短期集中連載:THE MUSIC PLANTが出来ること 2


1」からの続きです。まぁ、ぐるぐる、ぐるぐる… 考えましたね。あまり考えていたら酔っ払って、潰れちゃった(嘘です)。写真はいつかのツアー中、ウチのハーモニカバンド from フィンランド:スヴェングのマスコット、ヒルパ。

この状況下、いったい何が自分にできるのか。

なんかみんなを元気にするような配信イベントを考えてみようか。でも私も現在そうなんですが、妙な配信疲れってないですか? いや、楽しいんですよ。楽しいんだけど、配信だから「他の予定があって行けません」という言い訳が立たない(笑)。海外からだと時差もあったりしてもうキリがない。下手すると配信ということ自体が、そもそもミュージシャンのキャラクターにあわず、見ていて返って辛い気持ちになってしまう等々。そこまで無理をしてやっても、ミュージシャンに入るお金は、わずか。下手すりゃボランティアってことにもなりかねない。そんな状態でやる意味があるのか。 

いったいどうすりゃいいのか…

音楽の一体感を感じれること。そしてウチのアーティストが喜ぶこと。加えて私も嬉しく感じること。それは何か。

そうだ、自分の存在意義だ。そして私がアーティストとリスナーの両方に対して役に立てること。それはなんだっけ?

実際、このコロナ禍がなくても、今や海外の音楽をプロモーションする者の存在意義は薄れつつあります。ストリーミングで安価に音楽が楽しめる、並行輸入の安いCDがネットで買える、You Tubeにはたくさんのライブの映像があがり、リスナーにとってはほぼ無料で音楽をたのしめる最高の時代が到来しました。

そんな中、あえてリスナーとアーティストの間にたつ仕事をしている私みたいなものの役目とは?

どんな時、私は自分の存在意義を感じる? 自分が呼んだアーティストが無事東京の空港のゲイトから出てきて無事到着した瞬間…確かにすごく嬉しい。サウンドチェックで最初の音が出た瞬間…これまたすごく嬉しい。ステージの袖から最前列のお客さんの嬉しそうな笑顔を見た瞬間…この仕事をやっててよかったなと強く感じる。そしてミュージシャンがステージの上から名前を呼んでくれたり、丁寧にお礼を言ってくれた時… 今まで苦労したかいがあったなと思う。

でも、そういうことじゃなくて、そういうことじゃなくて…

そして思い出したんです。私が一番この仕事で喜びを感じる瞬間。もう無条件で「よかった!」とほっとできる瞬間。それはツアーが終わり、ミュージシャンを空港に送り届け、ミュージシャンにギャラを送金するその瞬間だったのです。

ん? 

笑わないでください。だって本当にそうなんですから!!

THE MUSIC PLANTは、今まで海外のミュージシャンの音楽を紹介してきました。この音楽おもしろい、ライブが見たいというお客さんが買ってくれたチケット代、CDの売り上げ…  それらをまとめてミュージシャンたちに送金することで、私の事業が成り立ってきました。それによって、お客さんは「あなたの音楽が好きなんだよ」って、ミュージシャンに伝えることができたし、ミュージシャンは「オレの音楽がこんなに日本で受け入れられているんだ」って強く感じることができたのです。

そうだ、それだ。なにかが見えたような気がしました。

続きはまた明日。