ティム・スペクター「ダイエットの科学」を読みました〜 これは最高に面白い!!!

友人が翻訳を手がけているということでお祝い気分で購入。読んでみたら、いや〜面白かった。これは読んでて面白い本です。まずそれを言っておきましょう。原題「The Diet Myth」翻訳者がいいのかな。外国物で、しかも科学ものというと敬遠しちゃう人いるかもしれないけど、これはスイスイ読めます。おすすめ。

ダイエット、いろいろ試したことある人は多いはず。 でもその「Myth 神話」をことごとくつぶしてくれる本です。実はあの時、めちゃくちゃ流行ったあのダイエットは,実は某企業の戦略だったみたいなことも書いてあったりすると、読んでいて、あぁ、なるほど…と妙に納得したり…。流行りましたねぇ、例えばリンゴ・ダイエットに始まり、1つのものしか食べないダイエット。

これを書いている先生はロンドン大学の双子研究のオーソリティ。自分の体調管理から、ダイエットについて研究を始め、世の中にはこんなに多くの「神話」があふれているのかと驚いたことで、それらにまつわる検証をこの1冊にまとめたというわけです。

読み終っての印象は、実は勝間和代さんの「やせる」を思い出した。結局ふつーがいいのだ。ふつーが。昔から身体に良いと言われているものを、ふつーに万遍なく食べることが。そういうもともこもない結論に導かれて行くわけなんですが、それでも勉強になったポイントはかなりあるので、ここに自分用にメモっておくことにします。というより「ダイエット」と思いながらも読み始めて、最終的には『健康」ということに話がいきつくので、それはなんだか素敵だな、と思いました。それこそ真に重要なことだからです。

私は別に長生きはしたいとは思わないし、痩せることについても自分で言っているほど、あまり真剣に考えていないと思う。(ほんとに死ぬほど痩せたいなら、もっと真剣にダイエットするし)でも生きている間は、健康でいない事に自分の自由を制限されたくないので、人並みには元気でいたいという願望はやはりある。っていうか、具合が悪くなったり風邪ひいたりって単純に時間がもったいないと思うんだよね…。風邪ひいてりゃ美味しいもの食べても味しないし、楽しいことしてても楽しくないし、なにやっててもうっとおしいし… それにそもそもこの仕事は健康じゃないと続けていけない。なので、仕事をしているうちは健康でありたいと努力するのは当然の事だと思うわけです。うん。

まず前提として、身体の中の腸内細菌がとっても重要だということ。人間の身体の中は細菌だらけだということ。生まれた赤ちゃんは無菌。でも産道を通る時、お母さんの菌をもらって生まれて来る。接触した人すべてから菌をもらう。それによって人間は構成され、その菌の様子は人によってだいぶ違うということ。だから人が成功したダイエット方法が自分にも成功するとは限らない、ということ。これが大前提。

そして…これは人間社会にも言えることだからビックリしちゃうんだが、細菌にはいいも悪いもなくて「多様性」がもっとも重要だということ。出来るだけ多くのものが同時にバランスよく存在して初めて健康だということなのだ。なるほどね!!

ではその多様性を養うにはどうしたらいいか。まずはやはりヨーグルトは疑いの余地もなく相当身体に良い、ということ。私はブルガリア・ヨーグルトを1週間に2パック消費するくらいのヨーグルト好きだが、これはやはり続けた方が良いようだ。というか、もっと食べた方がいいかもしれない。同じ発酵食品として納豆についての記述はアジアの先生じゃなかったので無かったのだが、この理屈であれば、納豆ももちろん身体に良いということになるだろう。それからチーズ。チーズも私は大好きだが、これは日本でのマジョリティをしめるプロセスチーズでは意味がない事を知る。うーん。でも高いんだよね、日本の場合、ナチュラル・チーズはね。でもチーズはナチュラルでないと意味がないらしい。…そうか。

