85年の私のアイルランドのイメージといえば、こんなもん(↑)でした。今日の東京の天気みたいな映像。懐かしいよね。このサックスはメル・コリンズかな? 尋常じゃないキャラクターをこのポップスに添えている。最初に見たのはPoppers MTVじゃなかったかな。あの頃はまさか自分が何年か後にピーター・バラカンさんと一緒に仕事をするようになるとは夢にも思ってなかったけど。89年にメアリーの音楽に出会う前は、私もこんなもんです。
クラナドって概して評価が低いと思う。日本ではエンヤの家族がやってるバンド。海外ではのきなみニューエイジ。彼らの長いなが〜いキャリアを眺めてみれば、本当にバンドだったのは初期だけで、あとはレコ社に振り回された迷走続きのようにも見える。看板であるモイア・ブレナンは正直、声がかなり若い段階から出ていない。シルキー・ヴォイスといえば聞こえはいいけど、音程もあやうい。
でも彼女のバンドを頑張る力は素晴らしいし、親戚の中で何かをやるということ事態、大変だと思う。やっかみひがみ妬み… 大変だろうな。良いこともあるだろうけど悪いこともおそらく同じくらいの量あるし、揉め始めちゃうと外野は手をつけられない…みたいな。エキセントリックな兄貴とおじさん二人を連れて、本当によく頑張っていると思う。モイア自身、本当に素敵な人だ。
クラナドの初期の数枚は名盤が多く、ファーストなんか超かっこいい。セカンドはドーナル・ラニーとミホール・オドンネルのプロデュースで、言ってみればあまりクラナドらしくはないけど(かなりミホールの世界だと思う)すごくいい。これなんかしびれるでしょ? 3:51のところでコーラスがはいってくるところとか、何度聞いてもゾクゾクしちゃうよ。
しかしドニゴール恐るべし。よくこんな親戚バンドが存在したよ。そしてローカルをつきつめると世界になるという、これもそういう例で、ド田舎をつきつめるとこんなにかっこよくなるのだ(すみません、もっと詩的な表現が見つかりません)。
エンヤが参加してるFuamも悪くないんだけど、でもやっぱりここでもモイアの方が圧倒的に良い。ちなみにウチのCDショップで、まだこのCDはわずかに在庫あります。(下にリンク貼っておきますね)
さてクラナドをクラナドたらしめているものってなんでしょ? 私が思うにそれはキーラン・ブレナンのベースだと思う。ベースがクラナドを唯一無二のバンドにしている。キーランがいない時のモイアの音楽は、やっぱりニューエイジだ。いろんな意味で…
同じことが実はアイオナにも言える。ジョアンヌは本当に素晴らしいシンガーだが、ベインブリッジがいてこそ、やっぱりかっこいいものになる。彼女のソロ作品、良い物も多いけど、やっぱりニューエイジっぽいんだよね。少なくともロックにはなっていない(と、私は思う)
そんなクラナドが記念アルバムを出したようで。ファンの方はぜひ。
アイリッシュ・バンド、クラナドは、トレヴァー・ホーンがプロデュースした新曲「Who Knows (where the time goes)」のミュージックビデオを公開。この曲はキャリアを網羅したアンソロジー作品『In A Lifetime』に収録 https://t.co/t5CLKdtyvj— amass (@amass_jp) March 13, 2020
ただ意地悪を言えば、クラナドの『In A Lifetime』といえば、2004年に出したこのベストも同じタイトルなんだよね… ややこしいよな… なんかこういう迷走ぶりが時々私みたいなコアファンのイライラをさそうのであった。ごめんね、モイア…
いずれにしても今から購入する人は新しいやつを買ってあげてください。ストリーミングでも聴けるみたいだし。しかし彼らの長い経歴には良くも悪くも彼らにはこの曲しかなかったってことか? そうじゃないでしょう。ぜひ初期の作品も聞いてくださいね。Spotifyでクラナドおすすめリストとか作ってみようかな(時間がない)。
PS
このプロモ映像初めてみた!
モイアの自伝がなかなかショッキング。当時は英語で読むの、苦手だったので読むの大変だったけど結構夢中になって読んだ記憶あり。ミュージシャンとしてもそうだけど、当時のアイルランド女性の大変さが伝わってくる。
PPS
ウチのCDショップにクラナドの古いアルバムがあった。もうあまり在庫ないけどハードコピーで持っていたい方はぜひ。
THE MUSIC PLANT CD SHOP: CLANNAD - FUAIM https://t.co/xXay16AKHF— 野崎洋子 (@mplantyoko) March 14, 2020
THE MUSIC PLANT CD SHOP: CLANNAD - CRANN ULL https://t.co/6LWNMWYSYe— 野崎洋子 (@mplantyoko) March 14, 2020