これからのコンサート事業 続き

先日とある音楽評論家の方とメッセンジャーでお話する機会があって、それがいろいろインスパイアリングだったので、未来の自分のためにメモっておく。ありがとう、Kさん。本当に刺激的なお話でした。

しかしこういう時期にどんな人と話をするかって本当に大事だね、と改めて。Kさんは、それこそ私がキングレコード時代からお世話になっている音楽ジャーナリストさん。普段からべったりつるんでいるわけではないけど、何かと接点はあり、fbではお互いの活動は見ていたし、かつ最近Kさんが大きな病気をされたので、久しぶりに情報交換しましょうーということになったのだ。

それにしてもKさんも言ってらしたが、日本の医療体制は素晴らしいという話になった。これは私も実体験で感じていること。本当に本当に素晴らしいよ。看護師さんたちの献身的な仕事ぶり。医療従事者の皆さんは本当にがんばっている。今、皆さん、大変だろうな。いろいろ想像すると涙出てくるが、本当に無事にこの困難を乗り越えてと思う。Kさんの入院中のエピソードなどをうかがい、ゲラゲラ笑う(笑)。

Kさんとはこんな話もした。これからの音楽業界はどうなるんだろう、と。実は…と、Kさんはとある歌手志望の女性が歌手を目指して東京に出てきた、という話を始めた。彼女は頑張ったが現実はなかなか厳しく、最終的に彼女は夢やぶれ故郷に帰ってバスガイドになったという。ところがバスの中でお客さんに歌を歌ってあげるとお客さんに非常に喜ばれ、彼女はそこに大きな幸せを感じているんだとKさんに話してくれたんだって。この話、素敵じゃない? そりゃー、歌手になって大きなステージで歌うことはかなわなかったけど、そうだよ、だって聞く人を楽しませるということが一番大事なんだもの。そこだよね。

「それこそ今こそ音楽ファンの力が試される時だよね」ともKさんは言った。本当にそうかもしれない。ライブハウスをつぶしちゃいけない。コンサートプロモーターもつぶれちゃいけない。

私たち音楽に関わる者は、とにかく「音楽のすばらしさ」を伝えていかねばならない。例えばライブ体験が与えてくれる、その場にいる全員が気持ちを共有するあの感覚。あれが大事なんだと。それを、どうやったら取り戻せるか。私もKさんとの会話の後、あれこれ考えた。

かつ自分が数日前に書いた「これからのコンサート事業」というのを改めて読み返し、自分でも自分のちっちゃさにあきれてしまった。コンサートができるとか、ソーシャルディスタンスがどうこうってのは、全然小さな問題だ。私が大事にすべきことはそこじゃないだろ、と反省。もちろん個人ができることは限りがある。でもThink Different,  Think Bigだ。

で、思い出したのがこの映画。Happiness is real when it shared - 大好きな映画、ショーン・ペン監督の映画『イントゥ・ザ・ワイルド』。そして原作本『荒野へ』。(私の大好きなクラカワーの作品)



映画の一番いい部分が凝縮されてる映像。うわー いかんわー 何度見ても涙でるわー



主人公は裕福な大学生。すべてをすてて荒野へと旅立つ。ちょっとかもめのジョナサンっぽいかな。世間をうれい、こんな世界は嘘っぱち、オレは北に行くんだ、アラスカへ向かうんだ、と。多くの人に出会う。そして別れる。最後についにアラスカに到着し、そこで自給自足っぽい生活を送りはじめる。大自然に囲まれ、涙し、そして彼は見つける。「幸せは誰かと分かち合った時にリアルになるのだ」と。

数日前にアップされたダニー・オライリー(メアリー・ブラックの次男)率いるコローナズの昨年のライブ映像。この会場の一体感。ステージと客席の一体感。こんな映像をみていると、なんかどうなってもいいからダニーにまたこれをやらせてあげたいと強く思う。本当にオレなんかどうなってもいいんだ。ダニーがこれをやるためだったらなんだってするよ。だけど今の私にはなにもできない。こういう無力感を感じる事が私は一番苦手だ。オレは何かしたいんだーーーといつも思っているが、今は短い手足をバタバタさせることしかできない。今は無力だ。そういう事だ。

この音楽がもたらす一体感や幸せを伝えるには、どうしたらいいんだろう。ミュージシャンを海外から呼んでコンサートをやるということは、その目的にいたるまでの一つの事象にすぎない。それは一つの例で、最終目的ではないはずだ。そこにこだわっていては、私は自分の幸福感を得ることはできないだろう。

答えはでないけど、Kさんの話に出てきたバスガイドになった女の子の話みたいに、私もどこかにお客さんとシェアできる幸せを見つけたい。それが正直な気持ちだ。





そして珠ちゃん、あんたは本当にジャーナリストの鏡だ。今は退院されて自宅療養中だとのこと。本当によかった。早く元気な声が聞きたいよ。