THE MUSIC PLANTにおけるリリースは基本的に輸入盤に帯・解説付きという形態が多かったので、ライセンスし日本で製造したアルバムはそれほどありませんが、それでも30〜40枚くらいはあったかな…。いや、もっとか? いずれにしても日本でCDを製造するとなると、JASRACに使用料を支払わないといけません。
さて肝心の使用料の計算ですが、このようになります。定価があるものについては、ここに詳細がありますが、簡単に説明すると税抜定価の6%。ただしこれを曲数で割って8.1円より少ない場合は曲数 x 8.1円の方が優先されます。例えば2,300円のCDに20曲入っていたとします。そうすると1曲あたり6.9円になっちゃう。こういう場合は、8.1円の方が優先されるわけです。また1曲が5分以上のトラックについては「みなし」と言って5分ごとに1曲分追加されます。たとえば6:30の曲は、2曲分(つまり16.2円)、10:30の曲は3曲分(つまり24.3円)かかる。そしてシールを買いに行っていた時と同様、これが「売れた枚数」ではなく「製造枚数」にかかるわけです。
で、一方、「バンドにエイド」のCDみたいに一般市場の販売はなく値段のついてないCDの場合は、こんな計算式になります。やはり8.1円 x 曲数。これはチャリティだろうが、クラウドファンディングだろうが必ずかかります。作詞作曲家が「このCDはチャリティなんだから、いらないよ」と言ってくれたとしても、一度JASRACの管理になってしまうと、もう自分の作品ですら自分の自由にはなりません。そして海外の作家たちはだいたい自動的にJASRACになるわけです。そしてルナサやフルックの場合、それぞれ作曲者も違う3曲が1トラックになっているのだからたまりません(笑)。あっという間に曲は「みなし25曲」とか、そういうレベルになってしまう。
今、キャパシティ半分になったコンサート・ホール。業界全体が苦しむ中、やはりコンサートに対してもしっかりとチャージするJASRACに声もあがっているようです。公演は売れたチケットの枚数ではなくキャパシティに対してチャージしてくる。1,000人のホールであれば、お客が30人だろうが、300人だろうが、キャパ x 80% x 0.05みたいな感じで徴収される。もっとも現状このコロナ禍でキャパの半分しか入れられない状況下のもと、さすがの彼らも今の時期はキャパの半分というのを基準軸にしたようですけどね。詳細はここ。