ジョン・スミス、最高!

というわけで、ジョンが元気に来日しています。初日はランチにお寿司を食べて2時間ほど休憩したら、すぐに町に繰り出し秋葉原そしてお茶の水へ向かいました。それにしてもジョン、秋葉原で全然違和感ないなーっっ(笑)。こんなに観光に熱心なミュージシャン、ウチも久しぶりです。でもって、ジョン、ゲームが好きで、すぐゲームセンターをのぞきたがるんだよな。別に何をするわけでもないんですけどねー。お茶の水においてはギターよりもギア関係(エフェクトやペダル系など)が気に入ったみたいで熱心に見てましたよ。ステレオケーブルをお買い上げしご満悦。

それにしてもジョンに感心したのは、なんだかとっても礼儀正しいこと。コンビニで何か買ってもちゃんと「ありがとう」と挨拶しニコニコとお辞儀をし(映像参照)本当にいい子なんですよ。で、人に言われてきづいたのだけど、これって英国人特有なものかもしれませんね。

それから感心したのは、例えばジョン・マーティン師匠とか晩年はお酒がひどく荒れていたはずなので、ジョンも絶対に前座やってて大変だったはずなんですが、「実際どうだった?」と突っ込んでも、絶対に師匠の悪口を言わない。実はこれ、私にとってはひっかけ問題でジョン・マーティンの事を知りたいわけじゃないんです。ジョンがどういう奴なのか知りたいから聞いているわけで、そういう意味では超・合格。こういういい子だからジョン・マーティンも相当可愛がってたんだな、と納得です。ジョンは楽器のこととか、本当にいろいろジョン・マーティンに教わったって言ってました。そしてコンサートのたびに、たくさん飲み物を買ってもらったり、本当によくしてもらった、って。えらいなぁ、ジョン。なんていい子なんだろ。

しかし1月にグラスゴーのバーでは「絶対に無理」と断ったのに、半年後にはこうやってプロモだけど来日が実現できているわけですから、ジョンも相当強い星の下に生まれたアーティストなんだと思います。なんかジョンが次に日本に来ると時はメジャーレーベルと契約して、メジャーなプロモーターさんで来日しそう。うふふ。そうなってくれれば、私も本望ですけどね。

それにしても京都のライブは実はいろんな事情で急に決めた事だったし、天気も大荒れだったので、お客さんがたくさんくるとは思っていなかったのですが、それでも熱心な皆さんに囲まれ、とりあえず初日が無事にあけたという感じでした。ご来場くださったお客さん本当にありがとう。コンサートは「Invisible Boy」で始まりました。セットリストは、またすべての公演が終わった時にでもアップしますが、本当に最高に素晴らしいパフォーマンスでした。私はかぶりつきですっかり堪能しちゃいました(笑)。

ギターが巧いのは、これはまぁもう当然なんで、あまり書きませんが、以前観た時より、歌が抜群に上手くなったように思えました。ヴォーカルって難しいんですよ。だいたい上手いと言われている人もなんか「歌いっぱなし」って印象があるヴォーカルは私は好きじゃない。エディもそうだし、ブーとかもそうなんだけど、きちんと細かい息づかいや声の最後の最後まできっちりしている人が私は好きなんです。もっとも本人たちは意識して歌っているわけではなく、相当ナチュラルなんだけど、息づかいや、ちょっとした息の抜き方も、しっかりこっちに気持ちよく伝わってこないと、歌がうまいとは言えない。その点、ジョンはとっても自由に歌っていながら、かつ本当に細部まできっちりとコントロールされているように聴こえる。いや、本当にスゴい才能だと思います。

ホントに真面目でいい子なので、仕事の話もたくさんし、仕事の価値観とかも私とバッチリ会う感じで、すごく楽しいミニ関西ツアーになりました。ジョンとも話たのだけど、1対1ツアーって本当にめちゃくちゃ濃密なんですよ。これがラウーとかヴェーセンだったら、奴らのグループに私が溶け込めばいいのだけど、グレンとかもそうなんだけど1対1は本当に濃い。しかも初めてで、言ってみれば、いきなり全然知らない相手なのに、突然超パーソナルな関係になるのだから本当に面白いわけです。うーん、この濃さはやっぱり止められないな〜っっ。いいよ、1対1ツアー。本当に、こういうのはウチみたいな自主レーベル/プロモーターならではの関係かもしれません。

