ホントに読んでも読んでもあるよ、高野秀行さんの本。それでも出ている本の半分は読破したかしら…「今,高野秀行さん、読んでんだ」って人に言うとあれもこれも薦められるのよね。いろんな人が、それぞれの高野本への思い入れを語る。
でも〜っ、これ!!! 突発的に買ったんだけど、めっちゃ良かった。なんつーか高野さんの本の中でも「早稲田三畳」とか私は大好きなんだけど、それにちょっとテイストが似ているかも。もちろん「西南シルクロード」「ソマリランド」みたいな本格派探検/研究ものも大好きだけどね。
しかし申し訳ないことにこれ古本屋で買っちゃったのだわ。生きている作家さんで、好きな作家さんの本は書店で買って応援するのが身上なのに。たまたま「古書ほうろう」さんにウチのコンサートのチラシを置きにうかがって、せっかくチラシを置いていただくのだから、何か買わなくちゃと思って、見つけてしまったのだった。だから装丁が古い。今はイラストみたいな(あ、これもイラストか)ボートの絵みたいな装丁になっているらしい。でもこっちのイラストの方が内容に近いように思う。高野さん、2004年の作品である。なんと書き下ろしの文庫本だよ。すごい。ただでさえライターは雑誌の連載→単行本→文庫本って持っていかないとお金にならないのに。書き下ろしの文庫本だよ。
しかし…。思い返しても「三畳」のあの終わりの、将来の奥さんとおぼしき人に出会い、三畳間を出るところなんか、めっちゃホロリとくるんだけどさっ!!! 高野さんって、改めて言うまでもないけど、ホントにめっちゃいい人だよね。で、この本も「いい人度」が溢れ出してるんだよ!! そういえば、高野さんのはぐれノンフィクション軍団のメンバーで、ご本人とも面識のある川内有緒が「高野さん,あの人は真性いい人だよ、真性いい人」って力説してたけど(「神聖」?)、いや、ホントこの本も、真性いい人じゃないと書けない本だと思う。
いや〜 めっちゃ心が温まるというか、ホロリとくるというか。人間を見る目が優しいんだよね、高野さんの場合は!! ホントに素晴らしいわー 本当の人間力って、そして本当の「国際人」(本の中でも言及されていますが)って、こういう事言うんじゃないかしら。
とにかくどっかんどっかん笑わせてくれるし、ホントに面白い。笑わせてくれる度は、今までの高野本の中でもこれが一番かもしれない。
そうして自分のことを振り返って思えば、私は東京…というかトーキョーに30年住みながらも積極的に外国人の友人を作ろうとしてこなかった。というのは、私は日本に住んでいる外国人にすごい偏見があったからだ。私のイメージする在日外国人は図々しく、私の職業を知ってはコンサートの招待状をねだり、無料のCDサプルをねだり、はたまた誰々が好きだから手伝うからとかすぐ簡単に言ったりする。人の職業をなんだと思ってるんだ!? ま、日本人でも、そういう人多いけどね。外国人はそれが余計にすごいと思っていた。それは偏見なのだけど。こういう仕事をしているから在日外国人との接触も多いが、そんな偏見が手伝って、とにかく極力外国人の友だちは国内では作らないようにしてきた。私の周りにいたのは白人ばっかりで、余計そうだったのかもしれない。日本の社会は白人に甘すぎる!?と根拠もなく思っていたし、今まで出会った謙虚で尊敬できる外国人は、大使館勤務の方数名とルナサのトレヴァー・ハッチンソンの妹さんくらい。大使館の人たちは基本外交官で、任期が終われば次の赴任地へと行ってしまうから仲のいい人たちはいるけど、あえて仕事外で会う事は滅多にない。唯一プライベートでもご飯に良く一緒に行っていたトレヴァーの妹さんも、自分の会社をたたんで帰国してしまった。そして外国人と一緒にカウンターで飲んでいると、隣りで話しかけてくる「英語練習したい」親父も、ホントに大嫌いである。だからトーキョーで外国人と(ツアー以外で必要以上に)一緒にご飯食べるのはイヤなんだ…
