お客さんからのメールへの返事

いつもこのブログは誰に向けて書いているのかな、と思います。

今日はグレンのファンの方からメールをいただきました。

私はお客さんからいただいたメールには、
よほど馬鹿な質問でもないかぎり
(そういや以前宿泊先を教えろというのがありましたが/笑)
なるべく真面目に返事を書くことにしていますが、

今回の返事は、とっても長くなってしまったので
ブログに公開することにします。

だからこのブログはお客さん、
特に今日メールをくれた〜〜さんに向けて書いています。

〜〜さん、ありがとうございます。私の返事は下記です。

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〜〜様、

メール興味深く拝見しました。年間たくさんのライブに行かれているんですね! 素晴らしい。応援しているアーティストさんの一人一人が、〜〜さんが、支払っているチケット代に、そして、わざわざ使ってくれる時間にとても感謝していることでしょう。

グレンもそうです。グレンに変わってお礼を申し上げます。ありがとうございました。

そしてメール、ありがとうございました。〜〜さんも、私のこともいろいろ考えて言ってくださっているんだろうと思います。貴重なご意見、本当に感謝です。

あの横浜の夜はなかなか面白かったですよね。グレンも楽しんだと思います。そして私のブログを読んでくださっている、とのこと。ありがとうございます。

まぁ、ただ言い訳に聴こえるかもしれませんがブログに書いてあることがすべてだと思わないで欲しいなというのはあります。

それは私のブログに限らず、どのメディアで起きていることにも言えることですが。

私のブログに関していえば、書いてあることは、実際起こっていることの1%に満たないと思うし、本当に言いたいことは、実際何1つも書けていないのが現状ですが、でも、〜〜さんのメールを拝見して、ある程度の情報量があると、「すべてをぶちまけている」ように見られるんだなーと思いました。

というか、「ある程度の情報量」は、その先の本来あるべき想像力を奪いますよね。

テレビとかもそうですけど、テレビで何かが流れると、それがそのものだと誤解され、その先の理解力や想像力が遮断されてしまう、と。

もしかすると、返って情報を流さない方が想像力をかきたてて良いのかも。いったい、どちらがいいんでしょうかね。悩ましいところです。



ただ私の尊敬するウェッブ上の大先輩たちのやり方をみていると、この時代、情報がない方がいいというのは、ありえないように思えるのです。私がファンだったら、どんなことでも知りたい、と思うし。

日本の政治にしても環境問題にしても一緒です。知らない方がいい、知らない方が幸せという時代は終わったと思うんですよ。知らない方がいいっていうのは「無責任」にもつながりますしね。

これからは情報をなるべく公開して、問題があればある程、公開して、その問題を多くの人に投げかけていく時代だと思うのです。そして情報発信する人も受け取る人も、そこから何が自分に出来るのか建設的に物事を進めていく。そうあるべきだと思います。

でも、そうしたからと言って、すぐそこに答えがあるわけではありません。

答えはない。明確な答えがある事など何一つない。それは歴史が証明しているし、これからもそうでしょう。

そして誰もが、結局のところ自分は何も知らないのだ、自分の範囲内で考えて、自分のできる範囲で努力するしかないのだという事を実感するにすぎないのですよ、きっと。

それでも、これから何かが変わっていくことを信じて、ある程度の情報は出していきたいと思うのです。

それは絶対に知っていた方が幸せだと思うから。今は、それがたとえ不幸な内容の知りたくないニュースであったとしても、です。

だからこちらが書ける範囲で書くので、ファンの人にもいろいろ知っておいてほしいというのが私の本音です。

そしてファンの人たちにも、来日の責任を感じてほしいのです。あなたの買っているチケット1枚が、アーティストの来日を支えている、という事を。


いろんな意味で、グレンをプロモーションしていくには、自分は非常に役不足だと感じていますし、力が足りないことを感じています。それについて、実際、たくさんのクレームもいただいています。「全然知らなかった」とか言われると、こんなに頑張っているのにな、とも思います。私のブログは、そういった方たちへの回答のつもりです。

ウチはお客さんの協力がなければ、やっていけないが実情なのです。

だから、せめてウチのブログやHPはご自身でチェックしてくれないかなぁと思いますし、そして、実際、驚くほど多くのお客さんがTwitterやご自身のブログでウチのアーティストの素晴らしさを紹介してくださったり、ウチのHPやブログへリンクしてくださるなど、非常に協力的でいてくれます。本当にありがたいことです。


「名古屋に来てとか簡単に言うな」という話。

私はネット時代、こうして主催者とファンが交流できるようになった現状において、もっと建設的なことに、この場を利用していきたいと思っています。

私は自己啓発本とか大好きで良く読んでるんですが、よくビジネスで「子供サッカーはやるな」という話が出てきます。これ、すごく良い言葉だと思いませんか?

