これ、まじで感動しまくった! いやーー 良い本だった。ちょっと興味を持つきっかけがあったので『窓ぎわのトットちゃん』も最近読み返していたんだけど、あれも良い本だよねぇ。ほんと引き込まれる。
黒柳さんって、本当に利他の人だなぁ、と改めて。最初のトットちゃん本も「ともえ学園」の素晴らしさを残しておきたくて、という目的で作ったそうだ。今回も「戦争の悲惨さを後世に伝えたい」というのが、本を書く動機だったらしい。
もちろんなんだかんだで「超お嬢様」。とはいえ、子供の頃、特に戦争中は大変な目にあっている。が、とはいえ世俗的なことにまきこまれずそのままお嬢様のまま育ったというのはあるのだが、それがとても素晴らしいと思う。
その戦争体験部分がやはりとてもヴィヴィドで、そこはうんと引き込まれた。お母さんがとにかく前向きで素晴らしい。お父さんが戦地に赴く中、子供達をかかえ、一人奮闘し、そしてかなり事業でも成功した。そういう血がトットちゃんの中に流れているに違いない。
トットちゃん、本当に戦争は絶対にいけないとそのことを伝えたいということで、この本を書いたのだそうだ。だから本当にお腹がすいてひもじい思いをしたこと、一人電車に乗って疎開していったことなどが、まるで昨日のことのように描かれている。
例えば地元の本屋さんからどんどん本がなくなって、それはまるで空の本棚を売っているみたいだった…とか。そうそう、黒柳家では買い食いは禁じられていたけど、本をツケで買うのは許されていたんだって。素敵だよねぇ…
あとは本当にひもじくて、今日のご飯は豆が15粒という日もあったそうだ。お母さんは「それを少しずつ食べてお水を飲めばお腹がふくれるから」と言ったそう。それでもお腹がすいて、すいて、トットちゃんはあっという前にその15粒食べてしまう。
また何も知らずに兵隊さんたちを「ばんざーい」と見送ったこと。「ばんざい」をするとスルメの足がもらえたのだそうだ。トットはするめの足目的で「ばんざーい」に参加した。その無責任さが、自分の責任だとトットちゃんは大人になってから後悔する。
妹が生まれ、そして上の弟が敗血症で亡くなってしまったこと。ペニシリンがあれば助かったのに…という状況だったらしい。戦争は本当に悲惨だ。でも不思議なことにトットちゃんには弟が亡くなった記憶がまるでないのだそうだ。たぶん亡くなったことを受け入れられず封印してしまったのかも、と大人になってトットは思う。
いやもちろん、再び言うけど、結局のところすごいお嬢さん育ちだってのはあるのかもしれない。でもそれにしても「職業婦人」が珍しかった時代だ。
最初は「絵本の上手に読めるお母さんになる」という目的だったのに、あれよあれよという間に女優になった。そして今まで独身で、子供を持たずに来た。
強くは書いてはいないんだけど、絶対にすごい苦労もあったはずなのに、すごいよなぁ。そして、こんなに頑張れたのは好きな仕事してきたからだ、とトットちゃんは強調している。
私は黒柳さんには到底並ぶことなどできないが、私も57歳にしてすでに同じ気持ちだ。ここまで頑張れたのは、好きなことを仕事にしてきたからだ。それに尽きる。
あ、あと面白かったのは、あの徹子の部屋のテーマ、最初は歌で歌詞がついていたってこと。
そして黎明期の紅白のバタバタも興味深く読んだ。そして黒柳さんが本当に歌手の皆さんをとてもリスペクトしながら司会をやられていたことも。犬に「メスですか、オスですか?」と聞くところなど、爆笑。そして寅さん(渥美清さん)とのエピソードにはやっぱり泣けた。
いやー さすがの大ベストセラーだということはある。今、本屋にいけば、どこの本屋でも間違いなく平積みだ。すごい引き込まれるし、素晴らしい本なので、ぜひぜひみなさんも読んで。
いわさきちひろの装丁が、とっても素敵。いわさきひちろは大好きで、私が自分で「美術館に行きたい」と言って、親を説得して行った初めての美術館だった。
親は最寄り駅がJRの駅じゃないといって、びびっていたのを今でも覚えている。でも自分の意思で行った場所だったから、私はとってもとっても感動した。あれは中学生の頃だったと思うので、あれからずいぶんたっちゃったけど、また行ってみようかな。
12月に公開されるという映画もめちゃくちゃ楽しみなのであった。アニメは苦手だけど、絶対に観に行くつもりでいる。
徹子さんのYou Tubeすごい面白い。ここ数日何回か見てます!
本にも紹介されているお父様のエピソードが泣ける… 本当に戦争はいけないですね。 こちらは楽しい大食いシリーズ。すごい、驚愕、徹子さん、私だってこんなには食べれないよー! いいなぁ、私もこういうかわいいおばあちゃんになりたい。無理か…(笑)っていうか、「おばあちゃん」って感じしないよね。いつまでも少女のような徹子さん、いつまでもお元気で。