草薙厚子『僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実』を読みました

まだまだブック・レビューがたまっています。これ2日で読んじゃった。すごく面白くて、久しぶりに夜明けを見るかと思ったよ。スイスイと、あっという間に読破。


こちら、この番組を見たことから、この件に興味がわいて読んでみた。それにしてもこの事件当時の記憶がまったくないのだが、私はこの事件に興味を持っていたのだろうか… 本当にやばい。いつもいろんな事件を忘れてしまう。

こちらはトレイラー。

とにかく番組を見て、すごく興味を持ってこの本を購入。読んでみたけど、びっくり。これ、ほとんど供述調書まんまじゃん?!

今回鹿児島県警の例の問題で、いわゆる「情報源」を守ることや、兵庫県知事の「公益通報者保護制度」のことなどが話題になるなか、あらためこの件に光があたっている今日この頃である。

最初はこの本は、もっと普通に書かれていたのだという。ところがそれを「供述調書から」ということを強調し、はっきりこういう形に収めたのは出版社の編集者だそうだ。確かにその方が迫力や内容の説得力がある。そしてそのせいか、めちゃくちゃパワフルで説得力がある。

が、が、が、!! そんな作業をしておきながら、当時、供述調書をバラしたということで編集者は糾弾されなかったというか、外に出てくることはなかったのだそうだ。著者の草薙さんと告発者だけが矢面に立たされた。

なんだっけ、先日PVでミスを犯した若いバンドみたいな感じだ。レコ社もスポンサーも、「知りませんでした」ってか??! これはちょっとないのでは? 著者を守ることは出版社必須だろう。ありえーん。

これ、著者の人、つらかっただろうなぁ。心中さっしてあまりあるものがある。なんで、そこで編集者が出てこなかったんだろう。講談社としては、いったいこの件はどういう見解だったのか。(誰か詳しい人、マジで教えてほしい。どっかにまとまったページあるんだろうか)

だから、今回のドキュメンタリーで編集者が対応したのはすごく誠意があると思った。時間は遅すぎだけど、そうでなくっちゃダメだよ。

しかし、こういう人たちを国はいじめてどうすんだろ。それやって誘導するような裁判や取り調べして、この件をどこに落とし込もうとしているのだろう。

そしてこの検察医の先生。本当に泣ける。信念の人だ。ご自身が犠牲になって、それでも自分の思う正義をつらぬいた。

本当にこういう事件って、見えている物と、見えない物の差がありすぎる。マスコミのいい加減な報道が悩ましすぎる。

なんかなぁ、考えちゃうよなぁ。

そして、この父親…ちょっとありえない。DVをやる人によくあるというけれど、あきらかにこの父親の暴力は常軌を逸している。こういうのは、おそらく一生なおらない。

確かに子供に時間をかけたこと=愛情なのかもしれないけれど、単に自分の仕事のうっぷんをそこで晴らしていたんじゃないのか。とにかく最低だ。こういう人が人の親になるのか。いや、この父親にも同情すべき点はあるのか?

長男が出所してきても、絶対にこの父親とはくっつけない方がいいように思うが、どうなんだろう。

それにしても関テレってフジテレビと同じグループだよね。いいドキュメンタリー作ってるなぁ。こちらもなかなか良い。


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