「子供サッカー」を頑張る気持ちは分るんです。頑張る気持ちは偉いかもしれない。自分の街へ来てほしい気持ちもわかる。その気持ちは偉いかもしれない。

でも「子供サッカーじゃないんだから」という事なんです。

これ、政治のことでも、学校や地域社会のことでも、そうじゃないでしょうか? 一方的に誰かが決定したから、こうなのだという時代は終わったと思いますね。これからは新しいやり方が模索されていくべきでしょう。

そんな建設的な意見がファンの人から出ないのだろうか、と期待してるんですが、一方的に怒られたとかって思う人がいるとは! なるほど……!! 〜〜さんにメールをもらって、目ウロコです。あれでも相当柔らかく書いたつもりですけど、よく読んでもらえれば分ると思いますが、すべては私がいけないんだって私も書いているつもりですけど……。

どちらにしても、そういう考え方は、自分の中には無い要素だから、私には分らないのかも。傷つけてしまったのなら、ごめんなさい、と言うしかないのですが、であれば、私もお客さんの「名古屋来て」にすごく傷ついている、って事も知ってほしいのですよ。名古屋に行きたい、グレンを新しい場所に連れて行って、たくさんの人に見てもらいたい、一番思っているのは、私なのだから。

そして、それが私の仕事なのです。仕事上のことなんだから、それで食べている人なら、いくら傷ついても、仕方ない? そう言う人もいるのかもしれません。



そして、そういう人からは、素人くさいと思われる反論かもしれませんが「貴方がやってみれば分るよ?」って言う事なんです。それは嫌味に聴こえるかもしれませんが、本音ですね〜

でもそれは、その職業で食べている以上、言っちゃいけない事なんだって、放送局につとめている友達が言ってました。

彼は偉いです。組織の中で歯をくいしばって、言いたい邦題してる視聴者の意見に反論も言わず耐えている。ただ彼と1つ違うのは、その彼の勤めている放送局は、彼が立ち上げたものじゃないんですよね。

私のこの事業は自分で立ち上げたものだし、1人プロモーターは業界にいくらでもいるから、やはり、ある程度の人なら簡単に出来る仕事の一つに違いないのです。

もっといえば、USTがある今、放送局だって一人で立ち上げられますしね。そして、それは誰をもあっと言わせるコンテンツがあれば、それは地上波よりもすごい影響力を持つものになりえるかもしれない可能性を秘めている。そもそも自分が人に教わることなどなく、見よう見まねで自分の事業を作ってきた経験があるから、物事を自分で起こしていけない人のことが、うまく想像できない。

それが私の弱点なのかもしれません。

では、この仕事はラッキーな一部の人がやりえる物? そうでしょうか。私は違うと思います。熱意があれば、誰にでもできる仕事です。実は今度、春から立ち上げる新規事情に忙しいのですが、それも、ホントに誰でもできる簡単な仕事です。私は、そうやって自分のやりたい事は絶対に諦めずにやってきた。そうだ、誰かが成功は、目標に対する執着心だって言ってたのを思い出します。ホリエモンなんかも、よくネットで「簡単に起業できる」って言ってフォロワーの人にたたかれてますけど、目標に執着するものは、執着しない人の気持ちがうまく理解できないのかもしれません。そして、何度も言うと、それが私の強みであり、同時に私の弱点なのです。どちらが偉いとか賢いとかそういう事ではなく、価値観が違うのだ、と思いますね。



まぁ、でも(笑)、まぁ、たぶんそんなことは実はどうでもいいのです。

というのも、実は、グレンの件に関して言えば、問題の根本は全然違うところにあるからです。もちろんここに書いている問題も、数ある多くの問題の1つには違いありませんが。根本問題は、もっと深いし、簡単に解決できることではない。それはここに書ける事でもない。まぁ、あと20年くらいして、引退したら、誰も読まない暴露本でも書きますが(爆)


そういや横浜のバーで、グレン、ファンの人の前で「また呼んでね」って、私に言いましたよね。まるで私に決定権があるみたいな言い方してたけど、あれ、すごい卑怯だと思った(笑)。グレンの「また呼んで」はファンの人の「名古屋来て」以上に私の中の地雷かもしれません。

今までのツアーは,私が押して押して押して、やっとスケジュールを獲得した上で作りえたものです。普通のプロモーターだったら、とっくに挫折しているでしょう。グレン側から日本ツアーについて、協力的だったことなど、今までに一度もないのですよ。

