昨日は突如思いたってTwitterのSPACEとやらをやってみました。まぁ Club Houseみたいなもんで音声のSNSだね。夜の8時から30分ほど。一人しゃべり。バルトロメイ・ビットマンについて。彼らをどうやって見つけたか、初来日のバカなエピソードなど。
一人しゃべりは文化放送のインターネットのUNIQUEラジオというワールドミュージックのステーションで月イチ2時間のケルト音楽の番組をやってた頃以来。いやー なかなか難しいね。あの番組は… サラーム海上さんがケルト音楽なら、と局に私を推してくれたんだよね。ありがたいよなぁ。でも一ヶ月に一度の放送だったから2時間の番組をやっても、なかなか上手くなるまでにはいたらなかった。
ラジオや人前でしゃべる仕事…って、上手い人は必ずいうことなんだけど「上手くなるにはとにかく場数」なんだよね。自分の能力を鍛えるには一ヶ月一度は少なかったんだよなぁ。だいたいは一ヶ月後にスタジオに戻っても、前回の反省も生かされず…みたいな感じで。なので、結局あまり上達しなかった。まぁ、こういうのをやる主旨は音楽の素晴らしさを伝えることで、私が上手くなるのが目的ではないのだけど、私もどうせやるならやっぱり上手くなりたい。上手く伝えたい。
もちろん情報の発信というのは、重要だ。情報を伝えて、とにかくそこから1枚でもチケットが売れればというのはある。チケットを売るというのは本当にすごいことで、うちみたいな小規模なコンサートプロモーターはここで1枚、ここで3枚と売っていかないと目標の200枚にならない。アーティストの宣伝もそうだ。ここで3人、ここで1人と増やしていかないと、普通にしてれば1人減り、2人減りとファンは入れ替わるのだ。(これはミュージシャンの芸術ポイントとは関係なく、ファンからしてみたらマイブームのタイミングがあるわけじゃないですか。同じアーティストを4年以上飽きずに好きでいるのは本当に稀なことなんです)
まぁ、でもこういうラジオみたいなことでもやって、こんなバカな女がこの事業やってんだ、というのをあかすことで、ウチの敷居がさがるのかなとも思ったりした。先日も誰かが言っていたのだが、私はものすごく怖い女だという印象をもたれているらしいから(爆)それを払拭するにもいいかもしれない。
昨日話したことはほんとに内緒の話が多かったんだけど、ちらっと紹介すると、2016年くらいに「中央ヨーロッパシリーズ」を18ヶ月でやっていこうと決意した時に、3つアーティストを選んだ、という話から。一番やりたかった「ヤヌシュ・プロシノフスキ」そしていつか絶対にやりたかった「ライコー・フェリックス」。「バルトロメイ・ビットマン」はその中で、一番最後に、突発的にほぼ衝動的に決めたアーティストだ。でも今となってみれば、一番この3組の中で将来のポテンシャルが一番あるのは「バルトロメイ・ビットマン」なのであった。本当に人生は失敗の連続だ。いや、こうやっていれば、失敗も成功なわけで、そんな線引きは私の事業においては、まったく必要ないものなのであった。
彼らをブッキングした時、私はマティアスのお家があんなにすごいクラシックの名家だとはまったく知らなかった。(バルトロメイ家は、ウィーンフィルに120年以上もつかえるすごいお家。ひいおじいちゃんはマーラーの友達だった…)マティアスのチェロがすごい名器だということも知らず「ちっっ、チェロって面倒だなー」思っていたのだった。(チェロは飛行機でチェックインする人は少なく、人間と同じ座席が必要。マティアスのチェロはただでさえウィーンフィルの代々主席チェロ奏者の持ち物なのだ)…とかなんとか。ほんとバカすぎる。
とにかくしゃべり倒したけど、30分相手なしというのも大変だし、聞く方も面倒だろうから、もっと短く、しかしもっと頻繁にやる方がいいのかなと思ったりしている。こういうことは試行錯誤だな。たくさん失敗して、進まないとだめなんだよなぁ。よく野崎さんは何でも上手くいってますね、と人に言われるけど、全然だ。死ぬほど失敗の数もある。数打ってるから、何かが当たっていたり、まともに見えたりするだけで。(それは多くの成功者が皆言っていることだけど)このTOKYO SCREENINGだってそうだ。いったいこの赤字イベントになんの意味があるのか。それはしばらくたってみないとまったくわからない。
それはともかく…
若いアーティストたちはほんとに私に元気をくれる。二人は音楽に対して本当に一所懸命で、まっすぐコンサートの制作者である向かってくる。私はそれに答えないといけない。オーディエンスも聞くには覚悟が必要なのかも。もっと耳障りのいい音楽ならいくらでもある。でも私は彼らの音楽が好きだ。今でも、初めて彼らの音楽に出会った時のような感動を鮮やかに思い出すことができる。
この曲大好き! 彼らとの出会いのYou Tubeクリップ。