湯川れい子先生『時代のカナリア 今こそ女性たちに伝えたい!』を読みました

 


湯川先生の本が出ました!

先生の新刊が出たので、いつもの先生の生い立ちや華麗なワーキングウーマンとしての人生を書いた本だと思って買った。でも全然違った。これは私たち「妹たち」のための応援本だ。ぜひ若い女性もしくはYoung At Heartな女性に読んでほしい。

まず、この本を読めばよ〜くわかる。戦争で家族をとられたりすることが、ついこの前のことだったことが。芸術的な才能を持ちながらも戦争でなくなった上のお兄さんのことは他の本でも何度も読んだけど、今回もぐっと来た。

そして実は死ぬ覚悟で戦争に行ったのに生きて帰ってきたリアリストその下のお兄さんについても。下のお兄さんについては、私は初めて読んだような気がする。加えて自害の仕方をれい子先生に教えたというお母様の強かさ、迫力も圧倒的。

もちろんエルビスやビートルズとの出会いや、マイケル・ジャクソン、小野ヨーコさんやシンディ・ローパーとの華麗な交流なども書かれているのだけど…いや〜、音楽業界、基本男性社会だから、やっぱりすごい。

(ちなみに音楽業界で仕事人生を歩まれた女性たちのうち、やはり私が湯川先生を尊敬するのはフリーランスという立場だからだ。それはもう会社勤めでラッキーなポジションに起用された女性たちとは全然違うと思う)

そして、この本の多くのページには現在そして未来のことが書かれている。民主党のカミラ・ハリス副大統領や、伊藤詩織さんのことも紹介されている。特に副大統領のスピーチについては全文を掲載していらっしゃるほどだ。

先生がこの本でもおっしゃっているとおり、これからの世の中をよくしていくために、本当に女性の力が必要なのだ。

小さいことだけど講演会の楽屋に姿見があることや、登壇直前の迷惑なおじさんたちの楽屋訪問など、女性のスタッフがいたら(そして彼女たちの声が拾われていたのならば)改善されるに違いないことなども考えさせられた。

それは小さな例かもしれないけど、すごく的確に大きなことも指摘している。女性たちが社会にかかわることによって、今「やり逃げ」のおじさんたち(すみませんね、でも本音です)の居座るこの世の中が少しでも違う方向に行くのではないかと、私もかすかな希望を持っている。

それにしても私は高校の時からラジオ日本で全米TOP40を聴いていたので、先生と今、時々だけどご一緒できる仕事をしているのが、嬉しくてしょうがない。高校時代の自分に言ってやりたいわ、あなたには将来、湯川先生とご一緒する機会があるんだよ、だから頑張れよ、と。

先生とご一緒した一番最初のアーティストはメアリー・ブラック。メアリーとは確か3回会っていただいている。一番最近のものは、彼女の最後の日本公演の時。

この時は特に同時期に来日していたポール・マッカートニーが具合が悪くて、メアリーのコンサート会場からほんの数分の場所にある某ホテルにこもっていたんだよね。先生はポールのことを心配しながらもメアリーの最後の公演に来てくださった。



そして最近ではグリーンランドのナヌークのみんなにも会っていただいた。先生は相手がビックネームだろうが、あまり知られてないアーティストだろうが分け隔てなく接してくださり、その活動を励ましてくれる。

だから私も先生に自分のアーティストたちにあってもらいと思って、いつもご無理を言って忙しい先生のスケジュールをいただくことになるのだ。


先生がいらっしゃるとどんなパーティでも小さな集まりでもぱーーっっと場が華やかになるんだよなぁ。女性として、それはとても重要なことだよ。…とまぁ、私なんぞは憧れの視線を先生に送るのである。私もこんな素敵な大人になりたい!!

あと実は3年前、先生とご飯を約束していたその日、私は医者に言われて緊急検査のため大病院に送り込まれたのであった。そんなわけで絶対にこの世界ではありえない当日キャンセル。しかもお相手はれい子先生。ドキドキしながらも病院から先生の秘書の方にご連絡した。

地方講演やイベントへの出演も多い、本当に忙しい先生のスケジュールをドタキャンするなど自分の検査結果より何より、私hは先生に本当にご迷惑をおかけしてしまった…と青くなっていたら…

…そしたら先生からこんなカードが届いたのだった。

いつもの素敵な先生の文字… こういう方だから、たくさんの業界内のファンがいるんだろうなぁ…


こんな画鋲で壁に止めてたらバチがあたりそう。額装しなくちゃだよね…このカード。

それにしても、今回の新刊『時代のカナリア』。こんな応援本をいただいた、私たち自称「湯川先生の妹たち」も、今やさらに次の世代を応援する立場になった。

そういや、私よりいい学校を卒業した姪っ子がこの春から某地方の市役所で公務員になることが決まったと聞いて、ちょっとがっかりしたのだけど、彼女にこの本を送ってやろうか。

いいや、この時代、公務員も大変な仕事かもしれない。うまくいけば、彼女はそこでかけがえのないやりがいを見つけられるかもしれない。何はともあれ頑張れよー これからの女性たちに乾杯!!