なつかしいなー この写真。ロビンとグレンが東京にそろった瞬間。こんな時間はもう戻ってこないのかなー。
二人が同じ日に東京にいるということで(どちらも私のツアーだし)二人の共演の場をつくりたくて東京湾クルーズを企画した。お金がすごくかかったし、お客さんにも高額になっちゃったけど、まぁ、レアな機会だったよね。
実はロビンとグレンはそれぞれがA&M所属時代、この曲で共演してる。エジプシャンのアルバムから。グレンの声って本当にいいなぁ!! この曲をクルーズ船でも演奏してくれたっけ。
この時困ったのがロビンの海外おっかけさんたち。海外からやってきてチケットを買ってくれたのはありがたいんだけど勝手に撮影して、それを私に許可なくYou Tubeにあげたりして… あれを削除さえるのにずいぶん戦ったなー。You Tubeに何度も削除依頼だして削除してもらっても、また数ヶ月するとあげてたりして、いたちごっこ。ほんとに困ったもんだった。まぁ、長く仕事やってりゃそういうこともあるけど…。とにかく高額チケットを買ってくれたお客さんだけが見れる場所にしたかったんだよね。 でも彼らはYou Tubeにあげることが「良かれ」と思ってやっている節があった。なんかなぁ…
しかも高額チケットを売ったとて、枚数売れるでなしとにかくいろいろ赤字だった。やっぱりロックって難しい。ただロビンにしてもグレンにしても、なんだか知らないけど「アメリカのスーパーお金持ち」なファンが数人ついていて、彼らがものすごいパワフルなんだよね。もう桁違いのサポートをする。あれって、英国ロックの一つのビジネスモデルなのかしら、とも思う。日本のお金持ちは一方で、なかなかロックをサポートしてくれないもんなぁ。
それにしてもロビンが私にもたらしてくれたものは大きい。
一番最初に出会ったのは、とある友人の企画で、だった。その友人は三人のシンガーソングライターを一度に呼ぶという公演企画を私に振ってきた。しかし前にもここに書いたことがあるが、結局彼は公演をキャンセルし、ライブハウスへの支払いを踏み倒してしまった。ライブハウスは私が紹介したライブハウスだった。ライブハウスのブッキングマネージャーは何度も彼に連絡を取るもののなしのつぶて。それを聞いた私は超・頭に来て、紹介した自分の立場はどうなると怒りを爆発させ、そのキャンセル料を自分で払った。お金で解決したわけだ。そしてまったく音信普通状態になっていた彼の自宅におしかけ、彼と彼の奥さんから毎月いくら返済します、という念書を取った。お金は大した金額ではなく、返済は完了したのだが、その返済期間中に彼は家族で海外旅行に行ったそうで、私はブチ切れた。そんなお金があるからこっちに先に返済しろよーと。でもまぁ、そういう気晴らしも必要なのかなと思い、ぐっと堪えたよ。それに彼には彼の言い分もあったのかもしれない。黙られちゃうと、こっちは何も言えないのだが。
その後、彼とは仕事をしていないし、彼は洋楽の世界から消えてしまったようだ。姿を見たこともない。でもまだ邦楽のとあるアーティストとの仕事はしているようだが、SNSにもあらわれないし、なんかなぁ、と思う。音楽知識もある人だったし、私にあれこれ持ちかけてきたというのは、私のことも買ってくれていたのだろう。が、それは見事に裏切られたわけだけど、私はもう怒っていないし、また合えばニコニコ話ができるとは思うけど… それにしても音楽業界の男性はちょっと社会的にどうかなぁと思う性格の人が… (以下自粛)。全国の未婚のお嬢さん、結婚するなら音楽業界の人じゃない方がいいですよ。それにしても、洋楽についてとても詳しい人だったので、あぁいう人材が生かされない業界は問題だなと思うのと同時に、あぁいう人がいるから音楽業界はだらしないと言われるんだ、とも思った。
まぁ、いろいろあったが、そんなわけで彼の提案で、海外とのメールをやりとりを一切ひきうけていた私は当然ロビンの窓口にもなっており、本人ともメールをしていたわけで、私は本当に恥をかかされて、頭に来てきた。
思い出すのはロビンの家にキャンセルの電話をした時。ロビンが不在で当時のロビンの奥さんのミニーが電話に出た。「わかるわー ヘアスタイルを失敗したときは、もう丸坊主にするのが一番いいのよ、そういう時もある」って言ってくれたのが、めっちゃ心に残っている。
なんて素敵な人なんだろう、と私はいたく感動し、なんとか一度ロビンを呼んで「自分はただ奴に頼まれてコレポンしていた訳ではない、私は音楽プロデューサーなんだ」ということをリベンジもとい…実績を作ろうと思ったのだ。だからマイナスからスタートしたロビンとの仕事であるが、その素敵な奥さんとやってきた最初のツアーはとても楽しく、そしてそのあとの人脈につながっていった。はっきり言って元は十分にとった。
過去の経験の意味はその後の自分の行動が決める、と言ったのは確か探検家の荻田康永さんだが、本当にそうだ。あの時、音信普通の友人を追いかけ、ロビンや他のアーティストにあれこれ説明し、バタバタしていた苦労が結果とても意味のあるものとなった。それは自分の頑張りだったと思う。
そのあとロビンはR.E.M.のピーター・バックらを伴って来日してくれた。私ではとてもじゃないけど呼べない大ロックスターたちだ。実際やってきたピーターはすごく静かでかっこよくて私はすっかりファンになってしまった。ドラムのビルもすごくいい人だった。アメリカ人とはとても思えなかった。スコットはいろんな意味でマイペースで、まぁ前回のツアーといい言いたいことは山ほどあるが… いや、ほんと言えることは偉い人ほど謙虚だということだね。本当に良い経験をさせてもらったと思う。マイク・ミルズも本当に素敵だったなぁ!!