というか、ジョンが本当にいい人だから楽しいんだと思います。ウチは本当にアーティストの才能と人の良さにはかけては、世界で一番幸せなレーベルだということは間違いないですね。相手がイヤな奴だと本当にイヤになるのだけど‥‥こういう「どうぜ赤字プロジェクト」の場合は、特に。黒字になるんだったら多少のことは我慢するんだけどさ(笑)。いい人だと、もう本当にこちらも勇気をもらうというか、なんというか。多少大変でもジョンのために頑張ろうという気持ちになるから良い。相手がダメだと、ほとんど拷問同然に仕事なのだけど、アーティストが良いと頑張れる。ジョンが本当に素晴らしいから頑張れる。

それにしても、なんて、いい子なんだろ。何をやっても喜んでくれるし(って、初来日の今だけかもしれないけど)、もちろんアイルランドでも会って話も結構したし,グラスゴーでも話をしてたんだけど、こんなに可愛くて、仕事に対してもポジティブな子で本当に良かった。っつーか、きっとこれはジョンの親がいいんだな。ちゃんと愛情をもって育てられたって感じがする子です、ホント。

音楽が素晴らしいのが何より。何度も書くけど、まずあのアルバム自体が本当にすごい傑作だと思う。ジェイソン・ボスホフ、すごいな。よく野外で、しかもスワンプ地帯で録音しようと考えついたよなー。音だけきいているとイギリスのアーティストに聴こえないし。それにしても、あぁいうレコーディングだから当然ライブ・テイクで一発録りだし、ジョンが相当ウマくないとできない技ではあるよね。

なんと言っても、あのヴォーカルの気持ち良さはたまりません。生のジョンは本当にすごい。ギターが凄いのは当たり前だけど(って、何度も言いますが)、いやホントすごい。以前マーティン・シンプソンのギターを生でみてびっくりしたことあったけど、きっとジョンもあんな感じになるね。まだ27とかなので、きっともっとうまくなるね。すごい。

それにしてもコンテンポラリー系のすごい人のすごさを改めて認識してます。私なんかは例えばポップスがもうつまらないと思ったから伝統音楽に流れていった音楽ファンなのであるのだけど、例えばウチのグレン・ティルブルックのライブ。グレンが来る年は毎年ウチの年間ライブの1位をグレンが持っていく。他に伝統音楽系の誰が来日しようとも、グレンの絶好調の時にはかなわない。だからジョンもそんな風になるのかもしれない、とちょっと思う。京都のパブで、かなりラフな環境で、初日で、割と力をぬいた演奏を聞いただけなのに、今年前半、誰を来日させたのか、私はもうよく思い出せない。もっとも今年はなんといっても、この後に超伝統系の最強天然グループ、Nordik Treeが控えているわけだから、なんとも言えないのだけど(笑)。あのヘンの無欲/天然の良さと、ジョンと、どっちが勝つか。自分の中でも楽しみ。あ〜〜っっ、もう待ちきれん!

さて、今回の来日、いろんな人の協力であちこちでイベントが仕組まれているので、ぜひぜひ皆さんご来場ください。詳細はここです。

ただ今、ジョンは日本のどこかでホリディ中。8日(木)に東京に戻ってきて、そこからプロモーション来日が本格的にスタートします。日本のどこかで映像にあるみたいに鞄を斜めがけした、こんな外人をみかけたら、それがジョンです。声をかけてあげてくださいね!

私の方はと言うと、プロモスケジュールのうち、あと2媒体、まだ未定なものがあり。細かいところを調整中! 頑張りマース。これでCDが多少売れて、多少でも投資した分リクープできますよーに!!