あと意味がないといえばショックなのが紅茶。私は紅茶が大好きで1日マグにして4〜5杯(アイルランド人の平均と一緒)飲んでいるのだが、紅茶はカフェインの入った意味のない水みたいなもんらしい。飲むならポリフェノールも入ったコーヒー(もちろん飲み過ぎはよくないのだが)そして圧倒的に緑茶。緑茶は1日2、3杯飲むと身体に相当よい。

また地中海式の食事は身体に良い事がしっかりと実証されている。トマト、オリーヴ・オイルなど。(ちなみにオイルはオリーヴ以外、身体によいと実証されているものは1つもないので要注意だそう。誰だココナッツ・オイルは身体にいいとか言ったのは…)なのでトマトは普通に食べてたけど、これからは積極的に食べることにしよう…とか。そしてトマトもそうなのだが、圧倒的に食べなくちゃいけないのは野菜だ。大切なのは野菜の繊維質。また身体にいかにも良さそうな果物だが、これは皮も一緒に食べないと意味がないらしい。が、私は大好きなキュウイの皮がどうしても食べられなくて悩んでいる…。リンゴの皮は大好きなので、リンゴは絶対に皮付きで食べるけど。キュウイはハードルが高い。また身体に悪いとされるチョコレートも砂糖と乳成分さえ引けば、身体によい。同じく赤ワインも。あとこれはすでによく言われていることだがビタミン剤などは百害あって一利なし。今すぐ辞めた方がいい。あと肉。鶏肉はとにかくいったん害はないことが証明されている。ただし牛肉などの赤い肉は…実は不安要素多数。でもこれは私は大好きなので絶対に辞められないと思うんだよね…。もっとも家でたべる淡白源はもっぱら納豆で、肉は積極的に料理する時以外、あまり食べないけど。ここは悩むところだ。

しかし私も45を超えるころからいい感じで体重が増え始め、今はホントに気をつけてないとどんどんデブになってしまうので、あわてて運動はじめたクチなのだが、運動は…痩せるためにはまったく意味がないことが、この先生によってもリ・コンファームされた。トホホ。もちろん私がまったく動いてない生活をしているのであれば話は別なのだろうが、すでに歩いたりするのは結構日常的にやっているので、その私がたかだか5km走ったところで、たいした効果はないのよね… とほほ。でもこの先生によれば運動は腸内細菌にとっては相当良いことらしい。となれば、やはりやり続けるしかない。(でもそれだけでは痩せない)そして痩せたいのであれば、腸内細菌の状態にもよるが、やはりロウカーボは効果があるようだ。うーむ。

「腸はあなたの庭である」これが著者の結論だ。 庭を頑張って多様性のあるものにしよう、と。いいよね、それ。社会も多様性のある社会は強い。つまりはそういうことなのだ。そういや探検家さんたちの本を読んでも思ったもんだ。自分の身体というのは、一番身近な大自然である、と。大自然がコントロールできない事と同じで、自分の身体をコントロールすることはとても難しい。

あ、そうだ、私、かなり前からヤクルト毎日1本飲んでます。これもきっと身体にいいのかな。ヤクルトのシロタ株がシロタさんという人の発見だというのもこの本で知った。あと是非ためしてみようかなと思ったのが、腸に刺激を与えるというプチ絶食(1回食事を抜くだけでもよい)、それから普段と違うものを食べるという特別な1日を設定する、などなど。そんなヒントもたくさん載っています。

とか言ってたら、昨日WIREDにこんな記事が出来た。



そんなわけで、この本、とってもお薦めです。あと翻訳者のアドバイスにしたがって、ちゃんと註釈に書かれているエピソードも読んだけど、面白かったよ。(かなり読み応えもあり)だから最後の横書きになっているところまで読むことも、重要。さて、今日もはりきって行きましょう!! さっそく今日の分のヤクルト飲むか!(ヤクルトは糖分警報あり、という説があり…でもあのロウカロリー・ヤクルト好きじゃないんだよな…)