言いたいことはたくさんあります。そうそうエイミーが某新聞社から大金積まれて、映画制作の暴露本提案されて、断ったそうですけどね。まぁ、とにかく言いたいことは……山のようにあるんですよ。実際。申し訳ないのですが、そこはお客様には関係ない事なので、想像してください、としか言いようがありません。反対に、お客さんにぜひ知っていてもらいたい、協力してほしい、ぜひ何かアイディアがあったら教えてほしいと思っているポイントは、ブログに以前書いた部分なのです。


と、まぁ,いろいろ書きましたが、安心してください。というか、文句は言わないでください。なんだかんだ言って、私は他の誰よりも次の来日に向けてちゃんと努力してますから(笑)。

先日もマネージャーに次の展開はこうしたいというメールを送ったところです。そして、今までの私なら自分の提案したことを実現すべく、絶対に絶対に絶対に自分の企画を実現させてきました。それが私のやり方だし、今でも他のアーティストにたいしては,その姿勢です。だからどのアーティストも「次回も絶対に呼ぶ」という覚悟で今まで付き合ってきました。でも、グレンにおいては、これから先は、すべてグレンに任せようと思っています。
今、彼がやるべきことは何なのか、自分でよく考えるべきだと思うし。もしかしたら、このままフェイドアウトしていく可能性もあります。決定権はいつだってグレンです。グレンについては、私に決定権があったことなど、今まで一度もないのですよ。

ほんとこの仕事は深いです。でもその分、ものすごく楽しい。こうやって、〜〜さんみたいな方から、メールも、もらえるわけだから。
真剣に悩んで書いてくださった気持ちがヒシヒシとメールからも感じられました。本当にありがとうございます。これからも何かあったら、ぜひメールください。

でもって、普通のプロモーターなら、こういうのにどうやって返事するんだろ。「貴重なご意見ありがとうございました、今後の参考にします」でスルーか? 読んで深く考えて、短く大人な返事を書くのだろうか。

人のやり方は知りません。でもこうやって長くチマチマ返事書き、しかもそれをブログに載せてしまうというのが(笑)お客さんからしたら、賛否両論でしょうけれど、私はそういう自分がとても自分らしいと思うし、このやり方がフェアだと思ったので、ここに書きました。

いつもウェブ上の先輩方が言ってますけど「分ってもらえる人には分ってもらえるから」

でもそれによって気分が悪くなった人がいたなら、ごめんなさい。
ホント、人間、どこで誰の地雷を踏んでいるか、まったく想像付きませんよね。まったく。私もあちこちに迷惑かけながら仕事してます。そして結局のところ万人に理解されるのは、不可能だ、という事ですよね。本当に難しいです。

それにしても昨日はあの巨匠、麻田さんですら、そう思うのか〜と妙に感動しました。(昨日のブログ参照ください)そして麻田さんくらい長くやってても、結局この仕事、悟りの境地には行けないんだなぁ、と。麻田さんですら、ああ思うんだもの、若輩者の私がそう思わないわけないよね。ちょっと安心しました。

私も20年立っても,悟りは開けてないでしょうね。そして、同じことをボヤいていることでしょう。そして、それが私の幸せなのかもしれません、実は。だって,この苦労も涙も喜びも、すべて自分で決めて選んだ道だから。

これからもグレンを応援してあげてください。って、私が言わなくても、〜〜さんは、応援されていくでしょうから、そんな事、言ってもしょうがないですね。何はともあれ、メールをありがとうございました! 長〜くなっちゃって、すみません。

のざき

PS
そうそう「なんならノルマを課してもらっても、いいです!」っていうメッセージに涙が出ました。ありがとうございます!! でも個人のお客さんに「ノルマ何枚です」なんて言えるわけがありません。別に良いのですよ、「今回友達1人動員しました」とか、そういうので。今回もそういうTweetをいただきましたが、すごく嬉しく思っています。

PPS
と、ここまで長く書きましたが、実際の私はとっくに別の仕事にシフトしてます。 良かったら、ウチの他の連中も応援してやってください。
特にジョン・スミス、おすすめです。http://www.mplant.com/johnsmith/ そうそう、京都のグレンの公演でファンの方が「野崎さんのジョン・スミス、すごく良かった」って言ってくれたの、すごく嬉しかった。今回のツアー中の最高の思いでの一つです。お客さん、ありがとう〜!


*ちなみに文中の「子供サッカーの意味が分らない」というコメントをいただきました。子供サッカー=「戦略もなく、ひたすらがむしゃらにボールを追いかけること」という意味です。