浜田敬子さんが激推ししていたので、観に行ってきました。『揺さぶられる正義』
今年の報道系ドキュメンタリーでは、一番だったかも。とにかくすごい。関テレ勤務の報道記者:上田大輔さん。もともとは弁護士で、最初は企業内弁護士として入社、そこから報道部に移った。
マスコミの報道の仕方にとにかく問題がある。テレビは逮捕されたら「逮捕されました」じゃなくて罪を認めたり、有罪になるまでは、報道はしない方がいいんじゃないか?と思った。警察発表をまんまニュースにしてるだけで、いいんだろうか、みたいなことをまず考えた。
それにしても冤罪に対する検察側、警察側の緊張が緩すぎる。
特に登場したカメラマンさん家族には、同情しても、しても、したりない。悪いことなんかひとつもない。子供を失っただけでも辛いのに、こんなことが許されていいんだろうか。いや、でもこれが現実だ。こんなことは二度と許しちゃいけないだろう。
それにしてもカンテレ、すごいな。フジテレビのことや、いろんなことがあるにせよ、メディアにこういう気概がある方がいるというのは希望だと思う。
こちら上田さんが出ている番組。まぁ、毎度の自社作品を公共の電波使って宣伝…というのはあるにせよ、これはたくさんの人に見てほしいというのはある。
マスコミの人たち、メディアの人たちは、こういう気持ちを忘れちゃいけないと思う。
映画の後半に出てくる今西さん、You Tubeの「街録チャンネル」にも出ていた。ちょっと想像を絶する、有罪の押し付けぶり。いったいどういうことなんだろうか。
1年くらい何も連絡なく、ある日、いきなりとり囲まれて連行された。そして、それを報道すべくカメラを準備していた報道陣。いったいどういうこと? リークしてたってこと?
いったい何様? そして裁判の前に、彼らはもう今西さんを犯人扱いしてる。
そして、奥さんお嬢さんとの結末が可哀想すぎる。とはいえ、ちゃんとノートにしっかり記録してた今西さん、素晴らしい方だ。絶対に負けなかった。私が同じ立場に置かれたら、絶対に無理って思う。多くの人はそうだろう。そうやって諦めてしまった人が、いったい今までに何人いたんだろう。
裁判官も検察も警察も「絶対に騙されんぞ」という形で容疑者に対峙する、とこのドキュメンタリーは語る。でも弁護士は「信じる」と。騙されてもいいじゃないか、と、とにかく話を聞く、と。そこから始まる。なんとか冤罪の人を出さないように。
それにしても今西さん。出られると決まった時に「よかったな」と言ってくれた刑務官さんの話もされていて、ちょっと泣ける。いい人…というか、そうやって、まっとうな人は必ずいる。それなのに、なぜ?
冤罪。誰にでも起こりうること。怖すぎるよね…その人の大事な人生の時間を奪うわけだから。
映画に出てきたイノセンス・プロジェクト・ジャパンのサイトはこちら。
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◎野崎は、現在作曲家:日向敏文さんのマネジメントおよび宣伝をお手伝いしております。
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