歌う。尼さん



今日は病気になった友人を二人もお見舞いした。でも二人ともそれぞれに元気で、頑固ジジイの大不摂生野郎だったくせに(笑)、医者の言うことをちゃんと聞き、かなり優等生の患者をやっていたので、私は心底安心すると同時に、なんだか二人に勇気をもらった。それにしても二人ともユーモアを忘れずかっこいい。オヤジ〜ィ〜、やるなぁ!という感じだ。

お見舞い道中、やなせななさんの「歌う。尼さん」を読破。やなせさんは私は友達がマネージャーをしていたころからファンで、ずっとコンサートを聞きに行っていたのだけど、その友達がこの業界から実は消えてしまったことをきっかけに(T君、マジで復活を期待してますよ、元気ですか?)、ずっと気にかけていた人でもあった。というより、個人的にやなせさんの歌がまた聞きたいなーといつも思っていた。

で、嬉しいことに今度ウチでコンサートのお手伝いをすることになったんですよ。やなせさんのことはインタビュー記事とか読んで、いろいろ知っているつもりだったけど、この本を読んだら新しい発見がたくさんあった。それにしてもこの表紙の写真が良いでしょ。人相には、いろんなことが現れるって仏教の考え方じゃなかったっけ? そんなことを思い出させてくれる優しいお顔のやなせさんがとっても印象的な表紙です。

本の中で感動したの場所はいくつかあったのだけど、私が一番心に残ったのはやなせさんが「歌は,誰かのために歌うものである、ということ」に気づくという場面。それまでの自分は自分が楽しいから歌っているだけだった、と。

それにしても、今日のお見舞いの事とといい、本当に人は、これまた人のために存在するんだなと思いました。友人を元気づけるためにお見舞いにいって、逆に励まされた私。やなせさんも誰かを励ますために歌っている。それによって励まされ自分の道を見つけたやなせさん。私もコンサートを作るのは、お客さんとアーティストのため。でもって、そんな風に思った時に、人は自分の使命とか、やるべき事、進むべき道に気づくのかも。

私が大好きなやなせさんの「街の灯」は、アメリカがイラクに爆撃を開始した時に書いた曲だそう。遠い国ではじまった戦争を思い書いた。たくさんのいのちを宿して輝く街に容赦ない爆撃が繰り返されたいた。おだやかな暮らしを描くことで反戦を訴えようとした曲、とやなせさんは本に書いています。

6月6日、土曜日の午後、吉祥寺でコンサートがあります。詳細はこちら。「歌う。尼さん」についてはここ