が、この本を読んで、私はホントに心が狭かったな…と大きく反省した。この本を読んで自分のあまりにも低い人間力にホトホトがっかりしてしまった。そう、彼らは彼らなりに異国の地トーキョーで苦労しているのだ。私の出会った人たちは、1章に書かれているフランス人の女性に近かったのかもしれない。1章を読んで、まず私は、どうして私も彼らにこうした気持ちを持てなかったのかと、とても反省した。ホントに高野さんってすごい。高野さんみたいな人がたくさん居れば、トーキョーはとても優しい国際都市になれると思う。っていうか、東京オリンピックに向けて、どうだろう。高野さんみたいな「国際人」こそもっとも必要とされている人材なのだよ!! 権威を振りかざす研究者とか、一部の御用達音楽プロデューサーとかばっかりに恩恵をまわしてないで、高野さんみたいな人にこそ、本当の「国際人」のアドバイザーとして、これからオリンピックを迎える東京で活躍してほしいと思う。ご本人に,そんな時間も興味もないだろうが。
この本、それにしても最高だ。読み出しからして、グッと持って行かれる。外国人と歩くと東京はいきなり「トーキョー」になる。この感覚は私も分かる。上手く言葉にできないが、英語をしゃべっていて脳みその違う部分を使っているからかとも思うが、ウチの連中を成田で出迎えた瞬間、私にとっても東京の町は大きく変わる。
かなりウルウルなのが結婚式のスピーチが泣ける「ジェレミー」の章。そして言葉のしゃべれない初対面の外国人を自分の家に泊めてあげる「ウエキ」の章。そして最後の熱狂の東京スタジアムの章では、ホントに号泣だ。なんて素敵なんだろう。なんて素敵なお友達。なんて素敵な高野さん。出場者のそれぞれのその後も是非読みたくなった。高野さん、書いてーーーっていうか、もうどっかに書いてあるのか? 高野さんのブログを最初から最後まで読んでみる必要があるな。
それにしても素晴らしい本である。「本,普段読まない」「活字苦手で」みたいな人は、こういう本を読むといいい。絶対に絶対に絶対にお薦め。逆にポップすぎて分からないかもしれないけど、こんなに優しくて深い本は滅多にないと思う。必読!!!
あー、また自分の中の高野さん本チャートが変わっちゃったな。今は(1)西南シルクロード(2)異国トーキョー(3)ソマリランド(4)イスラム飲酒紀行(5)早稲田三畳…かな。
でも〜っ、これ!!! 突発的に買ったんだけど、めっちゃ良かった。なんつーか高野さんの本の中でも「早稲田三畳」とか私は大好きなんだけど、それにちょっとテイストが似ているかも。もちろん「西南シルクロード」「ソマリランド」みたいな本格派探検/研究ものも大好きだけどね。
しかし申し訳ないことにこれ古本屋で買っちゃったのだわ。生きている作家さんで、好きな作家さんの本は書店で買って応援するのが身上なのに。たまたま「古書ほうろう」さんにウチのコンサートのチラシを置きにうかがって、せっかくチラシを置いていただくのだから、何か買わなくちゃと思って、見つけてしまったのだった。だから装丁が古い。今はイラストみたいな(あ、これもイラストか)ボートの絵みたいな装丁になっているらしい。でもこっちのイラストの方が内容に近いように思う。高野さん、2004年の作品である。なんと書き下ろしの文庫本だよ。すごい。ただでさえライターは雑誌の連載→単行本→文庫本って持っていかないとお金にならないのに。書き下ろしの文庫本だよ。
しかし…。思い返しても「三畳」のあの終わりの、将来の奥さんとおぼしき人に出会い、三畳間を出るところなんか、めっちゃホロリとくるんだけどさっ!!! 高野さんって、改めて言うまでもないけど、ホントにめっちゃいい人だよね。で、この本も「いい人度」が溢れ出してるんだよ!! そういえば、高野さんのはぐれノンフィクション軍団のメンバーで、ご本人とも面識のある川内有緒が「高野さん,あの人は真性いい人だよ、真性いい人」って力説してたけど(「神聖」?)、いや、ホントこの本も、真性いい人じゃないと書けない本だと思う。
いや〜 めっちゃ心が温まるというか、ホロリとくるというか。人間を見る目が優しいんだよね、高野さんの場合は!! ホントに素晴らしいわー 本当の人間力って、そして本当の「国際人」(本の中でも言及されていますが)って、こういう事言うんじゃないかしら。
