映画『ミッドサマー』を観ました。うーーーーーーーーーーーん


ネタバレ、ここにすべて書いてあります。ほんとにこれだけの話です。これだけの話。アメリカで大ヒットしたらしいんだけど、うーん、どうなんだろう。私にはわかりませんでした。



正直に言おう。スウェーデンという国に私が大きく興味を持ったことはない。たまたま自分の好きなバンドがスウェーデン出身だったというだけだ。その証拠に彼ら以外のスウェーデンのグループはうちには一つもいない。アイルランドやケルト、英国、フィンランドなどから多くのバンドを呼んでいるのとは、ちょっと違う。

そんなスウェーデンに思い入れの薄い私ですら、この映画については、なんかなぁと思った。

キリスト教から見たペイガン(異教徒)の不気味さみたいなものが凝縮されていて、とにかくずっとピーカンの天気で日差し強くて花があふれるんだけど、内容はホラーというこの映画。

うん、私もホラー好きです。スウェーデンの映画『僕のエリ』とか大好きだった。で、この『ミッドサマー』のこういう世界観も嫌いじゃないけど…  なんかなぁ、と思う。

いや、私はこういう世界観が嫌いなのか?(笑) そうなのかもしれない。花は鮮やかだけど全部グロテスクで造花に見える。確かに北欧の夏の白夜の時のハイパーな感じには私も「ついていけんわ」と思うところが時々ある。でもなんていうかなぁ…。

そもそも、これスウェーデンでもなんでもないじゃん。細かいこといえばニシンの食べ方とか…オランダだよ、あぁいう食べ方するのは。衣装もなんかバルトっぽいし、スウェーデンじゃないでしょ、これ。

途中から主演のアメリカ人の女の子がウォリス・バードにちょっと似ているよなぁ、とボンヤリ思い始めたら、彼女がウォリスにしか見えなくなった(笑)。

ウォリス…
まぁ、つまりを言えば、その程度の内容。そもそも音楽にしてもダンスにしても何にしても細部が本来のスウェーデンとはズレてる感じ。それでも演出というか急に何かが起きたり、驚かされたりという演出が激しいので、とにかく最後まで見られるのは事実。えらく長いけどね。作ったのはアメリカ人の監督。キッチュでグロテスクで、なんか…うーーーーんって感じ。

ひとつ学ぶことがあるとしたら、人がカルトに走るのはめちゃくちゃ悲しいことがあって、それを受け入れられない時なのだなぁ、と思う。そういう心の穴に「宗教」とか「(宗教上の)家族」とかが入り込んでくるんだなということ。いや、これ宗教でもなんでもないな。単なるカルトだ。

しかしひどいなー 良かった。招待とかで見なくて(爆)。招待で見ると言いたいことも言えなくなっちゃうから。ちゃんと自分でお金はらってみたのだから、堂々と言わせてもらうと、はい、私は好きではありませんでした。

でもこの映画にすっごい期待してたから何度も記事をツイッターでRTしてしまった。「見るの楽しみー」とかつぶやいちゃった。だから私が流したツイートを見て興味を持って見に行った人がいたらごめんなさい。もう2度と映画見る前におすすめツイートはしません。

そう、はっきり言わせてもらうと、スウェーデン好きな人は見ない方がいいわ、ということなのです。

私が知っているスウェーデンはこちら。おなじみヴェーセン。今日の元気になれる音楽『台風野崎』。そういや映画『ミッドサマー』にも少しだけど民族音楽風の音楽が流れてきてスウェーデンの民族楽器ニッケルハルパが映るシーンもあった。でもそうだね、ニッケルハルパなんてまさにキリスト教側から見たら「異教徒の楽器」で不気味なものなのかもしれない。なんかスプーキーな、お化けみたいなルックスの楽器だし(笑)。

 キリスト教はとにかく異教徒であるヴァイキングを嫌う傾向にあるんだよね。だから彼らに野蛮なイメージを付けてきた。ヴァイキングだって最近の研究だとすごい福祉のシステムを作り上げていたという説が有力だ。なぜって助け合わないと生きていけないほど北欧の気候は厳しかったから。後から来たキリスト教が勝手に歴史を書き換え、ヴァイキングは野蛮ですよ、というイメージをこしらえた。




スウェーデンを語るなら、こっち。この映画、実はスウェーデンのプロダクション。舞台はジョージア(グルジア)だけど、本当に素晴らしい。今年は今のところ私のNo.1映画は『パラサイト』でもなく、もちろん『ミッドサマー』でもなく、こちらです。主演の彼が本当に良かった。



そうそう、映画『ミッドサマー』。音楽がツイッターで「不気味な無印良品BGM」とか言われてたのも笑った。無印良品BGMのストックホルム編作ったの、私なんですけど、まぁ、そんな風に見てもらって嬉しいやら何やら(笑)。普通の人の素直な感想って感じで、私は嫌いではありません。自分がかかわったものが普遍的なものになるこの感じ、めっちゃ嬉しい。