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2011年6月24日金曜日

This is what we've got and nowhere I'd rather be



ブログのタイトルはコローナズの「Heroes or Ghosts」からいただきました。このブログでも何度か紹介している名曲です〜。

先週のオリンピアでのメアリー・ブラックの写真がネットにあがっていた。娘のローシンがオープニングを担当。写真もあがっている。うーん、ローシンのデビューも近いのか?!

自分の仕事人生の中で起こったことで一番素晴らしいことの1つに、メアリー・ブラックとの出会い、そしてメアリーの次男のダニーがフロントをつとめるバンド、コローナズの来日があげられる。まったくコローナズが来日したときは、どうなることかと思ったよ。5歳の時から知っているダニーが自分のバンドを引き連れて来日!なんて。でも現場は普通のプロモ来日で、私もプロらしく(笑)サラッとしたもんだったが、今思えば、本当にあんなに感動的な事は誰にでも起こることではないとしみじみと感じるわけだ。世の中にプロモーター多しといえども、こんな事は滅多にないんじゃないかしら。親子二代にわたって一緒に仕事ができるなんて、長くやっている証拠だもの。アーティストと良い人間関係が作れている証拠だもの。

いつだったか、コローナズが盛り上がり始めた頃。ダブリンでメアリー・ブラックの旦那様でマネージャーのジョーといつものタルト屋で打ち合わせてたんだけど、ジョーが「あそこのタルト屋のおばちゃんがコローナズのチケット取れなかったって言うんで、この前招待してあげたんだよ。そしたら今回はまとめて5枚も買ってくれた」なんて嬉しそうに話してくれた。「好きなんだよ、あいつは。人前で歌うのが」と、ジョーはちょっと呆れたように、でも嬉しそうに自慢の息子の話をする。ほんと普通の父親の顔だよなぁ。

ダニーは「両親は僕に歌えとは一度も言わなかった。それに彼らは僕が何になったとしても精一杯応援してくれたと思う」とインタビューで答えていた。そういえば、一時Facebookで、私とメアリーの末娘のローシンが農場ゲームにはまっていたとき、ジョーに「ローシンの農場はすごいわよ、大きくて、牛が何匹もいて」みたいな話をしたら、普通の日本の親だったら「あいつはくだらないことに時間を使って」と言うところを、ジョーは「そうなんだよ、あいつの集中力はすごいだろ。前のゲームもえらく熱心にやってた」と、マジで感心していた。どうやら徹底的に褒めるのがアイリッシュの子育てのようだ。だから子供は自信満々の大らかな子どもになる。どんなに辛くても頑張れるアリイッシュ魂はそこから生まれるのか〜と、ちょっと思った。

以前キラーニーのメアリーのコンサートの前座でダニーがソロで歌ったとき、メアリーは私に「ダニーを出すことについてはどうかな、と思ったのよ、でも私たちは彼の歌がいいと思うし…」なんてちょっと恥ずかしそうに言っていた。ステージではダニー・オライリーと紹介されていたし、メアリーは自分の息子なんだということは一言も言わなかった。ダニーももちろん言わなかった。でもダニーがステージの最中に一度だけ「昨日母ちゃんに聞かせて気に入ってもらった曲」なんてポロッと言った瞬間があって、それがかなり可愛かったのを記憶している。この時、私はあまりダニーのパフォーマンスに心を動かされなかったが、その数年後、コローナズを始めてWhelans(ダブリンのクアトロみたいな会場)で見て、こりゃーいい。このバンドならある程度いけるかも、と思ったのであった。あの日のWhelansには2Fの隅に父兄席(笑)が出て来ていて、バンドのメンバーの両親がそこにたまっていた。ジョーは自分のために用意されてた席を私にゆずってくれたので私はメアリーの隣でずっとコンサートを観ることが出来たのだが、メアリーがうれしそうにずっとステージを見下ろしながら、ダニーと一緒に歌っていたのを覚えている。懐かしいなぁ。そう、そして、そこから2年弱くらいでコローナズを日本に呼べたのだ。
(Big Thanks to ビクター・エンタテインメントさん、アイルランド政府観光庁さん、Irish Network Japanさん)

親子関係もいろいろだよね。こういう親子がいる一方で、自分のツアーに学校をドロップアウトした出来の悪い息子をローディとして雇い入れた、というケースを別のアーティストから聞いたことがある。でもその息子は肝心のロードアウト時に姿を消し、その場でクビになったそうだけど。ま、でもよくある話で大きなツアーに行くと何もしてない親族がスタッフとしていたりするが、それにしても、ローディなんて一番モチベーションが必要な仕事なのに、ローディの仕事に失礼だよね。そのアーティストから話を聞きながらローディを馬鹿にするんじゃないよ、と心の中で思った。良いローディになるには、圧倒的な決意と確固たるプロ意識が必要だ。ま、そうストレートには本人に言えず、「親がその場のスターだと難しいんじゃない?」とだけ言った。それに比べるとメアリー親子は本当に素晴らしいと思う。そして、また本当に仕事だけスキっとこなし終わったあとは出しゃばらずにまったく姿を消してしまうプロのローディさんたちも本当にかっちょいいと思う。世の中、かっちょよく仕事しないとダメだよね。なんていうか、自分の仕事にプライドのない、かっこわるい奴らが多すぎるんだよ、世の中には! まったく! ま、ゴキブリたたきに夢中になっても仕方ないので、細かいことはビールとともに忘れることにしよう。下をみていたらきりがない。前を向いて,頑張って仕事しよう。ま、どの業界も一緒か。頑張って仕事しマース!


PS
現在交渉中のアメリカのアーティストから11ページにもわたる公演ライダーが来て、おもしろおかしく読んでいるところ。公演終了後、大きなピザを2枚……とかアメリカ人っぽいよね! それにしてもよく食べるなぁ〜みたいなライダーだ。