枝野和子『枝野家のひみつ』を読みました

女性の本はピンクが多いなぁ〜 素敵な装丁。綺麗な奥様。
なるほど、面白かった。あっという間に読めちゃったよ。立憲民主党の枝野さんの奥さんのエッセイ。いつだっか、取引先のえらい人に「野崎さん、選挙どこいれるの? 自民党だろ?」と言われた時は、温厚な(笑)私もリアルで憤慨したのだが、保守系に入れたことは一度もありません。だいたいは2番目の政党にいれるようにしている。というのも、あんまり捨て票になっちゃうのも悔しいし、2大政党制を信じてた時期が長かったから。それが日本をいい方向に導いてくれるのではないかと真剣に考えていた時期があったから。

で、立憲民主党の枝野さんのことは信頼している。原発の音があった時、枝野さんがいてくれて本当に良かったと思った。いろいろ言う人もいるが、あの時のどんな資料、どんな本を読んでも枝野さんは私が期待する枝野さんだった。それで十分だ。いろいろあっても、枝野さんのいうことだから言えない何かがきっとあるんだろうと信頼できる。そういう数少ない政治家である。万が一、今後どこかで「あいつに騙されたぜ」と思うこともあるかもしれないが、枝野さんだったらしょうがないかと思える。そのくらい信頼している政治家だ。そういう人は滅多にあらわれない。今や政治は右も左もポピュリズムで、政治ってなんなんだろうっていつも思う。でもビスマルクじゃないけど、Politics is the art of possibility。現実をどうにかする技術を持たないとダメなんだよね。まぁ、でも正直、政治のことは私は詳しくないのでわからないというのが実態だ。そういう私でも大事な1票の権利を持っているわけなのだが。

その奥様、初のエッセイ。もともと奥様はキャビンアテンダントで、枝野さんが飛行機の中でナンパ…ということではなく(笑)、お父様が弁護士だったので、その関係でお見合いだったのだそうだ。(枝のさんはもともと弁護士)。しかし第一印象は良いものではなく、お見合いにチェックonチェックであらわれた枝野さんの話には爆笑してしまった。あと家事はもっぱらダメダメで家のことは奥さんにまかせっぱなし。でも…というか、それだからこそか余計な口は一切出さないとか、一方で洗濯をたたむのが好きだとか(笑)、大変な不妊治療をがんばったこととか、やっとさずかった双子の子の長男に障害があることとか、そういう話が満載で、あっという間に読めてしまった。文章はゴーストさんが書いているんだろうけど、すごく読みやすい。

そういや蓮舫さんも双子のお子さんがいらっしゃらなかったっけ。で、お子さん二人には好きなことをやらせたい、と話してらっしゃるところに好感がもてた。政治家になるなら、地盤を引きつぐのではなく知らない土地へいってそこを耕すところから自分ではじめろと突き放すところとか、いや、ほんとしっかりしてらっしゃる。っていうか、親の職業をそのまま継ぎたがる人って、私は疑っちゃうんだよね…コネとかもね。 あ、そうそう、小泉進次郎が出てくる議員食堂でのちょっとしたエピソードも面白かった。

とはいえ将来はわからないし、実態もどこまで書かれたものかはわからない。もちろん書けないことの方が大きいだろう。でもこのご夫婦の場合、嘘は書かれていないと思うんだよね。ちょっと政治家の妻としてあまりに優等生すぎるところとか、「させていただく」みたいな謙遜の表現が多すぎるのは考えちゃったけさ。これはこれで合格なんだろう。読むのは私みたいな関係ない者ではなく、地元の選挙に関わる後援会の関係者も読むわけだからね。あと全国の立憲民主党の関係者や応援者もね。

それにしても枝野さんっていっさい家庭で政治の話をしないのね。原発のことで何日も帰宅できなくて、やっと帰ってきた時はTVでよくみた例のブルーの防災服だった、と。2時間だけいて、また戻っていった等々。また新党立ち上げのエピソードとか、とにかく興味津々の裏話が満載だ。英語が苦手なところとかも「英語はプロにまかせて自分は政治に集中する」としていると言われるとめっちゃ納得する。プロだ。そして本当に枝野さんは政治しか興味のない人らしい。

政治家とかいっても、今や美味しい話などなく、大変だろうと本当に思う。割にあわない仕事だと思う。が、この妻がいるからこそ、枝野さんが頑張れるのだなと妙に納得した。そう思うと女に生まれたからには政治家の妻として誰かをサポートして生きるのも悪くないよなとも考えた。これだけのことができる人はいないよね。っていうか、枝野さんのあとは奥さんが政治家になってもおかしくないんじゃないかさえ思う。強くて綺麗でしっかり者の奥さんだ。とはいえ、枝野さんのお酒やタバコやショート睡眠のことは気になった。お身体を大切に。これからも頑張ってください!