延期残念。こちらは明日来日するメアリー・ブラックの息子のバンド、コローナズ。サーのダブリン公演の前座をしました。前座のバンドとの写真にもプロフェッショナルに答えるサー。どうぞお大事に。