クラシック業界への損害賠償?

原発事故 損害46億円 クラシック音楽協、賠償請求へ」という記事が話題に。実際賠償されるかどうかはさておき、こういう「なんとか協会」ってやってんだったら被害をまとめてレポートするのは義務だと思われるし、こうして記事になって「そうかぁ、そんなに被害が出てるんだ」と世の中に知らしめることは良いことだと思う。

でも、なんか違和感あるよね…と、いろいろ考えていたら、いつも村上龍のメールマガジンでおなじみの冷泉さんがNEWS WEEKに冷静な考察を載せていて、納得。もっとも海外の文化に接すること=日本の文化への刺激になるわけだから、ここにも全部が全部賛成というわけではないけどね。日本に来る海外のミュージシャンの公演もぜひぜひサポートしてほしいと思う。ま、でもウチの公演について言えば,サポートがあろうがなかろうが、やるんだけどね(笑)  

それにしても「日本の熱狂的な聴衆と接することは大きな刺激になるのだと思います」というのは冷泉さんが言っているのは正しい。日本の聴衆の素晴らしさを覚えているアーティストは、みんなきっと帰ってきてくれる。

今回の一連のことについて、いろいろな考察があるが、いつだったか林田直樹さんのラジオ番組でクラシックの先生が言っていた「来ないというのは当たり前のことなんです。なにせ被爆する可能性があるわけですから」「でも来るというのをことさら英雄視するのも間違っています。だって仕事なんですから」というのが、一番腑に落ちる。

いやいや、ウチなんかは大きな被害がないからそんな事言えるのかも。もともと低空飛行の一人自営業。売れないのなんか今日昨日始まったことではなし……リスナーの好みが細分化している近年、音楽ビジネスは個人で、フリーランスでチマチマやるのがいいんじゃないかと思う。

今や音楽業界は壊滅的な状況にあると思う。特に日本の音楽業界は。そんな中、今でも大きなレコード会社やプロモーターが巨大広告費や時間をかけてポップス系の大きなプロモーションを展開しているのを見ると「まだやるんかい」と思ってしまう。いや、違うな。彼らこそ売れる可能性がゼロの音楽を(また万が一売れたとしてもたいして大きくならない音楽を)ちんたらプロモーションしている私を見て「そんなことやっても意味あるんかい!」と思っていることだろう。もっともワールドみたいなジャンルこそ、大きなレッツ芸能界みたいな世の中の隅っこで「文化なんだから」という名目のもとビジネスの荒波にもまれることもなくノウノウとしてたのも事実。ま、気を引き締めて参りましょう! どの業界も明るくないんだから。