映画『Mommyマミー』を見ました。


なんというか、この事件については、私はだいぶ前に本を読んでいたので、割といろんなことは知ってるという自覚はあった。実際、この映画を見ていて知らなかったことは、ほとんどなかった……のだが。

ただ同じ情報でも映像で見ると、かなり印象が違って見えたのは事実。まずは映画ができたことに拍手を送りたい。

特に最後の昔の麻雀仲間を訪ねていくシーンは、かなりグッと来た。この人たちにしか分からない絆…? いや、絆って言っちゃうとなんか違うなぁとも思うんだけど、とりあえず人間のつながりみたいなものがあるんだなぁと感じた。彼らも、年月を経てすごく歳を取った。

そして林夫婦。これも「愛の形」なんだろうか。私にはまったく理解できないが、ただただ一緒に時間をすごし、もう相手に殺されそうになろうが、なんだろうが、ひたすら自分がいる日常の団らん、お誕生日会や日々の行事を仕切っていた妻のことを信じてるってことなんだろうか。

私には理解できないが、そんな家族の姿があった。

それにしても、この映画が発表された時の世間の盛り上がりだよなぁ…。本が出た時よりも話題になってる(個人の感想ですが)。やっぱり本より映画がリリースされた方が、世間は注目して盛り上がるんだなと思った。

それとも単に誹謗中傷やらなにやら、世間の盛り上がりが、本が出た時期よりさらに悪い方向に進んだということなのだろうか? それで話題になったんだろうか。

この映画の監督もこの映画を作ったきっかけは田中ひかるさんのあの本だったらしい。

誹謗中傷…確かに日々エスカレートしているのは感じられる。それでも映画が始まったとたん「誹謗中傷は…」という注意事項が大きく映し出され、ちょっと引いた。

何もお金を払って見にきている人たちに、それを言うことはないのではないか?と思わないでもなかった。私は映画上映のたびに見させられる、あの映画泥棒の映像ですら大嫌いだし、あれを見せられて無駄にする時間が本当にもったいないと思う。

いや、でもわからない。映画制作者たちとしてはこの映画に出演し、協力してくれた人々に迷惑がかかるのを一番の弱味にしているのは事実で、そんな痛いところをつかれた制作側の立場では、こうするしかなかったということなのかもしれない。

私も同じ立場になったら、そういうクレジットを出そうという結論にいたるのかもしれないし、結局のところ当事者や同じ経験を持ったものでなければ、判断できない。無闇によく知っているわけでもないのに人のやっていることを批判してはいけないと思う。

が、もう一度言うが実際そんなクレジットを見てちょっと引いたのも事実。

映画の内容だけど、ドローン多様の最近のインディー・ドキュメンタリーあるあるって印象がひとつ。あとは、あの、なんというか、ちょっと隠し撮りみたいな撮影方法はいったいどうなんだろうなと思わないでもない。(実際それで問題になり、結果被害を訴えていた人とは示談成立ということになったそうだ)

とはいえ、時々挿入される車椅子を押す息子と父親の関係は、なんかちょっといいなとは思った。あぁいうのは書籍じゃ、なかなか表現できない表現なのだし。

そして長女の自殺。「彼女は必死で幸せになろうとしてた。(だから絶望して亡くなった、ということ?)一方、自分はもう諦めてたから」みたいな長男の発言に、うーーーーーんとうなる。これはきつい。

ちなみにカレー事件の真相だけど、私は彼女はやっていないと思う。もっともヒ素やら保険金詐欺やら、まったくもってひどい人間なのは間違いないのだけれど、無差別にカレーに毒を入れるということはやってないように思う。だからカレー事件については無罪ではないのか。

それにしても何年もたった後でも、何も言わない近隣の住民の皆さんが怖すぎる。もしかすると彼らの中では真犯人は察しがついているのではないか?

だから余計なことを言わないよう、何か言って近所から村八分にならないように静かにしている…ということなのかなぁ。こんなこと書いちゃうと問題かしら。でも、いずれにしても本当に怖いと思う。こういう閉じたコミュニティ。

私のようにどこに引越してもええやろと思える人間と、その土地に根付き動くわけにはいかない人たちの価値観は大きく違う。色々考える。

ただひとつ誰にでもはっきり言えるのは、とにかく無実の人を公式に殺わけにはいかないということだ。それにつきる。それだけは圧倒的に明確だ。

もしかしたら真犯人はもう明らかにならなくてもいいんじゃないか。それでも、やっぱり無実の人を殺しちゃいけない。それがどんなに酷い人間であろうとも。

まぁ、何度も書くけど、私には映画よりも、最初に読んだ本の方が説得力あったかもなとは思う。本の感想はここにアップしています

良かったら。田中ひかるさんにこの映画について、どう思ったか感想を聞きたいなぁ。彼女についての言及がパンフレットにおいてもまったくないのが、ちょっと気になる。


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野崎が店長として常駐する他、特別ゲストあり。

8月16日(金)〜20日(月) 12:00〜19:00
神保町Passage (すずらん通り、神保町駅徒歩2分)

▪️ゲストご来店予定スケジュール
17日(土) 12:00〜14:00   かげはら史帆さん(調整中)
17日(土)17:00 〜19:00 イラストレーター 柏木リエさん
20日 (火) 17:00〜19:00  ビートルズ専門家 藤本国彦さん

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