でもロックって伝統音楽以上にお金にならないんだよね。いろいろ学んだよ。それについては、もうあまり書かない…というか、まだまだ現役関係者多いし(笑)書くにはあと20年くらい必要だが、いずれにしても私は自分が作った公演と紹介した音楽については、とても誇りに思っている。まったく後悔はないと言える。そんな風にロビンが私にもたらしてくれたたくさんの幸せを思うと感謝しかない。たくさんの新しい世界を見せてくれた。
素顔のロビンは… あのまんまの人だ。いろいろ奇行伝説には限りないが、なんというか子供みたいな人。一緒にいてすごく楽しい。
「うわーい、バスが緑色だ!」と喜ぶロビン。ロビンは緑色が大好き。
ついに念願の猫カフェデビュー!
うわ、これ絵になってる…
ここの中華屋さん美味しかったなー また行きたいなー
エンマがやった猫のネイル。かわゆい。
渋谷の横丁も似合ってる。それにしてもこうやってエンマみたいな若いパートナーがいると妙に行動範囲が広がるのよね。ロビンにとってはいい事だと思う。実際、エンマと一緒になってからロビンはSNSも活用し、すごくアクティブになった。このコロナ禍も、彼女のサポートがなかったら、ロビンにとってとても辛い時期になってしまっていただろう。ロビンは今、家でのコンサートを毎週行なっていて、これがすごく彼の性格にもあっていて、見ていて微笑ましくなるのであった。東京では木曜日の朝10時に流れるので、自宅で仕事している人とかには良い休憩時間になる。是非。情報はロビンのTwitterを参考にしてみてください。あ、今日もこれから配信があるよ。日本時間10時から。でも今日の配信はたぶんエンマのディラン・カバーアルバムの宣伝だとは思う。5ドルで、だいたいはPAYPALで600円くらい。
あとロビンとの出会いは作家の絲山秋子さんとの出会いももたらしてくれた。ロビンをプロモーションしている、というだけで私はそんなふうに人脈を広げることができる。絲山さんとロビンの共演良かったな。絲山さんがシド・ヴァレットのファンだということを音楽ライター・ミュージシャンの和久井光司さんが教えてくれたのだ。「あの人絶対にロビン好きだから連絡取ってみては?」と。そして思い切って連絡を取ってみたら、ドンピシャで、文芸誌で対談したり、ロビンのコンサートに「ポエトリー・リーディング」で参加してもらったことがあった。あれはすごく良かったなぁ!! 絲山さんとロビン。あれもまたArt Meets Artの世界だ。
「バンドにエイド」への曲は私とロビンで選んだ。私はなんか「Queen Elvis」とかそういうのがいいなぁとか言ってたら、ロビンが「Life is Change」を提案してきたのだ。不思議な曲だ。歌詞カードがなかったので、歌詞書いてと書いてもらったら、聴きながら読むとなんか違う。もう一度こちらでリライトし、こっちの方が正しくない?と確認すると、「お前が正しいと思う」だって… なんか飄々としているんだ、ロビンは。あくまでユルい(笑)。歌詞もなんだか言葉遊びみたい。ただこの空気感というか、音楽の向こうに見える空気がしっかりあるんだよね。これが「表現者」ってやつなんだよね。単に楽器がうまいだけじゃ、こうはなれない。
「バンドにエイド」のアイディアを話したら、ロビンは「お前はいろんなアイディアを生み出すニワトリみたいな奴だな」と言った(笑)。そういう、何気ないロビンとの会話がすごく好きだ。
ロビンは実はあともう一回。もう一回だけ、とある企画で呼びたいと思っている。なんとか実現しますように。実はコロナ禍前から、周りの人たちに相談しはじめていた。だからなんとか上手く行きますように! 実現したらすごい企画です。がんばろう!
本日のカラオケ映像(笑)…ってわけじゃないですが、これかっこいいですよね。「ロスト・イン・トランスレーション」のカラオケ屋さん in 渋谷にて。
Instant Karma is gonna get you! カルマはお前を即座にとらえる…