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2014年5月13日火曜日

NEVER BE THE SUN

メアリーがもうすぐ来日するという中、「そうか、メアリーが来るんだ。そういやドロレスはいったい何をやっているんだろう」と思った古株のアイリッシュ・ミュージック・ファンは多いのではないだろうか。そしたらすごい偶然なんだけど今朝のこのニュースが飛び込んできた。ドロレス・ケーン復活。デ・ダナンの初代ヴォーカリストであり、ナンシ・グリフィスがかつて「Voice of Ireland」と呼んだ、奇跡の歌声の持ち主だ。

昨晩RTEでドロレスの復活ドキュメンタリーが放送されたようで、その反響がものすごい勢いでFacebookの私のタイムラインにあがってくる。みんながドローレス頑張って、ドローレス、ドキュメンタリーは素晴らしかった、と称賛の声をあげている。

これはナンシ様のステージにドロレスがゲストとして出た時のもの。もうすでに結構、声がいっちゃってて聴くのは相当つらいんだけど、最後ナンシ様が寄り添うように歌うところが本当に素晴らしい。号泣。後ろでクライヴ・グレッグソンがギターを弾いているのも素晴らしいので、貼付けておきます。



ドロレス・ケーン。アイルランドの女性ヴォーカリストでおそらく最大級に素晴らしい人。子供のころ姉妹が亡くなり、子供を失ったお母さんが残った子供たちを育てることが出来なくなってしまったため、おばさんの家に預けられていたというドロレス。おばさん二人はこんな感じ。



すごいでしょ。ドロレスはたぶんトラベラーの血も流れている。本当にゴリゴリの伝統の世界で育ち(メアリーとはまったく違う)最初はチーフタンズ、そしてデ・ダナンに見いだされ世に出た人。英国人のフォークシンガー、ジョン・フォークナーとのパートナーシップを経て、フォークの大傑作を次々とリリース。音楽的に評価が高いのはこれ。これすごいよね。歌ってるのはジョンがメインヴォーカルなんだけど、何故か耳に残るのはドロレスの歌声なんだよ。本当に素晴らしい。broken hearted I wonder… broken hearted



90年代からはコンテンポラリーなアルバムをつくりはじめ、ドーナル・ラニーとはこんな曲も作った。このアルバム、日本ではキングレコードからメアリー・ブラックの「ノー・フロンティアーズ」とほぼ同時期に発売になった。ドーナルのプロデューサー業、ある意味全盛期。89年発表のアルバムには傑作が多いよね…ホント。



Paddy's Green Shamrock Shore これをポールと対等に歌えるのは確かにドロレスだけかも。演歌の大御所みたいなすごい圧倒感(笑)



そんなドロレス。一度日本に来たのだが、そのときの声もすでにベストじゃなかった。しばらくすると彼女のニュースもすっかり途絶えてしまった。

アルコール、鬱病、そして今、乳がんも乗り越えて6月に本当に久しぶりにオリンピア劇場の舞台にたつという。

ドキュメンタリーはおそらく近日中にRTEのiplayerで見ることが出来るかもしれない。ちなみに相当詳しいインタビュー記事がインディペンデント紙に掲載されています。そして写真のドロレス、ジャニス・ジョップリンみたいな長い髪がトレードマークだったのに、ばっさり切っちゃいました。

ドロレスのことをいろいろ考えるにつけ人間って…すごいなぁ、と思わずにはいられません。ドロレスは病院に連れていくという家族の言うことを聞かずボロボロだったそうです。長年のパートナーだったバザーも彼女の元を去っていった。やっと自分からメイヨー更生施設に行く、と決断した時、どうやらメアリーがドロレスを車に乗せてメイヨーに向ったらしい。

メアリーがすごくドロレスを心配してたのは知ってる。メアリーが日本からポストカードを送って私に投函しておいて、と言ったのだけど、その一番上にドロレスへのカードがありいました。Thinking of you と書かれたカードがグッと来たのが記憶にある。あれは何年の頃だっただろうか…

私が最後にドロレスを見たのは確かドイツだか北欧だかのアイリッシュ・ミュージックのフェスティバルです。ドロレスはデ・ダナンのスペシャル・ゲストか何かでフェスに来ていました。すでに来日ツアーの後だったので私は彼女には面識はありました。でもとても話しかけられる雰囲気じゃなかった。彼女は楽屋でフランキーと大げんかして酔っぱらってひどい状態でした。実際,私以外の他の誰もドロレスに話しかけることなどなく、みんな遠まきに彼女のことを見ていただけだと思う。

そんな中、私はメアリーたちのチームと行動を伴にしていました。メアリーのステージが終わってメアリーは「あー 疲れた。ヨーコ悪いけどそこにあるビール取ってくれる?」なんていいながらソファーに倒れ込むように座っていたんです。かなり広い楽屋でした。私がビールを取ろうと立ち上がると、そこにドローレスがフラフラとやってきた。そしたらメアリーは自分は疲れているのに、パッと立ち上がってドローレスに駆け寄り、抱きしめて、すぐ側にあったソファに彼女を抱えるようにして座ると、一緒に何か話をしていました。あとルカ・ブルームもいたな。ルカ・ブルームもドロレスに駆け寄ってましたね。なんか私はあのとき自分が恥ずかしかった。来日した時はチヤホヤしてたのに… でも三人でものすごく親密に話しているので、私は遠くから見守るだけでした。誰も近寄れなかった。それに彼女はもうすでに日本のことなんて覚えてないかもしれない。それがドロレスを見た最後です。

いろんな人生があるなぁ、と思います。ドロレス。こんなに才能がある人にはうんと幸せになってほしい。でも声がまだベストではない、というのはこのインタビューの中でも言っていますね。早くあの声を取り戻してほしい。お酒辞めたんだったら、きっと大丈夫じゃないかな。どうなんだろう。もう60になったというドロレス。

再度載せますが、私が一番好きなのはあくまでこの曲なのでした。本当に素晴らしい。いつ聞いても泣ける。ドロレスの長男ジョセフのことを歌った歌。ジョセフは障害を持って生まれてきた。ジョセフも今はもう27歳。目が見えないそうですが、ゴールウェイの施設で時々働いているようです。ジョセフにささげられたとても美しい歌です。ドナ・ロングが曲を書き、ドロレスが歌うと、その後に続いてエミルー・ハリスやリンダ・ロンシュタットもカバーしています。ちなみにこのドロレスの後ろでハーモニーを付けているのはエミルーです。



You'll never be the sun, turning in the sky,
And you won't be the moon above us, on a moonlit night,
And you won't be the stars in heaven, 
although they burn so bright,
But even on the deepest ocean, you will be the light.

You may not always shine as you go, barefoot over stones.
You might be so long together or you might walk alone.
You won't find that love comes easy, but that love is always right.
So even when the dark clouds gather, you will be the light.

And if you lose the part inside when love turns round on you, 
leaving the past behind.
Is knowing you'll do as you'll always do.
Holding you blind, keeping you true.

You'll never be the sun, turning in the sky.
And you won't be the moon above us, on a moonlit night.
And you won't be the stars in heaven although they burn so bright.
But even on the deepest ocean, you will be the light.
You will be the light.
You will be the light.






PS
番組はここで見れますが、ブラウザの設定がアイルランド国内でないと見れないようです。出来る人はやってみてください。

PPS
You Tubeにあがった!!