思いでは思いだし、かわいがるもの…



思いでは、何度も思いだし、かわいがってこそ、思いで。

最近、もうツアーのこととかまったく思い出せないのがイヤになる。先日も某所でヴェーセンのツアーの話になり、自分があまりに何も覚えていないことに驚愕。たった数週間前のことなのに。すでに1年くらいたっているようにも思える。

今日も自分で字幕をいれたこの映像をみていて、どうやって字幕って入れるんだっけ…と思うと、これがまったく思い出せない。たぶんまた字幕が必要になったらググって、調べて、失敗しながら、また最初から習うのであろう。それでいいと思う。字幕の入れ方なんて自分でずっと覚えてたら脳みそがパンクしちゃうから。

それでもせっかく楽しかったツアーをしみじみと思い出す時間がないのが悲しいと思う。他にも同じ場で「アイスランドの火山灰の時は」みたいな話もされたのだが、これも実は全然思い出せない。あの時思った。「海外出張もしょっちゅうだとまるで思い出せないのだけど、この出張は本当に印象的だ。だから一生覚えているだろう」と。で、そう強く思ったことは思い出せるのであるが、実際の詳細は今やもうよく思い出せないのだ。ひどいよね。でもブログに書いてあるし、あとで見て思い出せばいいかくらいに思っている。で、たとえばこのブログがなんかのきっかけで全部なくなったとしても、まぁ、ツアーのファイルとか写真とかみて思い出せば…くらいに。

ま、それだけ毎日エキサイティングだ、ということだとは思う。後ろを振り返るのは引退してからでいい。それにしても、思いではちゃんと思い出して、なでまわしてこそ楽しいのである。だから何度も来日するアーティストたちが、前回の来日のことをびっくりするほど覚えていたりするのをきくと、あぁ、時々思い出してくれてたのかな、と思う。このカズオ・イシグロについての福岡先生のコメントにあるように。

「記憶は繰り返し思い返すことで飼いならされ無意識のうちに美しく変更されています」

全文はここ。実はこのエントリー、私のこのブログの中では圧倒的にViewer数が多い。カズオ・イシグロ人気だなー。ググって来る人が多いのかな。引っ越しが落ち着いたらBOOK TALKのブログ、またやらないと。