とにかくどっかんどっかん笑わせてくれるし、ホントに面白い。笑わせてくれる度は、今までの高野本の中でもこれが一番かもしれない。
そうして自分のことを振り返って思えば、私は東京…というかトーキョーに30年住みながらも積極的に外国人の友人を作ろうとしてこなかった。というのは、私は日本に住んでいる外国人にすごい偏見があったからだ。私のイメージする在日外国人は図々しく、私の職業を知ってはコンサートの招待状をねだり、無料のCDサプルをねだり、はたまた誰々が好きだから手伝うからとかすぐ簡単に言ったりする。人の職業をなんだと思ってるんだ!? ま、日本人でも、そういう人多いけどね。外国人はそれが余計にすごいと思っていた。それは偏見なのだけど。こういう仕事をしているから在日外国人との接触も多いが、そんな偏見が手伝って、とにかく極力外国人の友だちは国内では作らないようにしてきた。私の周りにいたのは白人ばっかりで、余計そうだったのかもしれない。日本の社会は白人に甘すぎる!?と根拠もなく思っていたし、今まで出会った謙虚で尊敬できる外国人は、大使館勤務の方数名とルナサのトレヴァー・ハッチンソンの妹さんくらい。大使館の人たちは基本外交官で、任期が終われば次の赴任地へと行ってしまうから仲のいい人たちはいるけど、あえて仕事外で会う事は滅多にない。唯一プライベートでもご飯に良く一緒に行っていたトレヴァーの妹さんも、自分の会社をたたんで帰国してしまった。そして外国人と一緒にカウンターで飲んでいると、隣りで話しかけてくる「英語練習したい」親父も、ホントに大嫌いである。だからトーキョーで外国人と(ツアー以外で必要以上に)一緒にご飯食べるのはイヤなんだ…
が、この本を読んで、私はホントに心が狭かったな…と大きく反省した。この本を読んで自分のあまりにも低い人間力にホトホトがっかりしてしまった。そう、彼らは彼らなりに異国の地トーキョーで苦労しているのだ。私の出会った人たちは、1章に書かれているフランス人の女性に近かったのかもしれない。1章を読んで、まず私は、どうして私も彼らにこうした気持ちを持てなかったのかと、とても反省した。ホントに高野さんってすごい。高野さんみたいな人がたくさん居れば、トーキョーはとても優しい国際都市になれると思う。っていうか、東京オリンピックに向けて、どうだろう。高野さんみたいな「国際人」こそもっとも必要とされている人材なのだよ!! 権威を振りかざす研究者とか、一部の御用達音楽プロデューサーとかばっかりに恩恵をまわしてないで、高野さんみたいな人にこそ、本当の「国際人」のアドバイザーとして、これからオリンピックを迎える東京で活躍してほしいと思う。ご本人に,そんな時間も興味もないだろうが。
この本、それにしても最高だ。読み出しからして、グッと持って行かれる。外国人と歩くと東京はいきなり「トーキョー」になる。この感覚は私も分かる。上手く言葉にできないが、英語をしゃべっていて脳みその違う部分を使っているからかとも思うが、ウチの連中を成田で出迎えた瞬間、私にとっても東京の町は大きく変わる。
かなりウルウルなのが結婚式のスピーチが泣ける「ジェレミー」の章。そして言葉のしゃべれない初対面の外国人を自分の家に泊めてあげる「ウエキ」の章。そして最後の熱狂の東京スタジアムの章では、ホントに号泣だ。なんて素敵なんだろう。なんて素敵なお友達。なんて素敵な高野さん。出場者のそれぞれのその後も是非読みたくなった。高野さん、書いてーーーっていうか、もうどっかに書いてあるのか? 高野さんのブログを最初から最後まで読んでみる必要があるな。
それにしても素晴らしい本である。「本,普段読まない」「活字苦手で」みたいな人は、こういう本を読むといいい。絶対に絶対に絶対にお薦め。逆にポップすぎて分からないかもしれないけど、こんなに優しくて深い本は滅多にないと思う。必読!!!
あー、また自分の中の高野さん本チャートが変わっちゃったな。今は(1)西南シルクロード(2)異国トーキョー(3)ソマリランド(4)イスラム飲酒紀行(5)早稲田三畳…かな。