尊敬する大阪の書店:隆祥館書店の二村知子さんが、青木さんのイベントをプロデュースし本も売ってらしたので、いつもの冒険研究所書店ではなく、そちらで購入しました。頑張っている本屋さんは応援しなくちゃ!
二村さん、本当に素晴らしい書店経営者さんなのです。ツイッターはこちら。
トークイベントもとても有意義で最高に充実してたけど、本ももちろん面白かった。青木さんが書かれた本の中では一番面白いかも、です。
青木理さん、同じ年なんだよねー 元共同通信記者。小諸出身の温泉好きのボヤキおじさん。『津田くん』とかジェンダー問題とかをポリタスの女性陣にやゆられながらも、照れ笑いするおじさん。でもするどい切れ味でテレビのサンデーモーニングやラジオでも大活躍。検察問題、死刑廃止についても大変活躍されていえるジャーナリストさんの一人だ。
青木さんが頑張っていることで、勇気をもらっている人、少なくないと思うよ。先日、荻上チキさんの番組(吉原真里さんの取材立ち会い)に立ち会ったら、リアルで拝見できて心の中は踊った。実在したんだ、青木さん(爆)。そして、ほんとに背が高くてかっこいい。
いや、それは冗談として…青木さんの本は「安倍三代」「日本会議の正体」なども読んだけど、これが一番好きかな。
というか、青木さんは文章で読むよりもこういう対談の方がいいかも。いわゆる普段ラジオやポリタスで見る青木さんそのままが感じられるから。
この本では、時代の流れに逆らって生きる9人の「反逆者」たちを紹介している。もともとジブリの「熱風」の連載で書いていた対談シリーズだそうだ。だからこの前にも同じ本が出ている。確か一冊めは購入した記憶あり(積読になっちゃってるかも)。
ジブリの映画は好きじゃないけど、いろいろ感心するよ。なるほどねぇ。青木さんの連載が載っているとは。「熱風」やるなぁ。(←上から目線)
しかしこの9人。私が事前に知っていたのは、松尾貴史さん、クローズアップ現代の国谷裕子さん、ウィシュマさんの件で活躍されている指宿昭一さんくらい。他は勉強不足で全然知らなかったので、目鱗だった。しかしこういう人たちが頑張っているから時代は流れるんだなぁと思えたすごい人たちだった。
自分用にメモ。李琴峰さんの本は、まさに読もうと思っていたので「おおっ、このかたか!」と妙に嬉しくなってしまった。ちょうど友人のこの方の本を勧められたところだった。注文しているので、その書店からの次の発送時に届くであろう。
台湾出身なのに日本語を駆使して小説を書く。まるでケズナジャットさんみたいではないか!こういう人から見たら、今の日本はどう見えるんだろうかというのがヒシヒシと感じられる対談だった。
そして中島岳志さん。保守だけど話のわかる保守(笑)といった感じ。「人びとの前にニンジンをぶら下げ、結局は何もしないで権力を牛耳ったのが安倍政権だった」とバッサリ。そして二大政党は日本では無理と、こちらもばっさり… うーーん。
松尾さんの「テレビの世界というのは水が低きに流れるのと一緒。レベルの低いことをやると視聴率がとれる」=ここに大きく頷く!! うん、うん、うん!
国谷裕子さんの「質問」の重要さ、「起きていることの底流をつかむ」というのも納得だ。彼女はいわゆるテレビのインパクトというのをよく理解せずにあの番組をやっていた、と告白している。
起きていることの表面を見ることは大事だけど、そこの底流をつかむのがキャスターの重要な仕事と。
指宿さんが17回も弁護士試験を落ちたという話にもびっくり。そして弁護士である前に、自分は「活動家」だと話す。すごい。指宿さん、ぶれない。信念の人だ。それはこの本を読むまでもなくわかっていたことだったけど、ますます応援していくぞと思った。
ロシア文学、翻訳家の奈良さんのお話も面白かった。この『夕暮れの街に夜明けの歌を』はぜひ読んでみたい。彼女の本からの引用である「世界には文学が足りない」は、青木さんも絶賛している。確かに本当に響いた。
「文学の存在意義さえわからない政治家や批評家もどきが世界中で文学を軽視し始める時代」
「おかしいくらい歴史のなかで繰り返されてきた現象なのに、さも新しいことをいうかのように文学不要論を披瀝する彼らは、本を丁寧に読まないがゆえに知らないのだ。これまでいかに彼らとよく似た滑稽な人物が世界中の文学作品にえがかれてきたかも、どれほど陳腐な主張をしているのかも」
うーん、若い方なのに、すごいなぁ。奈良有里さん、82年生まれ。
斉藤幸平さん、経済思想家の話も面白かった。ある意味ラディカルであると感じられる思想だけど、いやー 本当にこういう世界になったらいいのになと思わずにはいられないところがあった。アメリカでバーニー・サンダーズが人気があるのもわかる。時代はそっちに流れていくのかもしれないなぁと思ったり。もうガツガツした拝金主義はやめようよ。もう流行らないよ、と。
そして栗原俊雄さん「戦後補償問題」。こちらもジャーナリストでありつつも、アクティビストでもある記者さん。
硫黄島の取材は圧巻。この章が一番すごかったかも。遺骨収容の話にはひどく心を揺さぶられた。アメリカなどは兵士の遺骨は必ず収集するそうだ。では、今の辺野古で起こっていることは矛盾ではないのか…等々、あれこれ考えさせられた章。
それにしても水もない超暑い島で、奴隷のようにされてきた人たちがいると思うと…絶句。また民主党政権時代の戦後保障など知らないこともたくさん。硫黄島の本は、そういえば積読になっているノンフィクションもあった。早急にそれも読もう。
そして最後は徴用工、慰安婦問題など、戦前戦中の日本統治による被害や歴史研究に取り組む団体の代表者。日本語もとても流暢だ、という。(対談も日本語で行われた)青木さんはご存知のとおり韓国で特派員もされていたから、この問題については詳しい。
とまぁ、ざっと内容を紹介したけれど、どれもとても充実していた。これからも連載を期待しています、青木さん!
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